労働衛生コンサルタント試験対策 口述編 医師向け

はじめに

労コン口述の個人的感想です。独断と偏見に満ちていますので悪しからず。
また、基本的なスタンスとしては「労コンは産業医として労働衛生に関わるなら取って悪いことはないし、知識の上で役立つ資格である」という前提です。日々真面目に専属産業医として目の前の産業保健に取り組んでいます(と自分としては思っている)。

まとめ

・労コン口述はものすごい不公平というか合格者の質がバラバラな試験。簡単か難しいかは運次第なところがある。
・その年のプール問題からアットランダムに聞かれるだけなので、参考書の解答を丸暗記していくだけで受かっていくことがある。本質的なことを全く理解していなくても。
・そのとき聞かれたことを(⁠たまたま)答えられたら合格する試験。
・ただ試験官ガチャはあるはあるが、聞かれてること自体は労働衛生に関わっていたら当たり前なことがほとんど。
・実務的とされる質問はあるはあるが、コンサルタントとしては当たり前の質問。なんだかんだ普通に筆記で問われていることを口頭で聞かれているだけ。
・情報は最強の武器。

・勉強時期は早いほうが良い(自明)。それでも1か月前からでも何とかはなる(ことがある)。

・noteやamazonなどで書籍があるが参考程度に。必ず自分の言葉で解答作る。
・筆記試験の健康管理(いわゆる記述)はマストだが、衛生一般の問題・解答も参考に。衛生一般の問題や解答は、問われている分野の要点と重要ポイントがまとまっているので。解答作成の参考に。
・12月上旬にある加部先生の「労働衛生コンサルタント( 保健衛生)口述試験受験準備講習会」は受講したほうがよい。
・加部先生の書籍「新版 まるわかり職場巡視 工場編」は買ったほうがよい。いわゆる「実務的な問題」とされる解答作成に大いに役立つ。

・スマホ、録音アプリ、chatGPTなど使って、時短・効率化を。

口述試験の概要・雑感

本番は15分、試験官3人からそれぞれ質問をされます。
試験官が問題冊子を見ながら、そこからピックアップをして質問をしてきます。多少試験官によってアレンジや付けたしはあるかもしれませんが基本的に定型質問です。
定型質問なので、うまいことハマると解答丸暗記の頓珍漢解答でも受かっていきます。
「こいつほんまに理解してるんか?」というふるい落とす質問をしようと思えばいくらでも出来るはずなのですが一切してきません。なんなら解答を誘導してくれます。
コンサルタント会もジレンマだと思うのですが、試験時間が15分しかなく、ある程度網羅的に質問し公平に審査していこうとすると、そういう深い質問は出来なくなりますので、必然的に問題冊子からの定型質問しか出来なくなると考えます。
この試験はあくまでコンサルタントとして必要な知識を問うだけの試験です。よく「コンサルタントとしての資質が問われる」とか言われますが、個人的にはこの言葉が好きではありません。コンサルタントとして、知識を実務で使えるように覚えていくのは当然ですが、実際の試験は上記の背景から深い質問はされません。「実務的」とされる質問も結局教科書的というか表面的というかおぼっちゃん的解答が求められます。

普段から産業医業務したり、衛生管理に携わっていたり、筆記で一般もしっかり勉強している受験生の場合は口述はそこまで臆することはないと思います。ただ多くの医師受験生は、産業医業務未経験だったり、筆記は法令のみという方が多くいると思います。

各年によって出題傾向はあります。去年まで全然聞かれなかったけど今年はよく聞かれるとかの類です。定型質問ですし労働衛生的には当たり前質問ですが、そういうのに答えられないとめちゃくちゃ印象悪いですし、落とされるような気がします。
例えば、2023年だと「4S・5Sについて」。
細かいところ答えられないのは良いとは思うのですが、この質問に「え、4Sってなんですか?初めて聞きました。」的な態度とった受験生いたら、コンサルタントとして合格させるかといったら・・・

産業保健未経験なのでしょうがないですが、なるべくこういう労働衛生的常識問題は落とさないよう、情報掲示板などで過去の受験者が実際に聞かれた質問は全部確認しましょう。

けど常識的問題が1問くらいできなくても、他答えられたら受かりますので、普通に勉強すれば大丈夫です。

出題範囲は筆記と同じです。筆記の記述はマストですが、一般も目を通してみてください。結局聞かれてることの多くが筆記と同じです。筆記の問題や解答は要点がまとまっていますし、まさに聞かれるポイントですので、口述の解答作成の際、参考にするとピンボケ解答になりにくいと思います。

試験官ガチャが外れて、知らない新出問題をネチネチずっと聞いてくるパターンもあるようですが、こればっかりは運です。情報交換しながら対処してください。結局事前情報が武器です。

