沈む寺 #毎週ショートショートnote
「海底都市アトランティスはロマンだ!今もなお人々の心をときめかせている。だから我々も、それを売りにした観光地を作る。湖底寺院群だ!」
新しく就任したワンマン市長はそう宣言して、世界遺産だった寺院を次々に湖に沈めた。そしてその写真を海外に向けて大々的に宣伝した。
湖の中に沈む寺を見ようと海外から人々が殺到し、市は観光業で潤った。
我も我もと、それを真似て数々の自治体が寺院を湖に沈め始めた。ただ一つ、五重塔を除いてーー。五重塔はその高さゆえに沈めることができなかった。
ーー数十年後
沈めた寺は木が朽ち、自然にかえっていった。
地上に立つ寺院は五重塔のみとなった。世界中の人々が「沈んでいない寺院」を一目見ようと殺到した。市は観光で潤った。
五重塔を有する自治体の市長はほくそ笑んだ。
「くっくっく…アトランティスの話を奴に吹き込んだのは正解だったな」
(375文字)
あれ、もうちょっと美しいお話にする予定が。
筆の進むままに書いてみたらくっくっく…と笑う人が出てきてしまいました。
今日は親子遠足があるので夕方までXやnote開けません。すみませんがコメント返しなど遅くなります。お弁当作って行ってきます。
いいなと思ったら応援しよう!
この記事がよければサポートをお願いします。iPhone8で執筆しているので、いただいたチップは「パソコンを購入するため貯金」にさせていただきます。