コロナリストラに遭ったょ☆スピンオフ「陳さんという人」
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そのぶっ飛んだ言動からか、私の周りで少しだけ人気の「陳さん」。(本編はコロナリストラ日記1〜3を読んでね!)
そんな陳さんについて、最初で最後の他己紹介をします。
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①陳さんの名前と年齢
陳さんの「本当の」年齢は34歳、1986年生まれだ。
しかし彼女いわく「なんやかんやの事情」(説明してくれたけど忘れた)により、「戸籍上」の御年は35歳、1985年生まれになっている。
ちなみに、日本の住民票に登録されている名字も、本人いわく「入管の手違い」により本名とは別の漢字になってるらしい…
陳さん…工作員じゃないよね?
②陳さんの恋愛観
そんな34歳の陳さんは独身・彼氏なしである。
本人いわく、「色んな人に言い寄られるが、誰に対しても本気になれない」ということだ。
コロナリストラ日記から、陳さんの計算高さはみなさん承知の通りだと思うが、それに加えて「偉い人のふところに入るのがとてもうまい」(by経理のおばちゃん)ようである。
なのでモテるに違いないし、いつでも「社長の愛人」疑惑がついて回っている。
個人企業あるあるだが、個人企業では大体お世話になっている「個人企業」というものがある。
この会社の場合は、社長が中国人ということもあって、日本の法律的なことや色んなノウハウを、社長の長年のお付き合いである日本人男性(推定年齢52歳)から教わっている。
この男性がまたこの上ないクソ野郎で、どの辺がピーかというと、自分の会社で事務員を3名一気に雇い、それが全員若くて可愛い子たち(つまり顔採用)、しかし女が3人集まればどうなるかわかるだろう。私はその3人を「かしまし娘」と呼んでいた。(=雑談ばかりで仕事をしないという意味だ)
その扱いに困ったのか、はたまた自分の威厳を見せたかったのか、会社に魚眼カメラを設置し、自分がいない間かしまし娘を監視するという明らかな〇〇〇〇な行為に出ていた(〇〇〇〇の言葉は自分で入れて遊んでください)。
しかもかしまし娘を呼び出してはその録画内容を見せ、「おまえらが俺を恨んでいることはよく分かった」などと暴言を吐いているという。
こんな会社が現実にあるんですね。くわばらくわばら…
話がそれてしまった。
何が言いたいかというと、このクソジジイから陳さんはよく「社長との相談はベッドの中でやらんとな~」とか言われており、
そのたびに陳さんは「社長なんかベッドにいれないよ。」とうまく(?)かわしていたのである。
あぁこの会話は今思い出しただけでも気持ちが悪い。吐きそう…
そういうこともあってか、私が入る前の「同時に辞めた事務員3人」は、みんな「陳さんは社長の愛人」と思っていたみたいだった。
私からしたらそれは絶対ないんだけどね…
なぜかというと、陳さん、「不倫は悪!」という考えを持っているからだ。
経理のおばちゃんが、「たまには不倫に走ることもあるわよ~」と経験豊富なオンナっぽい発言(おえ~っ)をすると、「不倫なんて絶対だめです!!!」とよく言っていた。
そんな陳さん、なぜか私と営業Bさん(北海道からわざわざ大阪に来たが自分の誕生日に解雇通告を受けたあの子。)をくっつけたがっていた。
なぜかというと、飲みの場でそれぞれ好きなタイプの芸能人を言ったとき、営業Bさんが「剛力彩芽」と言い、
すかさず全員が「(あのZOZOの!?)なんで!?」と言った。
Bさんは「ショートカットが好きなんです」と答えたところ、
陳さんが「じゃ、三月ちゃんだね」というわけのわからない発言をした。
なぜ「わけのわからない発言」かと言うと、Bさんは既婚者であるからだ。
奥さんも中国人で、Bさんの生活が落ち着くまで北海道で待機中らしい。
