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企業理念と経営理念


当社には企業理念と経営理念があります。
 
企業理念 「三方よし」
経営理念 「ともに こえて つくる」
 
なぜ理念が2つもあるのでしょうか?
 
 
理念は1つだけ存在する企業も多く、
それを企業理念と呼んでいたり、
経営理念という表現をしたりとさまざまです。
 
 
事業承継で代表となった者として
わたしは理念への向き合い方に
モヤモヤしていた時期がありました。
 
振り返ると、とくに引き継いだ当初は
これから自身がどのように組織を運営し
事業をつくっていくのか、
右も左もわからないまま時が過ぎ
目の前のことに追われていました。
 
 
迷った時に立ち返ったのは
常に「三方よし」という言葉でした。
 
三方よしは、当社の社名の由来であり
大事にしている考え方でした。
DNAのようなものです。
 
わたしは初代には会ったことはありませんが
SANKOの創業時の社名は「三光廣告」で
三方を光らせるという想いのもと
広告事業を始めたことを聞いています。
 
わたしを含めて4名の経営者が代替りをしても
その想いは当社の根っこにあるものでしたので、
自分が継いでから2年経った時に
企業として大事にしている考え方として
「三方よし」を「企業理念」に改めて定めました。
 
 
 
一方で時代が移り変わり
経営者ごとに組織や事業の運営の仕方、
発展のさせ方は異なります。
 
世の中を見回してみると
代替りや方針を変更するタイミングで
企業理念自体を見直す組織もあります。
 
わたしは三方よしの想いに共感をして
これまで携わってきましたので、
企業理念自体はそのまま大事にしながら
自分がマネジメントを担う上でどうしたいか
という視点で理念を捉え直すことにしました。
 
それが別途「経営理念」を策定し
理念体系に新たに位置付けた理由です。
 
 
企業理念も経営理念も
ただ呼び方が異なるだけで
意味合いは同じだという人もいますし、
学術的な説明は専門家の領域ですので
辞書のような正しい定義までわかりません。
 
ただし自分にとって意味づけのできない言葉を
そのまま使用することが好きではないので、
色々な有識者の見解や情報を探りつつ
自分なりに腑に落ちたのが
英訳から捉えてみることでした。
 
 
企業理念はCorporate Philosophy
経営理念をManagement Philosophyと訳したとき
 
企業の中で創業時から培われている想いと
経営を預かる上で組織や事業をどう体現していくか
というマネジメントの話を切り分けることで、
納得感を持って言語化できるようになりました。


 
企業理念と経営理念を分けることは、
自らが創業した経営者とは異なり
組織や事業を引き継ぐ立場になった者として
とても有効な整理の仕方であると思っています。
二つの理念の定義が正しいかどうかはさておき、
自分たちにとって役に立つならそれも一つの考え方。


これから益々増えていくだろうM&AやPMIを
日本社会が向き合う課題の一つだと捉えた時に
事業承継者のヒントになれば
と思いながら綴っています。

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