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【イベントレポ】NIPPON UMAMI TOURISM

映画鑑賞のために訪れた渋谷。鑑賞後、d47で何か企画展をやっているだろう、というゆるい期待をしながらヒカリエに向かう。企画展をやっているスペースの入り口には、巨大な「う」の文字。

この「う」は「うまみ(UMAMI)」の「う」。

日本を発祥とし、今や世界共通語となっている「UMAMI」を、味覚としてのうまみを指すだけではなく、それが生まれた背景も含めて語られるべきものととらえ、その土地で生きる知恵として受け継がれてきた、それぞれの風土に繋がる47の「うまみ」を通して、各地の食の風景を感じていただく企画展です。

NIPPON UMAMI TOURISM公式サイトより

会場には、全国47都道府県の郷土料理が所狭しと紹介されており、それらに関係する飲食物や書籍も陳列されていた。中には、見たことも聞いたこともないような郷土料理があったが、どれも食欲をそそるものばかりだった。
これをみて感じたのは日本各地のレパートリーの豊かさ。日本各地には多くの郷土料理が存在している。できることから、全部食してみたい。それらを食することを目的とした旅行も面白いかもしれない。ふと思った。

郷土料理とは、その土地で生きる知恵の集積そのものである。例えば、冬に雪が降り、閉ざされた環境の中で生きるには、春から夏にかけて拵えた保存食が必要となる。乾燥させる、塩漬けする、発酵させる、さまざまな創意工夫が、人の暮らしを支えてきた。過酷な環境の中でこそむしろ、いかに美味しく、楽しく、素材に感謝し、なるべく全てを食べ尽くしていこうとする営みが逞しく育まれたと言える。

NIPPON UMAMI TOURISM公式サイトより

郷土料理の発祥のルーツを知り、その土地の成り立ちを知る。その料理をその土地で食する。それは日本のかたちを知ることにも繋がり、とても豊かな旅行になるのではないだろうか。旅行ガイドにあるようなトレンドになっている飲食店や施設を訪れるもの良いが、歴史やその土地由来の郷土料理を食することも、それ以上によい満足感を得られるように思う。
この企画展をみて、そんなことを考えた。

NIPPON UMAMI TOURISM公式サイトより

印象に残った料理をいくつかあげてみる。

けの汁(青森)
ニシンの飯寿司(北海道)
つと豆腐(茨城県)
へしこ寿司(福井)
味噌おでん(愛知)


ふなずし(滋賀)
いただき(鳥取)
ねぶとの唐揚げ(広島)
柏椀(山口)
田舎寿司(高知)
エタリの塩辛(長崎)

関連書籍も発売されている。コピーにある「郷土料理って、おもしろい!」はまさしく今日私が感じたこと。まだ食したことのないものばかりだが、その郷土料理の成り立ちやその土地について知ることはとても面白く感じた。それをその土地で食することができたら、何も言うことはない。

先日、実際に食する有料イベントもあったようだ。2024年4月から開催していたのに、この企画展を知ったのは今日9月13日。そして、会期は9月15日まで。もっと早くに知っておきたかったところだが、終わる前に偶然にも存在をしり足を運べたことに感謝しよう。

NIPPON UMAMI TOURISM公式サイトより

会場での鑑賞用に用意された音声ガイドを聴くだけでもその郷土料理の背景を知ることができて面白かったので紹介。Spotifyで公開されている。

以下、会場の様子を少し紹介。

この企画展のベースにもなっているD&DEPARTMENT PROJECTやロングライフデザインについての考え方については、こちらを参照して欲しい。

私が10年以上前に購入したFREITAGのバッグも、このプロジェクトでその存在を知って購入したもの。丈夫で飽きのこないデザイン。文字通りロングライフなプロダクトでまだまだ活躍してくれそうだ。

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