マガジンのカバー画像

sanmariのひとりごと

277
なんでもない日常の、でも、だれかにとって、ちょっと、特別なことたち。
運営しているクリエイター

2020年5月の記事一覧

ニガテの正体。

白いご飯にお味噌汁、焼き魚に葉のもの。 「日本の朝ごはん」いや「日本のご飯」に味噌汁は、欠かせない。 というのは、どんなテレビ番組を見てもどんな雑誌を見ても分かりきっていた。 それでもわたしはずっと、味噌汁が苦手だった。 別に、食べられないわけじゃない。というか、あまりにも「定番」なみそ汁を「苦手」と言う勇気がなかっただけだ。だって、嫌いな人とかいなさそうじゃん。 だから、給食や外食で出てきたみそ汁を減らしたことも残したこともない。 でも、家に帰ると夜ご飯のお味噌汁を

写真集がやってきた日。

立夏を過ぎてからというものの、これはもう夏なんじゃないかと錯覚するようなお日様が毎日のように顔を出す。青い空に白い雲。まるで小説の描写のような空が広がる日々。 毎日のようにベランダに出ては、ファインダー越しに空を眺める。部屋からのぞく空は紛れもなく青い空だというのに、ファインダー越しに眺めると、思っていた以上に白い雲が多いことに気付く。 今日も今日とて、青空が綺麗な時間帯がやってきた。我が家は西向きにベランダが付いているから、午後になるとぐんと日差しが強くなる。そのはじめ

とある団地の片隅で。

あんこが好き。それも、なめらかなこしあんが。 普段は職場の食堂でランチを食べるわたしも、ここ最近は職場の近くにお気に入りのパン屋さんを見つけて、足繁く通っている。といってもわたしの出勤日は週に1回だけだから、たまの贅沢。 在宅での仕事が日常になった今日この頃、外で食べる気もしないしどうせ家にいるならと、自炊が習慣化してきた。という状態は、職場の誰もが感じていて。週に1回くらいは、「外にご飯を買いに行く」という贅沢をしてもいいよね、と自然とみんなで通うようになって早1ヶ月。

ラブレターなんてもらっちゃったら、たぶん、一瞬で恋に落ちると思う。

LINEよりもメールが、メールよりも手紙が好きだ。 はじめて自分宛ての手紙をもらったのは、いつのことだろう。 記憶の中で一番古いお手紙は、幼稚園の年長さんのとき。 ある日郵便受けから手紙をがさごそと取り出した母が、わたしの顔を見てこう言った。 「あら。sanmariにお手紙が届いているわよ」 母が丁寧にペーパーナイフでその白い封筒を開けると、中には赤いランドセルを背負った女の子のポストカードが入っていた。 「しょうがっこう にゅうがく おめでとう」 そうひらがなで