いつから勉強するか

筆記試験終わったばかりでお疲れかと思いますが、早いにこしたことはないです(自明)。
12月上旬にある加部先生の「労働衛生コンサルタント( 保健衛生)口述試験受験準備講習会」を受講してから本格的に勉強するのもありですが、講習会で提示される想定問題は、多くがnoteやらamazonの書籍に同じことが載っています。むしろ加部先生のを引用していると思うのですが、結局プール問題なので被るのは至極当然です。無理に12月まで待つ必要はないです。
講習会の注意点として、講習会後オンデマンド配信で見れるのですが、去年はオンデマンド配信されるのが講習会終わって1週間後とかでした。その間、視聴できません。
12月の講習会から勉強しようと思うと単純に時間もないです。大阪会場だと1か月切ってます。年末年始とかあって勉強無理です。
あと、昨年は筆記の合格通知届くの12月20日くらいでした。筆記の合格通知が届いてから本気出すのもやめときましょう。
参考書眺めるだけでもいいので、早めに取り組みましょう。

おすすめ参考書・勉強資料など

・12月上旬にある加部先生の「労働衛生コンサルタント( 保健衛生)口述試験受験準備講習会」
・加部先生の書籍「新版 まるわかり職場巡視 工場編」
・労働衛生のしおり
・noteやらアマゾンで売ってるやつもろもろ


・12月上旬にある加部先生の「労働衛生コンサルタント( 保健衛生)口述試験受験準備講習会」
エキスパートの先生が労コンの試験範囲・昨今の労働衛生の話題を網羅的に解説/資料提供してくれる講義です。
絶対受けたほうがいいのかと言われると実は何ともなんですが、労コンの勉強しにくいのは解説者が近くにいないことなので、やはりエキスパートの先生から解説してくれるのは心強いという感じです。そして膨大な資料を提供してくれます。

・加部先生の書籍「新版 まるわかり職場巡視 工場編」
実務とか実際の現場を見たことがない先生からすると、各有害業務の具体的対策は?と聞かれてもイメージ沸きづらいと思いますが、そのあたりが写真つきで分かりやすく解説されています。いわゆる実務的な質問に対応できると思います。コラムも面白いです。めちゃくちゃおすすめです。

・労働衛生のしおり
言わずと知れたバイブル(?)。かわざるをえない。

・noteやらアマゾンで売っているやつもろもろ
口述試験の問題や解答をまとめてくれていますので参考に。
最終的には自分の言葉で解答作る必要あると思いますが、それまでの参考に。

実際に自分がやった勉強スケジュール・勉強法

10月半ば 筆記終了
↓筆記も終わったし11月までちょっとゆっくりしよ
11月初め Amazonの問題集やら過去問眺める
↓ほーん、こんな問題か。内容自体はまああれやけど、瞬時に口に出すのがムズいんやな
11月中旬 あーなんか業務が忙しいし、試験日決まらんし全く勉強の身が入らん。労働衛生のしおりを眺める。

12月9日 加部先生の講義視聴。ここからエンジンかけるが、オンデマンド配信みれないし、筆記の合格通知&口述の日程が決まらずまだモヤモヤが続く。 
12月20日 ようやく筆記合格通知&口述日程決定。ここからは真面目に勉強。
1月末 東京で本番。

具体的勉強法
①とりあえずある程度まとまっている問題集やら参考書を1冊決めて、それを参考に、問題と自分で作った模範解答をgoogle keepなどメモアプリにぶち込む。
②スマホの録音アプリに分野ごとに分けて、問題と模範解答の音読をぶちこむ
③通勤のときに録音したやつ聞く
④机でまとまって勉強できるときに、筆記の記述、労働衛生のしおり、まるわかり職場巡視、加部先生の資料など見ながら、模範解答のブラッシュアップ、録音の更新。あとはひたすら①~④のループ。

スキマ時間あるときにスマホで勉強、通勤中は耳学習してました。
対ヒトで模擬練習は全くしていません。
口述で聞かれること自体は別にそこまで難しいと思わなかったのですが、本当に網羅的に細かい知識までスラスラ口に出せるのは試験の1週間前とかだったので、「知識ないのに模擬練習してもなあ」と思い全く模擬練習しませんでしたし、出来ませんでした。
ただ、場慣れという意味で模擬練習したほうがいいとは思います。

おすすめ勉強法

口述はまじで勉強のモチベーション保つのが難しいので、とりあえず早めに取り組んだほうがいいと思います。
なんでもいいので問題集の解答をそのまま音読して録音アプリにぶち込んで、耳学習でいいので早めに取り組んだほうがいいです。12月から頑張るよりだいぶ楽になるとは思います。
amazon kindleとか何なら読み上げ機能あるので、機械に任せてもいいです。
あと、chat-GPTに問題ぶち込むといい具合に模範解答作ってくれるので、参考にすると時短になると思います。

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