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ピーナッツくんはみんなのそばに居る

この記事はikura18さん主催の企画「ぽこピー(pokopea) 🍃 🥜 Advent Calendar 2021」の12月13日の記事です。

こんにちは!律と申します!

今回は大好きなピーナッツくんのExpecto patronum!という曲について書かせて頂きたいと思います!記事と歌詞を一緒に読み進めていただけたら嬉しいです!ではよろしくお願いします!


Expecto patronum!

「小説のハリー・ポッターシリーズに登場する、守護霊を呼ぶ呪文」のことで「私は守護霊を待ち望む」という意味。
そしてこの呪文によって呼び出される守護霊とは、人間のポジティブな感情でできたエネルギー体のような存在で幸せな記憶を思い浮かべながら呪文を唱えないと、呼び出すことができない。
守護霊には「吸魂鬼(ディメンター)」を撃退する効果があり、吸魂鬼は人の幸福感を吸い取って絶望させ、廃人にしてしまう化け物。


この曲はバーチャフリークがプロデュースする「REWIRE」というコンピレーションアルバムの書下ろし曲だ。
タイトルの意味はハリーポッターという作品に出てくる守護霊を呼ぶ呪文。ワクワク感がありどこか懐かしい気持ちにもなる不思議なイントロからこの曲は始まる。

最初に出てくるのは「相変わらず踊っているぼく」と「バイト先で休憩中の君」という2人の描写だ。これはこの曲のとても大事な核となる部分であり、この「ぼく」と「君」を中心にストーリーは進んでいく。「聞いてないことをやりすごしたくて相変わらず踊るぼく」からは、嫌なことを見ないで好きなことに集中しようとする様子がうかがえる。「甘い空気の匂いがまた休憩中の君のバイト先まで」という部分からは、休憩中にぽこピーを思い浮かべたり楽しもうとするワクワク感を「甘い空気の匂い」という言葉で表すセンスが凄い。まさに「これからはじまるんだ!」という流れを感じて気分が上がってくる。

次の場面、「神さまはキョドってばかり」、「地球はのぞき部屋だよ」や「急展開の現実」というワードが続く。
ここはまだしっかり解釈できていない。しかしわからないからこそとても思い出深く好きな部分だ。わからないからこそ歌詞の中に感情移入ができる。自分にとってまさに「神さまはキョドってばかり」のように見えていたし「まるで地球はのぞき部屋」のように感じていたのだ。そんなもやもやしてどうしようもなかった感情をピーナッツくんも感じてくれているような気がして凄く救われた。そしてそんなネガティブな現実に「まぁちょっとぼくの出番だよね」と自信満々に現れてくれるピーナッツくんがものすごくかっこ良く、ワクワクさせてくれる。「OK!」という言葉とともに自分にとって嫌なことが吹き飛んでしまう。現実世界からピーナッツくんの世界へと一気に飛んで行ってしまうのだ。

「おはなしのつづき」からはじまるこの場面、「ぼく」は高揚感やワクワク感とともに「おはなし」の魅力を話してくれる。
おはなしのつづきは誰にもわからないし「心が踊ればジッとしてらんないよ」と楽しげにその魅力を語る「ぼく」からは創作に対する純粋な気持ちや楽しさ、熱量が伝わってきてこちらまですごく幸福感を感じてくる。

次の場面、「うるさいなプルプルFuck the phone Airplane mode」。
スマホを機内モードにして現実に戻ることを拒否し創作の中に入り込んでいく。その高揚感とともに現実を飛び越えて空まで飛んでいく。
そして「飛ぶ上空ほとんどが青くなるんだ」と曇り空でも一面青くしてくれる感覚を思い浮かべる。
Airplane modeとは周りの友達や社会から距離を置くスラングとしても使われている。ピーナッツくんはよく友達、恋愛、お金などから距離を置く歌詞が出てくるが、これもまたそういう意味が含まれているのだろうか。
現世的な利益から距離を置き、自分自身と向き合い、創作に集中して生きているのが分かる。

ここで「YouTubeとかで知った気になっちゃいけないんだぞ」というフレーズが出てくる。
すごくキャッチーで耳に残るフレーズだ。
一見すると分かりやすいようで考えだすとキリがないくらい深い意味を感じる。
自分もその時々で捉え方が毎回変わってくる不思議なフレーズだ。そして「スクスクーShiny like a star」と歌っている。
ここでは「分かった気になってんなよ」というのと「一緒にこっち来なよ」と言われているように感じた。
コンテンツはよく「消費される」という言葉が使われるようにほとんどのコンテンツが消化型だ。しかしピーナッツくんはよく「自分がいなくなった世界」、「忘れられた世界」を口にしている。それは「消費されるコンテンツ」への抵抗であり、拒否感ではなのではないか?
ピーナッツくんは上空でキラキラ輝く星のように「誰も来れない場所」、「誰にも消費されない存在」を目指している。
そして「一生残るもの」を創作するために全力を注いでいるのだ。だからこその「YouTubeとかで知った気になっちゃいけないんだぞスクスクーShiny like a star」だと感じている。そしてそれと同時に「狭い世界に生きるな」と言われてる気もした。ピーナッツくんの生き方がまさにそうだからだ。こんなキャッチーで深く考えさせられるこのフレーズは天才的だなと思う。

そして「愛はまだひとつだけ」と繋がる。HIPHOPとは生き様、リアルを歌うことそれこそが愛であり聴く人達を救う。しかしピーナッツくんは創作上の人物であり生き様やリアルを歌うのがとても難しい立ち位置だ。ピーナッツくんはそこをシビアに向き合い、仮想のリアルを作ろうとせず現実をまっすぐ見据えている。嘘や建前は言わない。安易に消費されるようなコンテンツを作らないしそういう愛はあげられない。だからこその「愛はまだひとつだけ割ってはんぶんこなんてできないよ」なのだ。

