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sanmariのひとりごと

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なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
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2021年12月の記事一覧

先生の手に包まれた、わたしの祈りの手-クリスマスイブ-

あの頃のわたしにとって、祈ることは生活の一部だった。 母の「ちゃんと感謝できる子に育ってほしい」という教育方針というか願いにより、わたしは2つのミッション系の幼稚園に通った。 最初の幼稚園は、園長先生が『天使にラブソングを』に出てくるようなhabitを見に纏う、教会に併設されたカトリックの幼稚園。 毎日、朝・お弁当の前・帰りの会と手をパチンとあわせて「アーメン」と唱えることに慣れてきたというのに、年少の7月には父の仕事の都合で引っ越しをすることなってしまった。たった3ヶ

サンタクロースを信じるわたしと、贅沢な権利-アドベント3週目-

サンタクロースは、いるのだろうか。 この問いに惑い惑わされるこの時期は、サンタクロースを、それを信じる子どもたちを、それを疑う子どもたちを、ドキドキわくわくさせる。 わたしの通っていた小学校では、3年生頃に「サンタクロースはいるかいないか」というこの問いを題に、学級会が開かれた。確かあれは、「ぼくは、夜中にサンタクロースを見た。あれはお父さんだった。」という子もいれば「わたしだって、サンタクロースをみた。でもあれは、我が家の誰でもなかったし、翌日には英語で書かれた手紙だっ

ガブリエルに憧れた日々。憧れが崩れ去った日々。-アドベント2週目-

まだお昼過ぎだというのに空はすぐにでも夜を連れてくる準備を始めていて、街中のイルミネーションを眺めてもう一度空に視線を戻すともうすっかり夜になっている。思わず息を吐くとそれはもう白くて、これは本当に冬がやってきてしまったのだなと思わずぶるっと身震いする。 わたしの通っていたミッション系幼稚園では、この時期、毎年恒例の行事に向けて粛々と準備が始まる。それが、アドベント1週目のお話でも触れたクリスマスの降誕劇。 わたしの出身幼稚園では、 年少さん:その他大勢のお星様役。 年