高校デビューも、わるくない。
当時わたしが住んでいた九州の片田舎では、公立高校に合格することが、人生最初で最大のミッションだった。そして、その公立高校入試で、わたしは見事に失敗した。
4月。わたしは紺色のスーツのような制服を見に纏うはずが、タータンチェックのスカートにブレザーを身に纏って、入学式の席についていた。
入試日。ここは滑り止めだと鷹を括ってぼんやりとバスに揺られていたら降りるバス停を間違えて試験開始5分前に走って校門をくぐり、休み時間には廊下で鬼ごっこをして怒られた苦い思い出しかない私立高校