韓国とキリスト教
〈キリスト教の韓国伝播に関して実際に確認できる最古の事例は、一六世紀末、豊臣秀吉《とよとみひでよし》の朝鮮出兵の際に、イエズス会の宣教師が日本から朝鮮半島にわたったことである〉のですが、〈中国、それも北京から朝鮮に伝播した。当初はキリスト教という宗教として伝播したのではなく、ヨーロッパの学問、すなわち「西学」として受容され〉た、ともいわれています。
儒教といいますか朱子学的な体制で抑圧されていた庶民にとっての救いとなり、広まってゆく、ということですね。そしてこれを、キリスト教と韓国人の民族意識と関連づけて以下のように考えています。
イスラエルのように国を失うことはなかったものの、常に中国という大きな存在に脅かされ、日本によって植民地として統治された、という歴史があります。そして、その信仰の母体が庶民層にあることから、
これがメガ・チャーチへと突き進んでゆくこととなり、そして「旧統一教会」のような団体が出現する土台となります。
『韓国とキリスト教 いかにして”国家的宗教”になりえたか』
浅見雅一 アン・ジョンウォン 中公新書 2012
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