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【第三回】そんなに人気あったっけ?瓢箪&竹

みなさま、いつも大変お世話になっております。サンコー商事でございます。
今回は主題の通り、「瓢箪」と「竹」の掛軸についてお話ししたいと思います。

瓢箪の掛軸

まずは「瓢箪」。掛軸で見かける瓢箪の図柄は、ほとんどが六つの瓢箪を描いています。この「六瓢(無病)」は、無病息災を祈念する縁起物として親しまれており、家族みんなの健康長寿を願って飾られることが多いです。


奥田拓也「瓢箪に雀」

そもそも瓢箪は薬を入れる容器として古くから使われ、さらに百薬の長である「お酒」を入れる器でもありました。その形状から、「鈴なり=子宝に恵まれる」といった意味も込められており、実に縁起の良い植物です。

興味深いのは、この瓢箪の掛軸が以前はあまり売れなかったという点です。ところが、コロナウイルスのまん延以降、ぐっと需要が高まりました。まさに「掛軸は世につれ」という言葉を実感させられますね。

掛ける時期については、青々とした瓢箪が「夏」を連想させますが、その図柄の意味「無病息災」から考えると、年中掛けとして使用いただけます。代表的な図柄には「瓢箪に雀」や「六瓢息災」などがあり、中には薬師寺の管主が描いた厄除けの作品もございます。

竹の掛軸

続いて「竹」の掛軸です。竹は言わずと知れた縁起の良い植物で、「松竹梅」の一角を担う存在。寒い季節でも常緑を保つその姿から、「若々しさ」や「平穏無事」の象徴とされています。


木村亮平「竹雀日日是好日」

さらに、竹は節を持ちながら大きく成長し、その根を横へ横へと広げます。この特性にちなんで、人と人とのつながりが深まるよう願いを込めて飾られる方も多いですね。竹も年中掛けとして楽しんでいただけます。

瓢箪と竹、そして次回予告

「瓢箪」と「竹」の掛軸は、華やかな四季花では少し賑やかすぎる、水墨山水ではやや寂しい、と感じる方々に特に好まれる傾向があるように思います。どちらも穏やかで、しかし力強い存在感のある図柄です。

次回は「虎と龍」、年中掛けシリーズの最後を飾る予定です。ただ、美術館にも足を運びたいな…なんて思っていますので、もしかしたら感想記事が先になるかもしれません。ふらふらとした流れではございますが、今後ともお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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