見出し画像

インナーブランディング

先日、クライアント企業にて
インナーブランディングの講師を務める機会があった。

15名ほどのリーダー層がオンライン上で集まり、
自社の理念について終日語り合う場。
あえて休日に集まり集中討議を行った。

会社の根幹を形成する場に参加させてもらうことは、
本当に貴重なことで役割の重みを感じる。

日々、緊急かつ重要な仕事に向き合う業務に携わっていると、
ミッションやビジョンのような理念の共有という時間が疎かになる。

組織の根っこの部分にあたる理念に向き合うことが
重要なこととは知っているが、緊急ではないからと言う理由で
なかなか着手できない組織が多い。

ただ、これだけ世の中の動きが不確かな時だからこそ
自社の変わらぬDNAや強みを問い続けつつ
向かうべき方向性を見極めていきたい。


自社の理念を考える時に起きるコミュニケーションとして
どの組織も最初はズレがあちこちで起きる。

たとえば経営企画のような本部機能の立場と
顧客の現場に向き合っている立場の認識のズレ。
または製造部門と営業部門のズレ。
あるいは古参と新参メンバーのズレ。

一人ひとりの感覚ではズレているように感じないのだけれど、
組織全体が同じ方向に歩もうと言う時には齟齬となる。

だいたいその組織に関わったスタート地点も異なるし、
歩き続けてきた距離もさまざまだから当然といえば当然。

「え!我々が向かう方向はあっちじゃないんですか?」という人。
「まだ靴が履けていないので歩く準備ができていません」という人。
ともに歩いて行こうとする時に、初めてズレが生じていることに気がつく。

このズレを認識するところから
自分たちへの問いが始まる。

われわれは、何をもって憶えられたいのか?

ドラッカーの言葉を借りながら、思考を巡らせる。


説明と理解

代表という役割で組織に関わっていて感じるのは
情報を発信する側に「説明する責任」はあるが、
説明し、伝えだけでは事は成しえていないということ。

特に理念は一度伝達しただけでも
ホームページに掲載しただけでもダメ。
日常でのコミュニケーションで体現されているかを確認し、
気が付いたらフィードバックをしないとならない。

一方、組織内で情報を受け取る側は、
「理解する責任」がある。

分からない、関心がないというのは、
コミュニケーションがあまりにも受動的である。

自分の意思でその組織にいるのだから
組織に関わることは自分ごととして考えることが肝要。


他社を訪問して思うのは、
うまくいっている組織は「われわれ」という意識が高い。
組織が自分ごと化している証拠。

自社内での対話がしっかりとなされており
いち担当者であっても、その組織の代表という意識で
こちらとの会話が進んでいく。


異なる意見を歓迎する

伝達されたことを理解した上で、意見があれば言うべき。
でも理解をせずに意見を言うのは自分勝手に感じる。

意見は重要。
むしろ「異見」が重要。

異なる意見は悪くない。
新たな視点を運んでくれる。
組織はそれを歓迎すべきだ。
異見を受け入れられなくなると、組織は腐る。

インナーブランディングの場では
まずはそうした「異見」を拾い上げ
テーブルに広げることから始める。

異見は関心がないとそもそも出ないはず。
だから出してくれる勇気に感謝。

ただしその異見は、理念に沿い目的に叶っていないと
ただの違う意見で終わってしまう。
多様な意見は、その企業の理念に沿って歓迎されるべき。

当社はTHINK BEYONDというバリューを発揮するために
多様な異見を歓迎したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?