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さんかく着物日記⑦:蜘蛛の巣ストール。

6月某日
憧れの緑川ミラノ様からお話をいただいてさんかく&Baby Doll Tokyo様とのコラボアイテムをつくることになり・・・ついに手元へ。とても嬉しい可愛い。
アイテムとしてはグローブ、ストール、扇子だ。そもそもの発端としては私がBaby Doll様のネットグローブを愛用していることから始まる。アンティークの着物は裄(ゆき/袖のこと)が短くて手首がでてしまう。手首が出ていると寒々しいしどうしても「小さい」着物を無理に着ているな~という感じになってしまうが、手首さえ隠れていればサイズの小ささがあまり気にならないので不思議なものである。
 この「手首を隠す」というのは昔からよくある手法で、中に洋服を着たり、「つけ袖」をつけたりする。この腕を隠すアイテムも様々で着る人の好みが分かれるポイントだ。個人的な好みとしてはゴスロリファッションのお店にあるグローブが大好きでよくそういったお店で探していた。ロンググローブはゴシックかつエレガントになるのだが、スマホにさわれないのが依存症としては辛い。よって指が出ていることがマスト。あとは廉価なアイテムが多い某ファッションセンターや某靴下のお店などが出しているアームカバー、アームウォーマーがカラフルで可愛い。小物の色を着物や帯の色と合わせるのがおしゃれに見えるポイントではないかと思うがそういった意味でも手首を覆うアイテムは便利だ。
 私がもとから使っていたのは大きな網目のアームグローブ。よく使っていたところ嬉しいことにBaby Doll様に問い合わせが増えたそう。しかしすでに完売。ということでミラノ様からお話をいただき新たにコラボアイテムを作ることになった。大きなヨーロピアンレースが上品なレースグローブと、私がもとから愛用していたネットグローブのもっと網目が細かいもの。フッシュネットグローブという名で漁師を連想するが、どちらかといえば忍者。よってこちらのグローブをくのいちグローブと呼んでいる。くのいちはかっこよく、レースのほうは女性らしく美しい。
 そんなわけでそもそもグローブについて相談を重ねていたのだが、「さんかくちゃんこういうの好きじゃない?」と蜘蛛のストールについての話がミラノさんから出てきた。好きなんてものじゃない。そもそも谷崎潤一郎の世界が私を大正浪漫趣味、着物の世界に誘ったのだ。名作「刺青」をモチーフに何度も絵や写真作品を作っている。ストールならまさに「刺青」の世界。かよわかった女性が背中に大きな女郎蜘蛛を背負うことで本来の「男を養分として逞しく生きる女」に生まれ変わる」(個人的解釈です)だなんて・・・着物を着ることで自分に自信が持てたり、人生が変わることだってある。キモノ女子にぴったり。ということで急遽コラボ商品として爆誕したのであった。最初は黒と赤が少量だったのだが、「白も欲しい」という熱い要望に応えての3色展開。もちろん最高に使いやすい黒は洋服やドレスにもぴったり。毒毒しい赤は意外と落ち着いたワインレッド。赤と黒の組み合わせが好きなので手持ちの小物に大変合う。そう黒い着物に黒を重ねても目立たないので赤がいいんです。白は思いの外爽やかで可憐な雰囲気になる。本当の蜘蛛の巣のようにも見えこともあれば、普通のレースストールにも見えて面白い。どうやら全て完売してしまったようだが、私の手元には赤が数枚あるので欲しい方がいたら通販などしたいと思う。ただ通販に慣れていないのでさてどうしたらいいか・・・。
 尚、扇子については説明するまもなく完売していたので説明は割愛。いつかまた作れたら嬉しいと思う。

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