昭和にありそうなお化けみたいな番組 第一話 角刈番長の恨み
昭和という時代を舞台に、自称霊能力者の宜怒無上(ぎどむじょう、金髪、天然パーマ、年齢不詳)の一風変わった透視術を中心に、ありそうでなさそうな、どこか懐かしいTV番組をモチーフにした独自の世界観が繰り広げられる、ある意味ホラーな子供から大人まで楽しめる、全四話のラブコメディー。
第一話 角刈番長の恨み
じめっとした夏の夜
森の中
カメラの照明に照らされ女性が立っている
女性「ハイ!ど~も!」
ハイ!どーもの声に合わせ、胸を寄せ谷間を強調するポーズをとる女性
女性「宜怒無上(ぎどむじょう)先生と行く心霊スポット巡礼の旅~,本日ののリポーターは私マリンで~すプ。 ハイ!ど~も!」
ハイ!ど~も!に合わせ胸の谷間を作るポーズをするマリン
マリン「本日は様々な心霊現象がおきるという廃校にやってまいりました、もうほんとうに怖いですプ、でもマリンがんばるプ」
胸の谷間を寄せながらこぶしをほほにあてぶりっ子ポーズをとるマリン
マリン「それでは早速ではございますが、本日の主役、宜怒無上(ぎどむじょう)先生に登場していただきましょう、どうぞ~プ!」
無上「南無南無南無南無南無南無南無~ンムム~ン、ハー!ハ!ハ!ハー」
マリン「出ました~、ありがとございま~す、なむなむ~んっは!すごいプ~」
こぶしを口元にあて上目づかいで無上の方を向くマリン
マリン「ハイ!ど~も!マリンですプ」
無上に胸の谷間を見せるポーズをとるマリン
胸の谷間を凝視する無上、ふと我に返りカメラの方に話しかける
無上「今日はいつもの男性じゃないんだね?」
ディレクタ「はい」
無上「ま~い~や!あのね~も~きてるよ~、感じるね~、すごく臭いがするね~、そのカメラの向こうでこっちを見てるよ~、見てるよ~、すごくみてるよ~」
マリン「え~!マリン怖いプ」
無上「帰れー帰れー来るなー来るなーって言ってるね~、怒ってるね~」
マリン「この場所で、もうきてるって、こわいです、本当に今日行くんですかプ」
腕を組み谷間を寄せながら上目づかいで無上をみるマリン
無上「なんかさっきから君の方が目立ってないか?」
カメラに近づく無上
無上「ま~いよ!安心しなさい、この無上がいれば大丈夫、大丈夫だから、今から話してくるから!」
カメラのよこまで歩く無上
無上「南無南無南無~ン、ムム~ンごめんよ~ごめんよ~、南無~ン・・・ですかムム~ン、わかったム~ン、南無南無~ン」
戻ってくる無上
無上「撮影後にちゃんと供養してくれたらいいって、無上だから今日は特別に許してくれるって」
マリン「流石、宜怒無上(ぎどむじょう)先生ですね~、かっこいい~、マリン怖かったプ」
自慢げな無上、ぶりっ子ポーズをとるマリン
カメラの方を向く2人
マリン「・・・え?あー、それでは早速学校に行ってみたいと思いますプ」
マリンの方を向く無上、きょとんとしているマリン
カメラの横からディレクターの声がする
ディレクタ「無上さん、それではいつものやつ行きましょう!無上さん、せーの!」
無上「南無南無南無~ン!ハッ!」
カメラに向かい拝むポーズをとる無上
学校扉前
無上「ハ~イ、じゃ~早速、行こう」
マリン「ハイ!ど~も!」
ハイ!ど~も!に合わせ胸の谷間を作るポーズをするマリン、
無上はムっとした顔でカメラとマリンの間に割り込み
無上「南無南無南無~ン!ハッ!ハ!ハ~!」
カメラに向かい拝むポーズをとる無上
校舎内
真っ暗な校舎をライトをもって歩くメンバー
無上「すごいね~すごいね~、この学校パワーがすごいね~、この教室からすごい臭いがするよ!感じるね~、入ってみよう」
マリン「マリン怖いプ」
教室に入り教室内を見渡す無上、ゆっくりと机に向かい歩いていく
無上「この机に、すごく感じるよ~、臭うよ~、この机きてるよ~、きてるよ~、もう早速透視するよ、透視するからね~、準備できてる?臭ってるよ~」
マリンの方を見る無上
無上「行くよ!もうやっちゃうよ!透視!」
うなずくマリン
無上はカメラの横にいるディレクタの方を向き
無上「いいんだね?出ちゃうんだよ!早速だよ!でちゃうんだよ!」
ディレクターの方を向くマリン、棒読みで
マリン「出ました、早速出ます、早速でます、宜怒無上先生の凄すぎる透視術、よろしくお願いします、プ」
リズムを失い首をフリフリする無上
無上「も~い~や、いくよ!いくよ~南無南無南無南無南無南無南無~ン、ムム~ン、ムミ~ン、ム~ミ~ン、見せてム~ン、教えてム~ン、聞かせてム~ン、ムム~ン」
数珠をを手に持ち拝みながら、片目をうっすら開けマリンの方を見る無上
無上は首をかしげる
マリン「・・・・・・」
数珠を手に持ち激しく震えだす無上
無上「あ~~見えてきて、見えてきたよ~、突っ込むとこだったけど、僕には全てみえてるよ~、きたね~あ~~~見えるよ~、みえるよ~あ~~~~~~~~~~」
目を閉じうなだれる無上
*テロップ ここからは宜怒無上先生が見えたものをVTRで再現しています!
