「宇崎ちゃん献血コラボの影響を解析した結果」を公開した結果
宇崎ちゃん献血コラボについて、一連の記事(第1回、第2回、第3回、第4回)を書いた結果、いくつかの気づきがあったので、自分への戒めを込めて記事を作成しました。
沢山の反省点がありますが、特に反省している点を書いています。なお、トップ画像は「ぱくたそ」のこの画像です。
取りあえず、こいつ(自分)は、短く説明するスキルがありません。
ミスコミュニケーションへの反省
思いのほかツイートが拡散しました。このツイートには「250人/都県の増加」と「ランダムウォークの一部である可能性」を記載していました。しかし、伝わったメッセージとしては、「250人増加」ということだけになっていました。
※RT1000、Fav1500前後
私の観測する限り「250人増」という情報が少し歪んで伝わってしまいました。しかし、拡散したツイートを後から修正することは困難でした。
ここでは引用はしませんが、誤った解釈でリツイート・言及されている方もあり、結果を140字で誤解無く伝えることの困難さを改めて感じました(小並感)。
マスコミを通じた情報の発信については、多少は学んでいたにもかかわらず、ソーシャルメディアで(影響は小さいとは言え)ミスコミュニケーションを発生させてしまったのは、大きな反省点です。
HPVワクチンや原発放射線などリスクが過大評価されている健康情報、健康への効果がない偽科学的な情報、等々がソーシャルメディアで拡散している状況を鑑みると、公衆衛生分野の研究者・実務者はソーシャルメディアでの情報発信戦略を研究するという喫緊の課題に迫られています(主語が大きい)。
私も140字で齟齬無く伝えるために、今後はよく推敲したいと思います(小並感)。
SCMに対する不十分な理解への反省
一連の解析ではSynthetic Control Methodを使っていましたが、理解が不十分であったことを露呈しました。
私は条件さえ満たせば、かなり強い研究デザインであると考えていました。しかし、今回の解析を通じて「p値が離散的になる」「信頼区間の算出を想定していない」という欠点を体感することになりました。
また、一連の記事を書いた後で、下記のツイートに気づきました。
このツイートのリンクを辿っていくと、Sao Paulo School of EconomicsのFreman先生とPinto先生がSCMの限界点について、いくつものworking paperを書かれていることがわかりました。
このような広い範囲での文献にはあたっておらず、SCMに対する理解が不十分であった点を反省したいと思います(小並感)。
この解析を公表することで得たもの
自己満足と余計な自信。
だけで無く、多くの方からのフィードバックがありました。これにより新たな発想や勉強の機会、理解の深まりを得ることが出来ました。ありがとうございました。これは、拡散しなかったら得ることができなかったことと思います。
noteで解析を発表するということ
「研究」という活動は、その成果を社会に還元する(ただし、直近の未来ではなく、100年後とかかも知れない)という目的もあることから、個人のものではなく、公共性の高い活動です(要出典)(独自研究?)。
そのため、主要な研究発表の場の1つである論文や学会発表では、個人的な思いや事情については、捨てられ、記載・記録されることがありません。
しかしながら、noteでの発表では、個人の思いや事情を載せ放題です。一連の記事にも、「面倒くさい」だの「小並感」だのという、研究本体には関係の無い「研究者の感情」を意図して記載しました。
このような個人感情の吐露が研究の質を上げることは無いでしょうが、無味乾燥な解析に色を添え、より研究や解析を身近に感じていただければと思います。
とはいえ、身近に感じるどころか、「『ご笑覧』とか言いながら笑いながらは読めない」「読破には覚悟が必要」「プロの犯行」「3行で無理」といった非公開のフィードバックも頂きました。
正気を失い、論文化を目指す。
また、別のある方からの非公開のフィードバックにより、この解析が論文として採択される可能性がある雑誌を紹介していただきました。
いわゆる人食いジャーナルではない、査読もしっかりしている、オープンで読める、インパクトファクターがついている、という条件を満たしています。信じられないことにこのような条件の論文誌がありますので、論文化を視野に頑張っていきたいと思います。
なお、そのジャーナルにリジェクトされたら、次の投稿先は恐らくない、という背水の陣です。逆境ナイン好きの筆者には燃える展開です。
利益相反(COI)について
宇崎ちゃん献血コラボ関係の利益相反は、11月17日の記事中の通りです。また、コメントを頂いた舶匝様との利益関係はありません。
また、コメント頂いたり、ツイート等を引用させて頂いた方達との利益関係はありません。様々なご意見・ご指摘を頂きありがとうございました。
金銭・経済的なCOIはありません。ただし、金銭を頂くことを拒否している訳ではありません。何か贈りたい方は是非お願いします(ダイマ)。