【イベントレポ】「米」本位制を目指す石高プロジェクト
11月19日に開催された石高プロジェクトの「コメニティ収穫祭2023」というコミュニティイベントに参加した。ここでは、このプロジェクトとこのイベントについて紹介したい。
このプロジェクトについては、このイベントの直前に伊藤穣一さんのPodcastで取り上げられており、それを聴いて初めて知った。
石高、米による価値交換、金融、NFT、Web3.0とても気になるキーワードや、プロジェクトが目指すものはもちろんのこと、なんといっても「米」と「石高」を紐づけるユーモアに興味をもった。
情報を集める過程で、コミュニティイベントが都内で開催されることを知り、急遽参加することにした。
石高プロジェクトとは?
一言でいえば、地方創生のプロジェクト。西会津町の基幹産業である稲作を、Web3.0やNFTなどの技術を活用して新たな販路を開拓するとともに、天候や米価下落などのリスクを事業の応援者や西会津ファン、消費者と分散して負担し、不安定な一次産業の収益の安定化の実現を目指している。
詳しくは、プロジェクトの公式のWEBページやプレスリリースに目を通して頂きたい。
ファンミーティング「コメニティ収穫祭2023」
美味しい西会津ランチを楽しみ、「持続可能な未来型地域」を語る会として、東京の赤坂で「コメニティ収穫祭2023」というミーティングが開催された。
プロジェクトの主要メンバーによる衰退しつつある西会津町の状況、行われている試み、土地や人の魅力、プロジェクトの紹介。
ランチでは、西会津町産の美味しい米でつくったおにぎりと、数々の料理が提供された。いうまでもなく、できたての新米のおにぎりは、海苔やおかずがなくても美味しい(めちゃくちゃ美味かった!)
プロジェクトの関係者は以下の通り。金融、デザイン、デジタルのプロフェッショナルが集まっている。
伊部智信さん(株式会社クエストリー代表取締役)
矢部佳宏さん(一般社団法人boot)
藤井靖史さん(西会津町CDO)
当日参加していたのは、薄友喜町長を含め、西会津町の関係者の方、もともとプロジェクトを知っていたNFT、Web3.0関係者の方が多いように感じた。また、NHKと日経の取材班も参加しており、メディアからも注目されているようだ。
このミーティングの参加により、後日、「米手形」が6枚発行された。私の現在の石高は600石。おそらくこれは、今後の活動で積みあがっていくものだと思う(めざせ100万石!)。なお、「米手形」が1枚で500gの米と交換することができる。
HUMOR IS RELEASE
なんといってもこのプロジェクトの魅力は、ユーモアだと思う。もちろんプロジェクトとしての設計がしっかりしているのは当然として、人に気付いてもらい、興味をもってもらうには、センスのよいユーモアは強力な武器になると思う。
「Web3.0と現代の米本位制」
「目指せ、百万石の大名」
「RICE to meet you」
「The RICE people」
このブランディングをしているのは、一般社団法人BOOTの代表理事 矢部佳宏さん。数多くのプロジェクト、ブランディング、デザインをされている。
日本ジョセササイズ協会
なかでも、気になったのは、除雪をエクササイズにした「日本ジョセササイズ協会」。一般的にきつい「労働」である除雪を身体のためになる「エクササイズ」に価値の変換する試み。
公式サイトで、準備運動、除雪の仕方、用具の説明、公式マニュアルブック、オンラインショップが用意されている。
いま、地域の課題解決、Web3.0やNFTを活用した地域創生プロジェクトが各地で行われている。その地域の内外から、関心や興味をもってもらい、それを継続するには、人が気兼ねなく参加できるような敷居の低さが必要である。その実現に役立つひとつがユーモアであると、この石高プロジェクトから強く感じた。
今後の展開にも期待したい。このプロジェクトをきっかけに、西会津町という地域を知ったので、東京生まれでいわゆる「田舎」を持っていない自分には、田舎の一つになるかもしれない。
NIPPONIA楢山集落
最後に、西会津町には、古民家をリノベーションした「NIPPOIA楢山集落」という宿泊施設があるとのこと。ネットで見た限りでは、古民家の魅力を残したとても雰囲気の良さそうな宿なので、いつか宿泊してみたい。