あの頃の、満たされなかった気持ちを
私は星が好きだ。宇宙という得体の知れない所にある、謎の塊。それが、自ら光っているものもあれば、その光に照らされて光っているものもある。太陽系とかなんちゃらとかいうのはあまり詳しくないのだけど、何億年前の光とかいうのを聞くとなんだか不思議な気持ちになって、これがロマンというものなのかなぁと思う。今光ってる星は、今はもうないかもしれないとか聞くと、本当に不思議だなぁと思う。それだけ宇宙は広いのでしょう。
私の父親は面白そうなものが好きだったので、よく買い物をして母に嫌な顔をされていたのを覚えている。その中に、天体望遠鏡があった。私は子供の時から星が好きだったので、めちゃくちゃ興味があって「どうやって使うのか」を親に聞いて、よく覗いていた。
それまで双眼鏡で月を見ていたのだが、自分が思うような感じで見えなくてモヤモヤしてたから、望遠鏡ならもっと自分の思い描いていた月が見れるのかと思うと、ワクワクしてたまらなかったのを覚えている。
が、、、
覗いてみたけど思ってたのとなんか違う。でも、これは宇宙の星がよく見える「望遠鏡」だぞ、近くの鳥なんかを見る「双眼鏡」とはワケが違う。と思っていた少女の私は、見方が間違えてるのだと思い何度も何度も覗いてみた。しかし、図鑑で見るようなボコボコした月ではなく、双眼鏡で見ていたのとさほど変わらない月だったのだ。(双眼鏡も遠くが見えるから大好きだったけれど。)
いつまでも自己流で見ていてもダメだ、お父さんに見方を教えてもらおう。と思い訊いたけど、やはり結果は同じだった。しかし父はめちゃくちゃ見えてるぞ、と言うので、やはり私の見方がおかしいのだと思ったが、その日は夜遅かったので諦めた。
また別の日にも見たが、やはり双眼鏡の月と同じような月しか見えない。なんならよく見たらぼやけているし、逆さまな気もする。何日覗いても納得できなかったので、私は最終的に見るのを辞めた。
あれから30年ほど経った。
私も、3人の子供の母になることができました。私は大した大人ではないので、これまで子供と一緒に成長してきました。そういう意味では、子供目線で一緒に楽しんで子育てができているのだと思う。
ならば。
と思い、私もあの日の父親と同じように息子に望遠鏡を買ってあげることにしたのです。そして、明日届くのだ。(Amazonってスゴイ)息子は、100円ショップで双眼鏡をねだって買ってもらい、覗いて遊ぶような子です。しっかり私と、私の父の血を受け継いでくれたなぁと思います(笑)
今なら土星の輪が望遠鏡で見えるらしいですよ。土星の輪なんて、肉眼で見たことない。この場合、肉眼と言っていいのかわかりませんが。図鑑でしか見たことのない物を、実際に見られるのって、スゴイ。今まで宇宙ステーションは見逃してきました。何度かチャンスはあったのに。でも、土星はきっと見られると思います。子供の時にちゃんと見られなかった月も、見られるといいなぁ。そして、息子もちゃんと、自分が想像していたように見られるといいなぁ。そして、あの頃の自分の、満たされなかった気持ちも満たしてあげられるといいなぁ。
このご報告は、また後日する予定ですので、興味がおありでしたらまた覗いてくださると嬉しいです。
ではまた。