【WOWWOWドラマ】『マークスの山(2010)』も見た

高村薫作品が大好きなさんごです。
先ほどLJの方の感想をあげたので、今度はマークスの山も。

※相変わらずネタバレ配慮なしですのでご注意ください。
※あらすじなど無くいきなり感想を語り散らかす不親切記事になってます。。すみません。


1、7係メンバー最高かよ

・川上合田が仕事に一生懸命だ!!ごりごり捜査進めていくし、推理もキレキレだし、吾妻ペコリーダーの参謀的位置で大活躍の合田さん。そのせいもあり、外部(検察)・内部(警察上層部)から睨まれてるし、なんなら捜査協力すべき王子の10係からもやっかみ半分嫌われてる😂
(10係の須崎さんもよかったなぁ、、一発で合田(7係)と仲悪いのがわかる登場。それにしても10係は蹴り入れたりコーヒーぶっかけたり、挙句の果てに「●ね」ですよ、これはひどい。なかなか警察官の所業ではない。)
・ペコさーーん!!みんなの頼れる兄貴!!合田主任とのペア最強ですね。目の前にいるモヤシ係長や管理官をものともせず捜査会議仕切っていくの、キレもの感がすごい。あと顔がまじで「ペコ!!」という感じで、ぴったりの役者さん引っ張ってきましたね(笑)
・森もよかったよ。なんかイメージ通りの堅物感。なんならアトピーも設定に入れてあげて!!合田さんを頼りにしてて、焼肉屋のシーンとか最後の山登りの付き添いとか、お蘭の熱血ぶりというか仕事観が見えてよかった。
・又三郎は情報屋というかんじ。いち早く現場や捜査の中心に出向き情報を掴んできて、合田に流す。飄々とした雰囲気が印象的でした。
・十姉妹の年下感がすごい。私の中ではもっと体力バカみたいなイメージだったけどな。新卒かよ、みたいな初々しさ。ただドラマでの活躍シーンがないため、印象は薄め。
・あだ名も紹介してほしかったなぁ、、「おい、吾妻!」より「ペコさん!ちょっと来てくれ!」だろうよ(笑)

2、相変わらず組織がク●だな。

・加納検事の板挟み感、かわいそう、、。上司から圧力かけられるわ、情報流してあげていた合田には「お前は俺の敵なのか味方なのか、どっちだ!!」とキレられる始末。「義兄はいつもお前の味方に決まってるやろう!!」と私が割って入りたくなってしまう(笑)散々尽くされておいてこの仕打ちはひどい。。
・相変わらず上層部や永田町の指図で捜査妨害、隠蔽などなどが横行する現場。現実もこんなもんなのだろうか?まじで、合田やペコ、また加納もそうだけど、現場でどれだけ優秀な人材が集まっていても、真相までの道のりがえらく遠回りで、味方同士で気の遠くなるような情報合戦をやりまくったあげく、結局上から潰される、というカタルシスのなさ。ミステリや事件解決の快感がない分、現場のストレスのみが溜まっていくこの高村劇場。

3、真知子ぉ、、🥺

・真知子と水沢の関係はえらくピュアーな感じになっておりました。さかき鮨屋とかメロンとかはこのドラマ唯一の温かさが感じられる「良いシーン」となっており、そんな二人の微笑ましい関係を見た後だと、後半の水沢が犯行を重ねていくのにも同情してしまいかねない、、
・たしか原作だと、実は水沢入院中に真知子がお世話ついでに色々手を出してて、ペットとして可愛がっていた、みたいな後ろめたい過去があり、現在も病院のナースたちから二人は変な目(おばさんがイケメンを飼っている、というやっかみ半分の嫌悪の目)で見られており、でも真知子は幸せなんだからいいんだもんっ💕、みたいな歪な関係で描かれていた気がするんだが、そのあたりのアクがドラマでは薄味になってる。要は真知子が普通にナースとして働く善良な市民なので、普通に同情するし可哀想だし、裕之たすかってくれ、、という思いになってくる。
・高良水沢イケメンすぎるだろう、、あれはずるい。原作水沢はもっと目がやばくて、暗い山の時は本当に得体の知れない魔物が住んでいるみたいな雰囲気だったが、高良水沢、常にわんこわんこしている。最後逃走中にご飯奪ってお金置いていくの、、、なんかやっぱり同情してしまう、、。あれか、ドラマだと殺人シーンが絵的にマイルドなので、イマイチ水沢の冷酷非道な犯罪者イメージが弱いのかも。原作の殺害シーンや死体の描写凄まじいからな、なんか凄惨な現場で血の匂いがする、、。

4、ドラマオリジナル改変の女性陣なんとかならんか

・加納貴代子が日本に帰ってくる!!しかも二人ともまだ未練がありそうだ、、!!!しかしセリフがドラマオリジナルなため、なんか高村劇場と馴染んでない気がする。。いや、貴代子も雄一郎もこんなこと言わんやろ!!みたいなツッコミどころ万歳の雰囲気。なんかもはやお笑いかよww
しかし鈴木杏樹、たしかに美人だが、これはどう見ても理系研究者には見えないww
・根来が「しなびたおじさん記者」じゃなくて「やり手のお嬢さん」になっている!!!!!小西真奈美童顔でかわいいな、その巻き毛とばっちりメイクはなんだ、とても日夜ネタ追っかけまくってる記者には見えないぞ!!
→だからLJで謎の八代とかいうオリキャラが出てくるのか。根来のおじさん、、かむばっく🥺

5、照柿もドラマ化してくれ。

・あの品行方正な上川合田が嫉妬に狂っていく様を見せてくれ!!!
・溶解炉の熱と夏のむせ返るような暑さにじわじわ締め上げられながら、どろどろの人間劇が見たいのじゃぁ、、、!!!

番外

加納と合田の山登りシーンを冒頭とラストに持ってくるのは激アツでした。(WOWOW氏、最後は雄大で美しい自然をバックに合田と加納の関係性を見せつけて物語を締めるのがお決まりなのか??)
最後、水沢の墓?に二人で水かけてあげた後(この行為もドラオリで謎だが笑)、石黒加納が合田をじっと見て、上川合田が「え、何」みたいにたじろぐ?シーンがあるのだが、ここの見つめ合いのシーンがめちゃくちゃよくて交わった目線に隠微な関係を汲み取りました。ええ。
そのあと目線の熱に耐えかねた(と私は見た)上川合田がすっと山々の方へ目をそらして、それを追うように石黒加納も振り返ってしまったので、おや?と感じるまもなく物語はフィナーレするわけだが、このラスト数秒に石黒氏は原作の二人の隠微な関係を含ませたと解釈した。