【中級者向け解説⑨】三合連四頭


1.四頭とは

三合連が范帝という架空の神格を即位させたのち、その架空皇帝の存在を主張し崇拝を行った四人の権力者である。彼らは傭兵隊会議以前に結託し「范帝を擁立することで次世代の三合連を武力統制する事を目指した簒奪者である。」であったと敵対分子から騙られる。しかしながら彼らは「范帝の理想の代行者」を前面に主張し、敵対分子の主張を否定した。彼らの評価は様々にされているが、少なくとも今日三合連が「世界への脅威」と称される巨大な秘密結社となるまでに拡大する主要因であったと言えよう。

2.四頭の役割

四頭の役割は「范帝の理想の遂行」である。范帝の理想とはその威光と聖名が示される異教書「范帝神書」に記載される終末預言とされる。預言を簡易的に示すなら「全ての生命が死に絶えたのち、范帝のみが生き、全ての死を禁軍として永遠に従え幸福の凱旋へと導く」とされるものだ。この教えを絶対とするのが四頭であり、その下に属する下部組織はその教えに従う、または強制されている。四頭は四人で役割分担し、その范帝崇拝の永遠化のために尽力している。

エウヌークは范帝の殉教者を埋葬し、離反者を粛清する「葬送部」を創設

デモン4世は范帝教理を司り、その教育と罪人を免罪する「聖教部」を創設

鄭族の大翁は范帝の威光たる仙薬を用い、三合連の戦士たちの傷を治癒する「医療部」を創設

そして十八夜帝兎は范帝の理想を実行する者であるとされる。

このように様々に分かれて范帝を支え、帝政三合連の絶対化と「范帝の理想」の達成のために行動している。

3.四頭に名を連ねる四者

三合連四頭として名を連ねる者が4人存在する。彼らは三合連の范帝即位の時代から世襲なくその地位に就いており、世代交代の傾向も見えない。彼らが即位の頃に20代の青年であったとしても、2023年現在彼らは90歳を超える老人の集まりである。そのため通常であれば世代交代を検討し、四頭を襲名する必要性があるだろう。しかしながらその話が出てこないあたりに、彼らは異教の力によって生き永らえているのだと言われている。ここでは三合連四頭に名を連ねる四者を紹介する。

兎頭「十八夜帝兎」

三合連極東大日本支社の頭領である。彼は四頭で唯一、三合連発足以降に三合連に加わった者である。大東亜戦争においては日本史上最強の異教者として活躍し「東方大厄災」と呼ばれ畏怖されていた。日本軍敗戦後は戦争の継続と日本軍に再軍備の為に奔走した再軍備論者として戦後日本でテロリストとして活動し、その後に三合連日本支社と結託した。その後に開かれる傭兵隊会議に参加し、エウヌークの皇帝即位案に賛同しその上で范帝に直接忠誠を誓ったとされる。現在は日本支社の軍営帝都とされる狭間桜町の中枢に鎮座し、范帝の理想の実行と桜町の守護を務めている。

虎頭「鄭族の大翁」

三合連香港大東亜の代表である。その正体は大戦における欧州と三合党会の仲介役であった英国人フィリップ=テーラーである。彼は大戦後中国に帰属する事となり、その際に姓をテーラーからとって「鄭」と変える。つまり鄭族とはフィリップの息子娘たちの事であるのだ。鄭族は中国の三合連支社の一族統治を行っている。しかし彼らは大翁亡き後の新たな虎頭に就き、范帝への謁見または無尽蔵の特権を手に入れるためにお互いににらみを利かせているのだ。

鷲頭「エウヌーク」

三合連回部新疆の総長である。エウヌークとは本名ではなく「宦官」を意味する語である。傭兵隊の英雄と呼ばれた彼は、その優れた騎兵戦術と鷲を利用した索敵、特攻戦術によって数多くの日本軍を討ったとされる。戦後その勇猛さから傭兵隊の顔とされ、組織内でも大きな発言力を持つカリスマでもあった。即位以降は范帝に対する深く強い忠誠心を持ち、離反者と背教者を粛清懲罰する大粛清者として今日三合連の者たちから恐れられている。范帝からはその高い忠誠心と勇猛果敢さを評価され「大宦官」の位を与えられた。

蛇頭「デモン4世」

オーシン聖教会の主教である。彼はキエフ総邪教という教えの分派であり、残虐で惨たらしい教えを学んでいた。しかしながらその博学さと、諸神話の理解度、更には異教の智慧への底知れぬ探求心を持つ。戦時中レニングラード包囲を経験し、人食によって飢餓を乗り越え、多くの者を救った。その慈悲深さと冷酷さによって「人喰い大公デモン」「レニングラードの天使」と二面性ある名で呼ばれた。先述の通り彼はあらゆる神話と異教の智慧に精通しており、范帝即位の差異には神格化のための聖典「范帝神書」の編纂をエウヌークと共に行ったとされる。范帝からはその深き智慧と探求心を評価され「大神官」の位を与えられた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?