教室内
角田「おい!稲田―俺のパンも買って来いよ~」
稲田「え~僕今日お金持ってない」
稲田に近づく角田
角田「うるさい!しばくぞー!」
ドン
稲田「いたー」
幸子「角田君、見たよー、やめたりーよー、暴力ふるったって先生に言うで!」
角田「え?・・・うるさいなー、もーわかったって・・・稲田行くぞ」
教室をでて購買店に向かう二人、二人のもとに生徒が駆け寄ってくる
田辺「角ちゃん、角ちゃん!!裏に3中から来た奴が、1年の番長連れて来いってゆってるねんど?」
角田「・・3中?・・・・・今日は今からすぐに先輩の所行かとあかんからー、俺はいかれんわー」
稲田「角ちゃん今からパン買いに行くだけちゃうかった?」
角田「うるさい稲田!ほんだら行くからなー、喧嘩の件は福田に頼んでみてー、稲ちんじゃーなー」
去って行く角田の後ろ姿
田辺「前もゲーセンで東中のやつらきたら、すぐ帰って行ったしー、角ちゃん、ガリガリやし、ほんま強いんかな?ワックスのにおいもして色気づいてるし、弱そう」
稲田「ほんまに、肩パンされてもいたないし」
急ぎ足で歩く角田
角田「イヤ、イヤ、イヤ・・あかん、3中なんか絶対あかん、エリートヤンキーやで・・無理無理無理」
学校の屏をのり超えようとする角田
3中「オイコラー!」
角田「え?」
屏を登りながら声のする方を向く
3中「お前じゃ!待てコラ」
角田「マジ―、3中―」
屏を飛び降り走って逃げだす角田
角田「今日メチャついてなーい、やばーい」
キーキーキードン!!
♪ピーポ―ピーポーピーポー♪
角田(あれ~、めっちゃ車の角へっこんでるやん・・その近くに角刈が見えてる~、え~俺っぽい・・うそ~ん、直角の角刈やん、絶対俺やん、昨日綺麗にしたばっかりやし・・めっちゃ血出てるし~怖い・・痛いの嫌いやのに~・・・くそ~なんで俺やねん、いやや~、稲田と逃げてたら、あいつ餌食にできてたのに~くそ~くそ~恨む~、恨めし~、恨めし~)
:::ピカピカピカ―ドッカーン:::
角田(あれ?・・なんか真っ暗になって・・ピカピカって光って)
目をとじ教壇に立つ先生
まさ先生「じゃーみんな目を開けて―」
角田(え?・・ずっとみとったけど・・うっ・・え?え~?体が動かんし~!・・めっちゃ見たことある風景~)
まさ先生「と言う事で、角田君が車にクラッシュされ、尊いものを失ってしまいました、みなさんもこの大惨事を教訓に、交通ルールは必ず守ってください!」
角田(先生―、俺ここにおるよ~)
♪キーンコーンカーンコーン
仲地「起立―、礼、着席」
田辺が稲田の机に近づき稲田の机に座る
ドン!
角田(イタ!、イタイし、重た~い)
稲田「田辺~、机の上に座らんといてよ~、教科書曲がるからやめてほしいんよ~」
田辺(笑)「ごめん、ごめん角刈のマネ」
角田(ん?角刈のマネ?机の上に座る?重たい?動けない?俺の上に田辺のケツ?)
稲田「田辺~、今はそのシャレ微妙~」
角田(稲田?の鼻の穴丸見えやけど)
田辺「あ~コンパスやん、直角角田のマネしたろ、稲田の手でスピードアップとか言って、これやってたよな~」
コンパスを机の上でトントントントントントン!
角田(イタイ、イタイ、ごめん、イタイ、イタイ、やめて、やめてください、イタイ)
稲田「田辺ー机傷つくー」
角田(え・・え~・・机やん・・机傷付く、イタイ、この光景・・机やん・・俺机に・・・のりうつってる?てか確実に机にのりうつってるし~!)
田辺「稲田、何回かホンマに刺さっとたな~」
稲田「ホンマに痛かった、そのたびに小っちゃい声で、ごめん、ごめんってあやまってきてさ、意味わからんし、角刈」
角田(ちがう、それは周りでみんな見てたから・・いきってもうて)
ドン!
角田(イタイ!)
