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フィンランドの対話資料を検討する(2024年度第4回産業OD勉強会)

 2024年度第4回産業オープンダイアローグ勉強会を10月24日にオンライン開催しました。参加者は5名でした。今回は前回の勉強会の続きで、フィンランドのダイアローグ資料を題材に、それぞれが感じたこと、考えたことを共有しました。
 この資料は副所長の春日が3月にフィンランドを訪問した際に入手したダイアローグの資料です。現在日本語への翻訳が進行中で、今回もその途中経過の資料を提供してもらいました。前回読んだ時よりも訳がこなれてわかりやすくなっていたので、もう一度最初から読み直すことになりました。

▼一粒で何回も噛みしめている感じ

 不思議だったのは、フィンランド語の翻訳者の手が入っているとはいえ、前回と同じところを読み進めているのに、まるで初めて読むような感覚に陥ったことです。「えっ、忘れてる?私が健忘症になった!?」と思ってしまうくらい驚いてしまったのですが、ある参加者の「(一文が)一粒で何回も噛みしめている感じ」という言葉で納得しました。どういうことかと申しますと、一つは、どの文も大切なことを語っているのですが、それは当たり前のことだよねとも思うので、記憶に残らなかったのだと思います。もう一つは前回の勉強会から2ヶ月経っているし、そもそも私たちは毎日異なった体験をしているのだから、同じ文を読んで想起する事柄が違っても全然不思議ではない。そしてさらに、参加者が感じたことを言葉するのを聞いた上で考え、感じたことを言葉にするのだから、前回と違うイメージを抱いても何ら不思議なことではないわけです。

▼ファシリテーターの最良の行動

 さて、今回印象に残ったのはこのスライドでした。その一部を示します。

表 ファシリテーターの最良の行動

・ファシリテーターは参加者が他の人の話とのつながりに注意を払うよう促すことで、自分の発言と他の参加者の発言をつなげる手助けします
 →「これが前の発言とどのように関連していますか?」

・ファシリテーターは自分の経験を率直に話すことで模範を示します
 →「私の頭の中ではこのようなことが浮かんでいますが、これについてみなさんはどう感じますか?」

・ファシリテーターは話し合いが日常的な言葉で行われるように促し、参加者が理解できないような難しい用語があれば説明を求めます
 →「あなたが仰ったXXXとはどういう意味ですか?」

・ファシリテーターは参加者が身構えていると口にすることを助け、それに関連する経験を詳しく述べることを手助けします
 →「もっと詳しく教えてください。時間を取って異なる意見に耳を傾けましょう」
                     (以下 略)

 結局、今回も資料の半分までしか進まなかったのですが、「私たち、これほど丁寧に自分の話を聞いてもらったことって、どれくらいあっただろうか?」という思いを共通に抱いたのでした。

 次回の勉強会は2ヶ月後、12月19日に開催します。

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