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sanmariのひとりごと

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なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
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2021年6月の記事一覧

高嶺の花を手にした夕暮れ

女の子に生まれたからには、花束をプレゼントされたいと思う。慣れ親しんだいとおしさ右手に添えたいときには、ひまわりの花束を。特別な日には、芍薬を。 *** 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」なんて例えられる、華やかさと芳しさを揃えもつこの花は、わたしの恋愛のバイブル『GOSSIP GIRL』で知って以来の憧れだった。 芍薬の蕾は、毎年5月の半ばからお花屋さんに並ぶ。けれども、一本1,000円近くすることもあるその花は、憧れすぎて手に入れられない存在だった。 今

虹の端を追いかけた、あの日のこと。

虹の端には、宝箱があるらしい。 当時のわたしは、「洋服といえばナルミヤのメゾピアノ!」と、フリフリでピンク色の服を身にまとった、ミーハーな小学生だった。(わたしが、というよりは母が、このブランドの服をえらく気に入っていたんだと思う。とっとこハム太郎やキティちゃんが描かれたTシャツは絶対に買ってくれなかった母が、ここの服は笑顔で買ってくれていたから。) ナルミヤのキャラクターが描かれた文房具を扱う「レインボーパーク」は、わたしたちの聖地で、田舎の百貨店のワンフロアに展開され