猫奥

「猫奥」は、山村東さんの漫画です。
主人公は江戸時代の大奥御年寄の滝山さん。
滝山さんといったら、江戸幕府13代将軍徳川家定・14代家茂時代の将軍付御年寄で、江戸時代最後の御年寄。ものすごく仕事が出来る人だったらしいです。あの徳川慶喜に「あの人ガチでヤバいよ。俺マジ無理だから」(意訳です)と言われたほどの女性です。大奥モノのドラマでは威厳のある女優さんが演じるラスボスっぽい役どころですね。

その滝山さんですが、この漫画ではまだ35歳。出世して御年寄にはなっていますが、まだトップではありません。

江戸時代大奥
大奥に仕える女性の間で
ある時猫を飼うことが流行した
多くの女性は生涯独身であり
猫をわが子のように可愛がったという
(猫奥1巻より)

この漫画の滝山さんは、気の毒なくらい真面目です。そして真面目故に要領が悪く、生まれつきの怖い顔も災いして猫を飼えずにいます。本人はものすごい猫好きなのに、周りからは猫嫌いと誤解されています。彼女の推しは上司の姉小路様の吉野ちゃん。でも相手は猫です。滝山さんの愛は空回りし続けます。

この漫画の素敵なところは、登場する猫達がすごく猫な事。吉野ちゃんをはじめ何匹もの猫達が登場するのですが、いろいろなエピソードに猫飼いさん達はあるあるとうなづく場面が多いと思います。

猫の話だけでなく、今まで知らなかった大奥の生活や風習も興味深いです。
現在7巻まで出ているようですが、先が楽しみな漫画です。

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