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年齢層が高い従業員へのコロナウイルス感染症対策について(COVID-19産業保健コンサルティングチームより回答)

【質問】
コロナウイルス感染症対策において年齢層が高い従業員に対する注意すべき点について
(企業規模:100名以下、業種:メーカー)

弊社は、従業員の年齢層が比較的高く、平均年齢は40代前半で50代、60代の従業員が多く、一部70代の従業員もいる状況です。
コロナウイルスの対応の中で、特に年齢層が高い従業員に対して、社内的に特に注意喚起しておく事などありましたら、教えていただけると助かります。


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【回答】

小橋先生

COVID-19産業保健コンサルティングチーム(※)より回答
※産業医を中心として結成された有志のチーム、画像は代表の小橋正樹氏


前回の「コロナウイルス感染症で重症化しやすい人について」の回答にもあるように、高齢者では重症化するリスクも高いですし、高齢になるほど重症化につながりやすい基礎疾患(糖尿病・心不全・慢性呼吸器疾患・高血圧・がん等)を抱えながら働いている方も増えるため、「会社としてやるべき対応、できる対応をしたい」と考えてのご質問だと推測します。

当然ながら、従業員の状況や会社で出来る対応はそれぞれで異なりますので、具体的な記載は難しいですが、高齢者であっても基本的な感染予防対策の重要性については変わりありません。
まずは従業員に対して、良質な生活習慣の確保、こまめな手洗い、3密を避けるなどを繰り返し周知していくことが大切です。
その中で、高齢者や基礎疾患を抱える方は一層の注意が必要な旨を情報提供をしていきましょう。喫煙歴のある方も重症化しやすいため、禁煙を勧めるいい機会かもしれません。

職場内でできるハード的な対策としては、密を避けた業務遂行、消毒や換気の励行などは共通事項ですが、製造現場でマスクをされる際には、これからの季節は熱中症の予防も考えなくてはなりません。気温、湿度、休憩の取得などにより一層気配りをしたり、マスクを着用しなくても良いシチュエーションなどを考える必要があります。
ソフト的な対策としては、職場内での感染拡大と感染による重症化を防ぐために、体調不良時にしっかりと休める体制や環境作りも大切です。特に製造現場では、代わりにシフトに入ってもらえる社員を探さなくてはならないことも多く、「休むと周囲に迷惑がかかる」といったことで無理な出勤をしがちですが、そのことで周囲の社員に感染してしまう可能性もあります。会社として感染対策を考えていることや、環境作りに心がけていることに理解が深まれば、無理せず休めるようになるでしょう。さらに、会社でそれぞれの従業員の状況に応じた配慮ができるようであれば、相談体制などを整えると共に、周知していくことも検討して下さい。

以上の通り「高齢者が多いから」ということに焦点を絞りすぎず、会社としてのハード、ソフト面の対策、従業員にお願いする感染予防対策の中に、高齢者という一つの特性を盛り込んで対応されるのが良いかと考えます。
なお、今年度の安全週間のスローガンが、「エイジフレンドリー職場へ! みんなで改善 リスクの低減」となっています。「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドガイドライン)」を添付しますので、ご参考にして下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000609494.pdf

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