そのあと「いまぼくが君にできることExpecto patronum!」と続く。ピーナッツくんは今は「ぼく」から「君」に直接の愛はあげられないがExpecto patronum!という呪文をかけることが今自分にできることだと言っている。Expecto patronum!とは守護霊を呼ぶ呪文で、ここで呼び出されるのは「ぼく」の作った創作、ピーナッツくんのことだ。
「ぼく」はピーナッツくんこそが愛であり、創作した作品こそ愛そのものであり、それこそがリアルだ!と表現している。
つまりは作り出す作品そのものがファンに対する愛でありピーナッツくんのリアルなのだと言っている。

たいがいのことは平気だってという歌詞に移る。ここは「ぼく」のことを歌っている場面が続く。「いなくなったSensei」や色々な人の気持ちを背負って黙々と創作を続ける様子が書かれている。そして「Badなmindバーって押し寄せてくるからもう気にしないでいいこのループがぼくを救うのさ」の部分。「このループ」とは創作をすること、そして作品を作る「ぼく」と作品を楽しむ「君」との関係性のループの2つの意味が込められている。作品を作る、そしてそれを楽しんでもらうことこそがピーナッツくんの救いなのだ。ピーナッツくんの創作への熱い想いを感じる。ループ→救う→call という韻の流れは意味を感じるし聴いてて心地よくほんとに見事だ。

そして「Call me ピーナッツくん また言ってる 分かってる」だ。この力強さと決意。創作で生きていくと宣言しているような気さえしてくる。そして「ぼく」とは「ピーナッツくん」なのだ。「ピーナッツくん」こそがクリエイターであり創作している。

「遭遇する未知の世界 君と憂鬱を抜け出したい」。ここで「ぼく」は「君」と未知の世界に飛び込んだり憂鬱を抜け出したいと書いてある。「おはなしのつづき」の部分で創作の魅力が描かれており、そしてこの場面で一緒に楽しもうという描写が出てくる。
作品を作る「ぼく」とそれを一緒に楽しむ「君」の関係性ができると「もう止められやしない」し「JKローリングみたいにベストセラー」になれると高らかに歌われている。

ここで気付く。この曲のテーマは作品を作る側と作品を楽しむ側の愛の物語なのだ。「ぼく」と「君」の愛があればピーナッツくんはどこまででも飛べるし止められない。創作をする側とそれを受け取る側の愛には無限の可能性がある!とピーナッツくんは伝えてくれている。すべてを肯定してくれてるようでとても優しいし暖かい。

「ピーナッツくんのおまじない」とExpecto patronum!

そしてこの曲を最後まで聴いて思うのは「ピーナッツくんのおまじない」だ。ピーナッツくんのおまじないには「胸の奥には心臓ないけどみんなから吸って吐くよ酸素」とあり、ファンと創作者で作り上げていく大事さも描かれていて重なる点も多い。ピーナッツくんのおまじないはピーナッツくんの誕生と生き様を歌っているともいえる曲だ。

当時ピーナッツくんのおまじないはピーナッツくんと兄ぽこが2人で創作を楽しんでる曲という印象があり、「光が差し込んだ気がした」は兄ぽこの感情で「そばにいてねちゃんと」はピーナッツくんの気持ちであり、これはピーナッツくんと兄ぽこ2人の尊い関係性の曲かと思っていた。「ピーナッツくんのおまじない」とはピーナッツくんが兄ぽこにかけた専用のおまじないかと思っていたのだ。しかしExpecto patronum!を聴いた時に気付いたのは、ピーナッツくんは兄ぽこ含め、みんなにExpecto patronum!というおまじないをかけてくれたのではないか?ということだ。つまりピーナッツくんのおまじないとはExpecto patronum!であり、そのおまじないはもう既にみんなにかけられている。

この曲を聴いて感じたこと。それはピーナッツくんはみんなのそばに居る、そして兄ぽこを救ったようにピーナッツくんはみんなを救ってくれるヒーローなのだ。

みんなのそばに居るピーナッツくんは、現実に存在する幸福感を吸い取って絶望させ、廃人にしてしまう吸魂鬼から僕たちを救ってくれているのだと思う。

そしてピーナッツくん1stオンラインライブの「NUTS TO YOU!」で最後にこの曲を演奏してくれたことも意味を感じた。
ピーナッツくんが「そばにいてねちゃんと」と言ってくれた気がしたし、その回答ができるとするならば全力でぽこピーを楽しんで全力で応援していくことだと個人的に思った。ピーナッツくんいつもありがとう。

さいごに


長文を読んで頂きありがとうございます!
今回は僕の大好きなExpecto patronum!という曲について書かせて頂きました!
自分の感じたこと、自分なりの解釈を全力で書かせて頂きました!

今回、自分の思ったことや解釈を書かせて頂いたのですが、解釈多いですし、自分は人それぞれが自分の中で感じたことだったり解釈が一番大事だと思っています。みんながそれぞれExpecto patronum!を聴いて感じたことや、解釈を大事にしてみんなで大切に発展させていけたらそれはほんとに素晴らしいなと感じています。
今回の記事で少しでもそのきっかけになれれば嬉しいなと思って書かせて頂きました!そしてExpecto patronum!はすごくすごく凄い曲なんだよ!!ってことを伝えられていたら嬉しいです。こういう機会を作ってくれたikura18さん、そしてこんな素晴らしい曲を作ってくれてありがとうピーナッツくん!
ぽこピーを応援できてすごく幸せです。

明日の「ぽこピー(pokopea) 🍃 🥜 Advent Calendar 2021」は那珂山(ナカヤマ)🍃🥜さんのぽこピークロスワードです!楽しみ!!

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