ビジョン型と価値観型
20代で仕事を始めたばかりの頃、
夢は何か?とか
将来やりたいことがあるか?とか
人生の先輩方から
未来のビジョンについて聞かれることが多かった。
なぜそのようなビジョン型の思考が大切かは、
ビジネスレベルで考えるとよくわかる。
仕事においては、どのようなプロジェクトであっても
必ず目指すべきゴールや納期があるからだ。
私自身、駆け出したばかりの
自分のキャリアプランについては、
将来こんな風になってみたい!
という具体的なものは特になく、
毎日の仕事に向き合うことで精一杯だった。
さかのぼって幼稚園や小学校の頃の将来の夢は
あまりにも何もなくて、
担任の先生から聞かれると
隣の子と同じことを答えていた気がする。
ケーキ屋さんか看護師さんか、忘れたけれど。
なので、いま自分の娘が
「将来どんな仕事がいいのかわからない」
と、うなだれてきても
「今やりたいことは、大きくなった時には
なくなっている仕事かもしれないから
心配しなくていい」と言っている。
それよりも「自分が時間を忘れてまで
ついついやってしまうくらい好きなことを
見つけられるといいね」と話している。
確かにビジョン型の人間は強い。
将来の夢や目標を想起すると
モチベーションが高まるし
行動にエンジンもかかる。
でもなぜか自分が何かになりたい!という思いには、
幼い頃より至ったことがなかった。
海賊王に俺はなる!的な人が
羨ましいと思ったこともあった。
何かになりたい思いがない一方で、
自分の中に強く感じてきたのは
関わる仕事に対して「こうでありたい」という想い。
自分のこだわりや価値観に沿って
日々の言動を積み重ねていくこと、
そのことで顧客やパートナーからの
信頼を重ねることに充実感を感じる。
私のような人間を価値観型と呼ぶらしい。
今でも仕事のスタイルはそれに近い。
実はビジョン型の人は、全体の2割くらいで
ほとんどの人が価値観型らしい。
国民の傾向もあるようで
日本人は特に価値観型が多いとか。
日本企業の経営理念にパーパス思考が多くみられるのも
価値観型と関係がありそうだ。
それと、全くの私の主観だが、
男性はビジョン型が多く、
女性は価値観型が多い気もする。
時代の流れも少し変わってきている。
カリスマ性高くビジョンを語る男性リーダーが
お手本とされてきたこれまでの世の中に、
強い理念や価値観を持つ女性リーダーが
コミュニケーション力を発揮して
活躍する場面が少しずつ増えてきているらしい。
おそらく多くの人はどちらも持ち合わせていて、
ライフスタイルは価値観型だけれど、
事業や仕事のプロジェクトにおいてはビジョン型というように
棲み分けてられている場合もあるのだろう。
ビジョン型でも価値観型でも、
組織が一つになって同じ方向を向いていることが
すごく大切だと感じる今日この頃。