別の日のごはん会でBさんが、「実は初恋の人が忘れられない。その人がショートカットの三月生まれで…」という話をしだした。
すかさず陳さん、「三月ちゃんは三月生まれのショートカットよ。運命じゃない!?」
…だからBさんは既婚者…
私は陳さんに「Bさんは結婚してますよ~」と言った。
そこでの返しがさすが陳さんである。
「あら、関係ないわよ!そもそもBさんの奥さんとBさんは絶対合ってないもの!!!!!」
…どこからの自信?とか、Bさんのいる前でよく言えるなぁとか、Bさんの奥さんと会ったことあるんか!?とか、色々ツッコミどころがあるが、陳さんはたて続けに言った。
「Bさんにはね、三月ちゃんが合うわ!!!!私、見る目あるのよ!!!!!」
…私は聞いた、「でも陳さん不倫反対派ですよね?」
はい、これに対する陳さんの回答、みんな見習おうね。
「あら、男は(不倫しても)いいのよ。」
…!?みんなが吉本新喜劇のように椅子からひっくり返りそうになった。
私と営業Dくんが「そもそも男と女で不倫なので、男が不倫してたらその女側も不倫になりますし…」というちゃんとした道理なのに説明するとなんかややこしい返事をした。
陳さんは自信をもって言った。
「だから、女はだめだけど、男はいいんだって。」
…この真意は未だ謎のままだ。
③陳さんの元カレ
陳さん「私の今まで付き合った人は、私より早く起きて毎朝朝食を作ってくれて、送り迎えはもちろんあって、車のドアなんて自分で開けたことがないわ」
私「すごいですね~なんでそんないい人たちと別れちゃったんですか?」
陳さん「そうねぇ~本気で好きになれないのよね~」
私「じゃぁいつも陳さんから別れてたんですねぇ~」
陳さん「そうよ。「あなたは私に釣り合わない」と言って別れてたの」
…世の男性のみなさん、気を付けてね~毎朝朝食を作って、送り迎えして、車のドアを毎回開けてあげてても、最終的には「あなたは私に釣り合わない」って言われてフラれるときが、あるみたいですから~~
④陳さんの金言
陳さんは奇行だけじゃなくていいことも言います。
「仕事が大変なときや、自分がつらいとき、その道中で辞めてはいけないの。必ず闇を越えて、光が見えてからじゃないといけない。道中で辞めると、自分に何も残らない。それを乗り越えて、人は成長するのよ。」
「恋愛に、年齢は関係ない。相手が70歳でも、20歳でも、いいじゃない!」
「三月ちゃんはね、面接のときにメモを取っていたね。それがいいと思った。ちゃんと入社するかどうかを考えている。それは自分の人生と真剣に向き合ってるということよ。自分の人生に責任を負えない人は、仕事でも責任感を持ってできないのよ。」
…こう振り返ると、やっぱり陳さんは「いいひと」だったのかなぁ?と思えてくる。
陳さんは高校生のとき、一人で日本に来て、その時は日本語も全く分からなかったという。
ちなみに妹がいて、その子は中国で両親の元で育てられた。
今からおよそ20年前、中国から日本にやってきたと言えば聞こえがいいかもしれないが、家族で自分だけ、言葉も分からない外国に行かされて、不安と孤独でいっぱいだったろう。
今でこそ「中国には戻りたくないわ。私は日本の方がいいの。」と言っているが、その心中は、当たり前のように自国で、家族のもとで、育てられてきた人には分からないものがあるだろう。
中国は、そもそもが競争社会であるが、陳さんのように、普通の中国人より少し早く日本に来て、普通の中国人より上手な日本語をしゃべれて、普通の中国人より日本社会を理解している、が、それでも「外国人」であることに変わりはない人たちの、日本社会における「競争」は、私たちが想像するよりはるかにすさまじいかもしれない。
それ故の、計算高さであり、自分のための防御なのである。
私は、陳さんが、いずれ「愛する人」に出会い、「ありのままの自分」でいられる場所を見つけられることを、なんとなーく、祈っている。
ー完ー