ほんの一瞬の優しさを、取りこぼさないように
いつも、娘が起きるか起きないかの時に出勤してしまう夫が、今日はゆっくり出るといった日。
小さな小さな出来事だけど、娘に胸を打たれた。
私は朝食の準備をし、娘が座って食べ始めてからも、バタバタとお皿を並べたりしていた。
夫は朝シャワー派なので、朝御飯はいらないといい、自分の支度をして、廊下を玄関まで歩いていた。
娘が起きているときは、いつもいってらっしゃいのバイバイタッチをするのが通例。
その日も、朝食中だったが立ち上がり、タッタカ、パパのあとを追った。
廊下でバイバイタッチ。
の前に、娘はチラリと手のひらをみて、つぶやいたのだ。
「ベタベタ」
そして、ベタベタじゃない方の手をパパに差し出した。
ホントに一瞬過ぎて、夫は気づかなかった。
小さな小さな一瞬。娘でさえ無自覚かもしれない。
でも……
ベタベタした方を相手に差し出したら、相手にベタベタがついてしまうって、思ったんだな。
ベタベタついたらパパ困るなって、思ったんだろうな。
きれいな方でバイバイタッチしたらいいって、気づいたんだな。
ちょっとしたしぐさに隠れた、ちょっとした優しさが、私の胸の中でぶわって大きくなった。
娘も成長しているんだなぁ。
感動した。
ずっと大事にもっておきたいはなしだなと思ってしまった。
お友だちにおもちゃ貸してあげられたとかそういうもの以上に、大事にしていかなきゃいけない感覚だなと思う。
のが先日で……
昨日は「ママ抱っこ」って、ベッタベタのエプロン着けてベッタベタの両腕広げて来たけど、それは、テレビのゴールデンボンバーさんの白塗りのお顔がちょっと怖かったからで、それは仕方がないなと思っておるしだいです(迅速にタオルで拭きました)。