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さんかく着物日記⑨:着物で旅。日光へ行く。

6月某日
東武日光駅で友人と待ち合わせ。素敵なホテルへ一泊のリフレッシュ「ふふ」だって、可愛いお名前だ。
駅からタクシーで10分、客数も24室であったか、少なく落ち着いた雰囲気。お部屋は大正浪漫な雰囲気で全席スイートというラグジュアリーなお宿、大人だからたまにはこれくらいいいでしょう。
この日はウールの単衣でアールヌーボーな蝶々。ヘビロテすぎな気もするがやはり気安い着物は便利で愛される運命。帯はこれまた旅行の時に必ず持っているような気がする濃い緑の玩具絵札の柄の名古屋帯。これも何にでも合うため旅先で着物が増えたりしてもこの帯のおかげですぐ着ることができる。ホテルの方に沢山お褒めいただき恐縮です。
ホテル内を一通り散策し、ラウンジでフリーフロードリンク。ビールは白穂乃果、シャンパンはジョセフペリエ、自家製サングリアやハイボールなどがある。シャンパンをひたすらに飲む。コロナで長いことゆっくり会えなかったので話が尽きない。二人とも結局飲める人間なので5、6杯はいただいてしまったのではないか。
夕食は懐石。アルコールのペアリングもオーダーしたので日本酒に始まり、ワインも赤白と充実していた。美しい器を愛でながらプライベート感のある空間でお食事は実に贅沢。笹巻き寿司、蛸みぞれ和えなどの前菜。切子の器がきれい。お椀は穴子のしんじょう。お造りが出てから丸茄子の揚げ浸し。めかじきが魚で、お肉は那須の和牛。このあたりで食べきれず、お部屋にお持ちいただく。何からなにまで至れり尽せり。ご飯は鱧と生姜の釜炊きごはん。温泉が部屋にもついていたので、部屋のお風呂に入り就寝。

6月某日
爽やかな晴れた朝、まずは昨夜行かなかった温泉へ行ってみる。こじんまりとしているが宿泊客が少ないため充分。脱衣所に水の他にビールとアイスがあった。朝ビールは控えてアイスだけいただく。
その後の朝食もお釜で炊いたご飯、湯葉、まぐろの山かけ、里芋のポテトサラダ、小松菜のお浸し、だし巻き卵、豆腐にグリーンカレーを載せたもの・・・えー記憶が定かではないがホスピタリティ溢れるおもてなしの朝食。突然の豪雨だったが、安全な場所から見る激しい雨はちょっとワクワクしてしまう。
チェックアウトが12時だったので部屋の窓辺でうとうとする。爽やかな風が顔をなでていき本当に気持ちがいい。お部屋にはベルガモットの香りが漂っていた気がする。

土砂降りであったし着物はやめたものの、日光駅までの道には着物レンタルもあり確かに着物が合いそうな風情。古民家カフェで一休みしてから駅へ。木製の小物が売っているお店でバイオリンの箸置きを買った。もちろん帯留になり、バイオリンのコンサートなどへつけていくためだ。
帰りのスペーシアけごん号浅草行きをなんとなく「個室」にしてみたら本当に個室で友人と2人テンションが上がる。いい大人が「ハリーポッターみたい~」などと言いながらワクワクしながら電車に乗り込む。快適。ビールが売っていれば尚よかった。

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