3PL倉庫業界の裏側 - 倉庫管理から見た物流業界の実態
はじめに
3PLは「Third Party Logistics」の略で、荷主企業の物流機能を一括して請け負うサービスのことです。私が担当していたのは、カインズの物流機能を請け負う業務でした。この会社に入ったきっかけはビズ◯ーチからのスカウトでした。
業務内容と一日の流れ
主な業務は荷受け、荷捌き、ピッキング、出庫で、輸送は他の会社が担当していました。在庫は持たないという事を面接で聞いており、棚卸しなどは無いと聞いておりましたが、これも嘘で、若干ですが、荷物の預かりもやっており、棚卸しもしっかりありました(笑)
朝の荷受け作業
朝4時からトラックがとめどなく入ってきて、荷受けが開始されます。多い日で一日70から90台ぐらいのトラックが来て、少ない日で20台ぐらいのトラックです。所定の場所においてもらいますが、すぐに荷物がパンパンになります。
日中の作業
朝8時頃から皆さん出勤してきて、荷物をさばきにかかります。荷物をパレットからベルトコンベアに乗せて、各店舗へのシューターに落ちていく仕組みでした。各シューターでは荷物をカゴ車に積み付けする人がおり、延々とその作業が続きます。
早い日で16時頃、遅い日だと日付をまたぐなんてこともありました。主婦を中心としたパートさん頼みだったので、18時頃から一気に人が少なくなって、18時ぐらいにまだ荷物が残っていると絶望に変わります。生産性も一気に落ちて、終わるまで延々とピッキング作業が続く感じでした。
その日に来た荷物をさばき終えないと終わらないという現実は、想像以上に過酷でした。言葉で言うのは簡単ですが、実際の現場は厳しい状況でした。
労働環境の実態
勤務時間
勤務時間は柔軟に対応してくれていましたが、ひどいときは朝4時から日付変わるまでというのが何回かありました。
休日・残業
休日:土日か日月のいずれか
祝日出勤
大型連休なし(盆正月も土日か日月にかからないと休めない)
残業:月70時間が平均
極端な場合:80-120時間
月の残業も36協定の範囲内でと言われましたが、なんとか調整してやっている感じで、80時間や120時間を超えている残業の人もいました。おしなべて70時間ぐらいでしょうか。
給与
残業があったのと、そこそこ有利な条件で入社したので、金銭面は良かったのですが、時間がなさすぎて人間的な生活がしたいというところで転職を決意しました。何事も度をすぎるとダメな典型的な例です。
業界の課題と将来性
現状の課題
3PLの倉庫は総じて人手不足でどこも同じような体制になっているので、しっかりと休みをとりたい方にとっては3PLの倉庫はやめておいたほうが無難です。自社の倉庫の管理とかのほうがはるかにマシです。
将来性
今後3PLの倉庫は増えていく見込みとなっておりますが、この人手不足や、大規模なマテハンによる人員軽減等をしないと中で働いている人たちが疲弊していくかと思います。
まとめ
カインズの商品をやってみたいとか、物流経験を積みたいという方なら文句なく経験値はたまります。将来性はあるかと思いますが、現在の仕組みだと当面は人に負担がかかる形が多いと私は考えます。