見出し画像

DCS WORLD F-14 TOMCAT AIM-54フェニックスのTWS発射ガイド

Eagle DynamicsによるフライトシュミレータDCS World。そのDCSの人気モジュールHEATBLUR F-14 TOMCAT。以前はそのF-14の代名詞的な空対空ミサイル、AIM-54フェニックスのSTTモードでの攻撃方法を紹介しましたが、一気に多目標を攻撃できるTWS(トラック・ワイル・スキャン)モードでの操縦席からの攻撃方法を紹介したいと思います。
F-14は艦隊防空用の長距離迎撃機として設計されているため、TWSモードによる多数の敵機(特に大型の対艦攻撃機)迎撃はF-14の真骨頂と言えるでしょう。

参考にしたサイト

https://www.mudspike.com/chucks-guides-dcs-f-14b-tomcat/

http://www.heatblur.se/F-14Manual/index.html

https://en.wikipedia.org/wiki/Track_while_scan

ミサイルの紹介等については前回の記事をご覧ください。基本的な交戦の流れが書いてあるので、初めての方は先にこちらを読んで頂くことをお勧めします。
https://note.com/sanitas29/n/na6e1d2966a54

TWSとは

TWSとはその名の通りTrack(追跡)While(~している間に)Scan(捜索)、追跡しながら他の目標も捜索することを意味します。
最初の追跡レーダーシステムは、米国空軍のために開発されたSemi-Automatic Ground Environment (SAGE)システムだと言われています。しかし、SAGEは何十機もの航空機を追跡するために巨大なコンピュータを必要としました。初期の空中TWSレーダーは、捜索している間に一つの目標を追跡するのが限度でした。初めての航空機用TWSセットは、単一の目標を追跡できるXF-108レイピアのヒューズAN/ASG-18です。F6Dミサイラー計画のためのAN/APQ-81はより高度で、最大8つのターゲットを追跡することができましたが、独自のオペレータを必要としました。
F-14トムキャットのAN/AWG-9はIntel8080を使用しており、同時に最大24の目標を追跡することができました。この長距離多目標同時攻撃能力は戦闘機としてはF-14が初めて実用化したものだと言われています。これは、デジタルコンピュータ、特にマイクロプロセッサが導入が大きな役割をはたしました。

今回の状況

今回は練習用にTu-22M3を6機、敵機として飛ばしており、友軍は自機およびE-3一機です。今回はAIM-54C Mk.47を最大搭載量の6発積んでいます。

発射準備

ここはSTTロックの際と全く一緒です。
AIM-54 ミサイルの準備は、パイロットACMパネル(パイロット席のHUD下にある、武装関連制御盤です)のMSL PREP(1)スイッチをONの状態(写真の状態)にしてください。ミサイルへの電力供給と冷却が可能となり、ミサイルに組み込まれたテスト(BIT)が開始されます。
問題がなければ約二分で発射準備が完了します。

画像1

交戦

敵機がいると思われる空域に入ったら、マスターアームスイッチ(2)をONにしましょう。このままだとスイッチが動かないので、一旦赤いロックをクリックして外してからスイッチを動かします。

次にディスプレイ関連を空対空モードA/Aにします。右正面のパネルからA/Aスイッチ(3)を押します。
4のスイッチは必須ではないのですが、このスイッチで一番下の正面ディスプレイ(HSD)が後席RIOのレーダースクリーンと同期されます。ただし前回と違って多目標と一気に交戦する上、長距離戦なのでほぼ必須と言っていいでしょう。

画像2

RIOから敵機補足の連絡がはいりました。

画像3

矢印が敵機です。今のところ4機捕捉できています。
目標とされる敵機を全て捉えたらJester(RIO)メニューからレーダーをTWSモードに切り替えるよう連絡します(海外の掲示板などだと、自動で替えてくれると書いてあるのも見かけるのですが、いつまでたっても替えてくれなかったため)。JesterのBVRメニューからCtrl+6でレーダーモードを選択、さらにCtrl+2でTWSモードを選択してください。

画像4

今回はこの時点で操縦桿のスイッチからAIM-54を選択しておきましょう。

画像5

見難くて申し訳ないのですが、6機全て捕捉できました。それぞれの敵機を表す^の左の数字はおおよその高度(ここでは全機1を表示しているため、全機高度5000~15000ftを飛行中)を表し、縦線は敵機の飛行方向を(ここでは全機ほぼ自機方法に向かって飛行しています)、右側は攻撃命令番号と呼ばれるものでF-14の武器管制システムが攻撃の優先順位を自動で決めたものを示します。このうち白く光っているものは現在の交戦目標で、残りの1~5が攻撃命令番号です。

画像6

敵機が交戦目標となるとVDIが変化します。
左部分に射程を示す縦線が現れます。2の横線が最大射程(高度や速度によって若干変化します)を表し、1の横線が現在交戦中の敵機との距離です。

交戦中の敵機が射程内に十分入り1の横線が2より下にきたら、攻撃ボタン(またはトリガー)を三秒ほど押します。問題がなければミサイルが発射されます。

画像7

ミサイルを発射するとAIM-54Cミサイルは途中までSARH(セミアクティブレーダーホーミング)と自機のレーダーによる誘導を併用しながら飛んでいき、その後アクティブレーダーホーミングによって敵機に向かっていきます。同時にF-14の武器管制システムは攻撃命令番号1番の敵機を自動的に次の交戦目標として捉えます。ミサイルを発射するたび、目標をレーダーで捉えている限りこれが繰り返されます。また、仮に敵機が一機レーダー範囲から外れるなどすると、武器管制システムは攻撃命令番号を振りなおします。
今回は敵機6機捉えていることに成功したので、順次射程内になりしだいAIM-54ミサイルを発射します。

画像8

HSDを見てください、敵機の表示の右側の数字が変わっています。この数字はそれぞれの敵機へミサイルが命中する予想残り時間を秒単位で表したものです。これがゼロになった時ミサイルが当たったか外れたかわかります。

画像9

レーダーからコンタクトが消えるとともに何個か爆発が確認できました。SPLASH1です。

後ほど確認したところ5機の撃墜に成功していたようです。

以上で今回のガイドは終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
質問、ご指摘等ございましたらお気軽に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?