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カレーパン
【2大Twitterキャンペーン①】
ハッシュタグ #ガイアールカイザー をつけて①か②どちらかを自由につぶやこう!
抽選で100名様にプレイマットが当たる!
①ガイアールカイザーの思い出や期待など
②好きなカレーパンについて
#デュエプレ
「カレーパンねえ……」
うつらうつらスマホの画面をスクロールすれば、TLにはスパムの如くハッシュタグ付きの投稿が溢れかえっている。
どうせカレーパンなんかに思い入れなんてないくせに。誰も彼も、抽選という言葉に目が眩んだか、他人のツイートに便乗しているかだ。餌に群がる鳩と同じようなもので、眺めるだけでも時間と労力の無駄でしかない。
ハッシュタグをミュート対象に設定して、大きな欠伸とともに首をもたげる。すると、ふと視界の端に見慣れない物体が映る。それは、机の上からどこか不満そうにこちらを見つめる、一個のカレーパンで……
カレーパンがこちらを見ている?一体どういうことだ?
やや間を開けて、目を擦ってからもう一度それを凝視してみる。
するとそれは、既に何の変哲もない未開封のコンビニのカレーパンに変わっている。
否、最初からそれは何の変哲もない未開封のコンビニのカレーパンだったのだ。
それなら視線の主は別にいるのかと思い周囲を見渡すが、当然部屋の中には自分ひとりしかいない。窓の外から野良猫が覗いてきているわけでもない。
「……まいっか」
おそらく疲れか眠気にやられて、頭が回らなくなってきていたのだろう。心なしか先程よりまぶたが重くなっているような気がする。もう寝た方が良さそうだ。
数刻前に感じた視線を思い出そうとしても、もうごく普通のカレーパンの形しか思い出せない。結局、何も不思議なことなど起きてなどいなかったのだ。これではツイートのネタにすらなりはしない。
適当にツイートして寝るか……と、再びスマホを手に取った直後、何かに思い当たって手を止める。
(そういえば、さっきなにかツイートしようとしてなかったっけ?)
頭の隅に引っかかるものを感じ、打ちかけた「おやすみ」の文字を消して、下書き欄を開く。
その一番上に残されていたのは、地面を背景に手で掴まれた、未開封のコンビニのカレーパンの写真、そして「#ガイアールカイザー」であった。