田辺「思い出したらムカついてきた、あのカクカクガリガリ野郎」
稲田「田辺、落ち着いて、今はそう言うのんやめとこ」
角田(稲田~~~!・・ありがとう~)
♪キーンコーンカーンコーン
田辺「戻るわ!」
離れていく田辺
稲田「(ほんまつんでくれてよかったけど)」
角田(え?稲田?聞こえたけど)
仲地「起立―、礼、着席」
まさ先生「それでは早速始めまーす、教科書の・・」
教科書をひらける稲田
角田(あれ?稲田、今教科書に隠れて鼻くそほじったよな!絶対ほじってるやん、指動いてるし~、丸めてるやん、汚いな~、丸見えやで・・って俺の裏につけるんかい!うわ!稲田~そこは指でそっと飛ばすがカテゴリーやろ~・・つけるか~きたな~災厄やん、やめてや~、ねちょっとしてるやん!・・あ~そういうことか!ねちょっとしてて飛ばへんからつけたんか~!がんばってずっとまるめとけよ~、飛ぶようになるから~!てか~ほんま俺ついてねな~、いや!ある意味ついてるな~、ってしょうもない事言うてる場合ちゃうけど~、も~・・・災厄や~・・なんでこんな事になったんやろ~)
角田(・・・って、ウトウトしてた・・・・つめた!あれちょっと濡れてる?漏らした?漏らす?稲田よだれ~!よだれ~!うわー、伸ばすな~袖で、のばすな~、も~、も~!臭なるや~ん!水でふいてくれよ~、稲田~、くさ~い!・・・こしょばい、こしょばい、次何?やめて、やめて、何して・・星書くなよ~!、ひまやからって、一筆で俺に星書くな~、・・次はハート、相合傘って笑うわ!一番無縁やろ・・って花子?あの花子??魔人ブーの?・・いやいや稲田、そこやったらいけるかもよ!いやいけるぞー!がんばれー!こしょばいって!か、く、た、の、せ、い、つ、ん、で、く、れ?いやつんでるし!って消した、書いてすぐに、つんでたって気づいた?罪悪感?なんかいつも書いてる感でてる!・・・てか俺のせい?どういう事?・・・・あ~・・そらいじるわ~、いや知ってたらいじるで~、稲田と花子、、稲田花子やろ、ヒュージョンやって~って言うな~・・こしょばい、こしょばい、・・よ、か、つ、た、か、く、た、つ、ん、で、く、れ、て・・罪悪感は?稲田~稲田~!)
♪キーンコーンカーンコーン・キーンコーンカーンコーン
まさ先生「はいじゃーこれまでー」
仲地「起立―、礼、着席」
田辺「お~い、稲田~きて~」
稲田「何~?」
立ち上がり歩き出す稲田
ガン!!
稲田「イター」角田(イッタ!)
稲田「イタいー、机の角で足の小指ぶつけたー」
角田(イッタ~足の小指で角ぶつけられた~・・・イタ~、稲田の小指より、俺の角の方がイタイねん!俺の方が痛いから!俺も角、気持ちわかる?いきなりガンやで!気持ちわかる?めちゃくちゃ角イタイんやで!角崩れるやん!角が命やねん!角崩れるんホンマきらいやねん、わかる?)
稲田「このくそ机」
ドン!
机をたたく稲田
角田(イタイ~!また角!稲田ちゃんもっと優しくしてよ~・・痛いよ~・・角痛いよ~・・やさしくしてよ~苦し~よ・・・こんなんいやや~、苦しよ~、たすけて~、たすけて~)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
教室
机に向かい震える無上
無上「あああああああああああああああ~」
沈黙・・・・
片目を開けマリンをゆっくり見る無上
髪の毛をクルクルしているマリン
ディレクターの方を薄目で見る無上
無上「あああああああああああ」
ディレクタ「無上先生、無上先生!!先生」
目をあける無上
無上「はーはーはーはー」
ディレクタ「先生!先生大丈夫ですか?」
慌ててカメラに向き谷間を作るマリン
無上「大丈美!かなりやばかったけど・・・大丈美・・いまから供養するよ」
ディレクタ「はい、無上先生の真骨頂!恒例の儀式でしっかり成仏させてあげてください」
無上はカメラに指を差し
無上「わかってるね~、わかってるね~!じゃあ、いくよ~!」
数珠を手に持ち机に向かい激しく震える無上
無上「あ~つらかったな~、つらかったな~つのだ~成仏しろ~成仏しろ~・・南無南無南無南無南無南無~ンムム~ン、つのだ~、つのだム~ン~、角がなくなり丸くなれ~、丸くなれ~ムミ~ンムム~ン、角ム~ン、は~、はっ!はっ!はっ!はっ!は~は!」
お祈りをやめる無上
無上「ふ~もう大丈美でしょう、しっかり供養いたしました」
マリン「すご~い!ハイ!ど~~も!」
ハイ、どーもに合わせ胸の谷間を寄せるマリン
マリンをにらむ無上
ため息をつき
無上「ハ~、角が立つから、ま~い~か、・・・・じゃ~次行こうか、次行こう!まだまだ私を待ってる声がするよ~」
・・・・続く・・・・
第三話 汚された思い|三休~♪ (note.com)
昭和にありそうなお化けみたいな番組 最終話 トイレの花子さん+裏話 |三休~♪ (note.com)