宇崎ちゃんコラボのSCM解析の弱点を突かれたので、何かしてみる。その2
パラレル仮定が成立してないけど、どうする?
その1でまとめましたように、パラレル仮定は成立していないっぽいです。しかし、ここで解析を投げ出すわけにはいきませんが、公表データ以外は使えません(日赤に打診はしましたが、ダメでした。とても常識的な判断だと思います)。
私が平素取り扱うデータは、研究のために収集されたり、用意されたデータというのはほとんどありません。
そのため、このような事態が起きがちです。「起きてしまったら、そこで試合終了」としてしまうと何も出来ません。
仮定が成立しないという事態が起きたときには、「この不成立によって、結果はどのようにズレてしまうのか?」を考えたり、必要であれば追加で解析したりします。
そして、少しでも真実に近づくことを試みます。
パラレル仮定2を何とかならないか、考える。
パラレル仮定2は下記の様に定義していました。
パラレル仮定2:2019年10月の関東の献血者数は、もし2019年10月に宇崎ちゃんコラボがなかったとしたら、合成対照とパラレルに動く。
※通常は観察不可能(もしもボックスがあれば観察可能)
パラレル仮定2が成立しない理由として、宇崎ちゃんコラボ以外に2019年10月の関東だけに起り、献血者数に影響を与えそうな出来事・要因を考えます。
このような要因として、台風による影響が大きいと思われましたので、台風の影響をどうにかすれば、仮定を成立に近づけられそうです。
台風の影響によって献血者がどの位増えたのか/減ったのかを知ることが出来れば、何とかなります。
その増減値と今回の解析結果(約+250/都県)を加算すれば、真値に一歩近づきます。
私は、台風による減少があったと考えていたので、台風がなかった時の真値は+250よりも大きいと考えました。しかし、そうではないという意見も頂きました。この辺の話は別記事で書いています。
また、台風以外にもパラレル仮定2を崩す要因があるかもしれません。どんな要素であれ、パラレル仮定2を脅かす要因の影響の大きさ定量化できれば、(多少は)なんとかなります。多少は。
ここまでをまとめると、台風とかの影響を定量化したら、何とかなるということです。次に台風の際に、献血者数の推移を捉える事で、考察の一助にできると思います。
Tweetで頂いたコメントへの回答
注:★=10月において「関東7都県」と「合成関東」は「宇崎ちゃんコラボ」以外はほぼ条件が一致している
このTweetに対する回答としては、次のようになります。
パラレル仮定2を脅かす要因の影響の大きさ定量化することによって、結果の解釈をより正確なものにすることが出来ると考えます。
私は、2019年10月の台風上陸が最も大きい影響を持っていると考えました。
具体的な数値として定量化することはできませんでしたが、台風は献血者数を減らす方向に影響があるのではないかと判断し、考察しています(このnote)。
ただし、上記note中にも記しましたが、異論も出ています。台風上陸によって献血者が増えるのか/減るのかは、他のデータセットを用いて検討する必要がありそうです(誰かやってたら教えて下さい)。
また、台風以外にも影響の大きい要因があれば、検討したいと思います。
ここまでのまとめ
パラレル仮定2は成り立っていないが、台風の影響が特に結果を歪める力が強そうです。
台風が来ると、献血者って増えるのか/減るのかによって、増分差(約+250人/都県)や差(約+126/都県)の解釈が異なってきます。
他に影響を与える要因があれば、教えて下さい(他力本願)。
続きはこちら(その3)。
利益相反(COI)について
宇崎ちゃん献血コラボ関係の利益相反は、2019年11月17日の記事中の通りです。
また、コメントを頂いた方々やTweet等を引用させて頂いた方との利益関係はありません。様々なご意見・ご指摘を頂きありがとうございました。
金銭・経済的なCOIはありません。ただし、金銭を頂くことを拒否している訳ではありません。何か贈りたい方は是非お願いします(ダイマ)。