旧友
海の近くの港町の中学校。
ヤンキーも優等生もオタクも不登校もないまぜの学年。
熱血な先生たち。
ドラマみたいな日々だった。
学校を飛び出した生徒を追いかける級友がいた。
体育祭や文化祭に全力で取り組んだ。
友達と何時間でも立ち話できた。
ろくな休日もなしに部活に勤しんでた。
初めての彼氏とは手を繋ぐだけだった。
狭い世界で必死に生きてた。
中学の頃の自分は
わざわざ先生に注意されるのにスカートを折ったりスカーフを短くしたり連れ立ってトイレに行く女子を理解できなかったし、恋愛ごとで悩んで廊下で泣くなんてメンタル弱すぎん?と思ってた。
別に真面目だったわけじゃなくて、委員会サボったり宿題やらなすぎて昼休みにめっちゃ机に向かって前日の課題やったりもしてた。
あとすごく厨二病だった。
みんな通る道だよね…???
SNSで沢山の知り合いの現状は知る事ができる。でも、今でもマメに連絡を取り合う中学の同級生は片手で数えても余ってしまうほどしかいない。
そんな友人がとても尊いものなのだと27になって噛み締めている。
幼くて愚かで浅はかで必死だった自分を知る数少ない友人。
再会に何年空いてもついこの間会ったばかりかのように会話が始まる不思議な空気。
もう一度中学時代をやりたいかと聞かれれば即答でNO。
多分無知だったから楽しかったのかな、と思う。
だから余計に、知恵を得て、社会に揉まれて、それでも繋がりを留めてくれている友人には感謝ともなんとも言えない気持ちを抱く。
多分何十年経っても、「あのときさぁ、、」と笑いながら昔話をしていると思う。
それだけでもう、私の居場所が確かにあるような、そんな安心感を覚える。
きっと大きくなった子供たちにわざわざ「友達は大事にしなよ」なんて言わないと思う。
絶賛反抗期中だと思うしね。
でも遠目から仲の良い友達とつるむ様子を見て、嬉しいようなこそばゆい気持ちになるんだろうな。
想像するだけで泣ける…。