自殺予防学会シンポジウム「依存症といのち」に登壇します
2024年9月、第48回日本自殺予防学会大会および第29回日本臨床死生学会総会の合同大会が、さいたま市で開かれます。自殺予防学会大会では以前より開催地の「いのちの電話」が共催として関わり、公開シンポジウムを担当してきました。米沢は2023年より社会福祉法人埼玉いのちの電話の理事を務めており、今回のシンポジウムの司会を担当することになりました。
埼玉いのちの電話として公開シンポジウムを担当するのは2000年に行われた第25回大会以来、2度目になります。今回のテーマは「依存症といのち」としました。
なぜ依存症を取り上げるのか。自殺というとうつ病との関係を思い浮かべる方が多いと思います。しかし依存症者の自殺リスクは極めて高いのです。かつて米沢が院長を務めていた慈友クリニックのアルコールデイケアの患者さんに調査したことがあったのですが、何と自殺未遂をしたことがある方が3割、自死を考えたことがある方が6割もいたのです。しかしこういった事実はあまり知られていません。自殺予防を考えるなら依存症を見逃さないでほしい。そういった趣旨で今回のシンポジウムを企画しました。
シンポジストには埼玉県立精神医療センター副病院長の成瀬暢也氏と俳優・小説家の高知東生氏をお招きしました。成瀬氏は依存症者のために「ようこそ外来」を開設し、依存症の治療革命を提唱し、臨床に携わるとともにさまざまな情報発信をなさっています。高知氏は2016年に違法薬物の所持で逮捕され世間を驚かせましたが、自助グループの助けを借りて回復し、今ではX(旧Twitter)などで積極的に発言されています。またお母様を自死で亡くされている自死遺族であり、「生き直す:私は一人でない」(青志社)、自伝的小説「土竜」(光文社)などの著作もお持ちです。高知さんについてはこちらの記事でも紹介しました。お二人のお話から依存症対策や自死予防について考えていきたいと思います。