『鬼が来る』編集後記
初めまして。ニコニコで動画を投稿している三次関数です。
今回は「夏のホラー淫ク☆リレー企画」で投稿させていただいた『鬼が来る』の設定、編集時の思い出などを書いてみたいと思います。なお、内容についても少し触れていますので未視聴の方はご注意ください。
ストーリーが思い浮かぶまで
ホラーリレー企画に参加することを決めたのが6月初旬でした。その頃は空手部の三馬鹿がカニバル料理店に入店してしまう…というストーリーを考えていたのですが、どうにもオリジナリティを出せなかったうえにオチの着地点が見つからず、6月末に断念しました。
仮の締め切り日が7月25日、当時(7月1日ごろ)のアイデアはゼロ。かなりまずい状況でしたが、何とかなるだろうという楽観的な気持ちでのんびりしていました。
そんな中、「画図百鬼夜行」を読んでいたところ「鬼一口」の項が目に留まりました。これを題材に一本動画をつくれないか、と考え図書館で調べるうちにストーリーが固まってきました。7月中旬ごろのことです。
設定や配役など
ストーリーが思い浮かんだらもうこっちのものでした。京極堂もの(京極夏彦による、妖怪を題材としたミステリー)にしたいと考えていましたのでそれらしい雰囲気を出すために京極夏彦の本を2冊読んで文体をある程度まねたりしました。
現時点(8月27日)では指摘するコメントはありませんでしたが、このBB劇場は私が一年前に投稿した『闇の中のいもうと』の10年後の話、という設定です。
木村が出ているのに野獣や三浦、そして(原作の原作では)鬼のSIKが今回のBB劇場に出てこなかった理由はそこにありますのでもしお暇でしたらこちらも是非どうぞ。
『闇の中のいもうと』では「概念としての鬼」がテーマですが、今回は「怪物としての鬼」がテーマになっています。
”鬼軍曹” ”鬼畜” など鬼には常に残虐なイメージがつきまとっています。今回はその鬼の恐ろしさがよく描写された「鬼一口」から更に空想を発展させた結果、このようなストーリーになりました。
なお、終盤で平野による鬼一口の再解釈のシーンで
平野「『画図百鬼夜行』には『鬼一口』とは別に『鬼』の項がある。」
平野「『鬼』が載っているならば、『鬼一口』は鬼とは形質を異にするものではないのか――」
というセリフも入れたかったのですが、テンポの問題と会話をうまく繋げられなかったという問題から割愛しました。
配役に関して主人公は木村だな、というのはすぐに決まりましたが23年前に行方不明となった少女は誰にするのかはなかなか決められませんでした。なにかきっかけはないか、と思いニコニコ静画を漁っていたところ、シユヂの素敵なイラストがありました。
もともと自給自足兄貴や変態蜘蛛土方兄貴の影響でシユヂをいつかは使ってみたいな、と思っていたこともあり、シユヂに決定しました。
演出、編集など
序盤の伊勢物語の再現については、登場人物の表情など余計な情報をできる限り省くことで「鬼に喰われた」というエピソードをより印象付けるという狙いから完全に白黒にしました。
木村が鬼一口の項を見たとたんに襲われるめまいのシーンでは初めてグリッチを使ってみたのですがいまいちメリハリがつきませんでしたね…
クライマックスの木村視点・平野視点の切り替えは時間も場所も全く異なるため、スムーズな場面転換を心がけるようにしましたが、視聴者も混乱することなく話の筋を分かってもらうことができてよかったです。こういう場面の切り替えは映像ではあまり見ない?(私が不勉強なだけかもしれませんが)ですが、緊迫感をじわじわと出したかったのでそういう演出になりました。
私が投稿を始めてから一年以上経つのですが、編集技術に関してはまだ下の下、初心者から抜け出るか抜け出ないか、くらいのレベルだと今回のリレー企画の力作の数々を見てそう痛感しました。
最後に
今回、「夏のホラー淫ク☆リレー企画」を通して自分の趣味を動画に色濃く表現することができて本当に楽しかったです。(私の不手際、無知からトラブルもありましたが…関係者の皆さん、本当にすみませんでした)
これから作るホラー淫夢ですが、案が2つありまして、1つ目が今回と同じく妖怪もの(ただしNKTIDKSGを主人公とするコメディ風味)、2つ目が三浦とRMAが主人公のプチ長編BB劇場です。どちらを作るかはまだ決めていませんが、今年中には作り始めたいと考えています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。