ねこしつじ
ああ
あったかくて
ぐんにゃりして
動きまわるものが
うちの中にいる
(本書より)
猫や犬など、動物と暮らしている人なら
こいつ、いま何考えているんだろう?
と、思った事があると思います。
この漫画は、1人暮らしの女性と愛猫の生活を、お嬢様と有能?な執事に見立てて淡々と綴ったエッセイ漫画です。
実際の動きの猫と執事に見立てた猫が不自然なく作中に混在しています。
事件らしい事件もなくのんびりとした、猫と過ごす愛しい日々のお話です。
蝶ネクタイ姿の猫のしつじは直立して何だかんだと語りますが、あくまで猫。粗相もすれば邪魔もしますし、行動も猫らしく自由。
しつじ曰く大雑把なお嬢様は、基本「ま、いいか」というぬるいスタンスで生きています。お嬢様のTシャツには心の中が漢字1文字で現れる仕様で、これがなかなか楽しいです。
漫画家さんはすごいなと思うのは、あっさりした絵でいろいろな猫のポーズを描けること。足を上げての毛繕いとかグンニャリした座り方とか。こういうのつて、描くのは難しいのではないかと思うのですが。愛の力でしょうか。
4巻完結。しつじは最終回まで元気に執事をしています。
ねこしつじは
なまあたたかい
主(あるじ)の腹で
休息をとる
ねこしつじの心臓は
主の心臓より
速く脈打っている
ねこしつじは
主がときどきひっそり
そんなに
生き急がなくて
いいんだよ
などと思っていることを
知らない
そして
たいていは
ねこは
寝てりゃ
いいんだから
いいよな
とか
体やわらなくて
いいなあ
などと
思っている
ことも
知らない
(1巻より)