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海上コンテナ業界の裏側 - 配車業務から見た国際物流の実態

はじめに

この業界に入ったきっかけは、職安からの紹介でした。配車業務としては、普通の運送会社とは全然違う感じで、40台近くあるトラックのコントロールをする業務でした。

配車業務の実態

基本的な業務の流れ

主業務はドライバーとのやり取りで、終日追われます。

簡単にですが、通常の流れのドライバーとのやり取りを少し例を出して書いてみます。 ①今、トラックに乗りました。(ドライバー) ②どこどこのポート向かって、コンテナをつんでください(配車) ③向かいます。(ドライバー) ④コンテナ積みました。(ドライバー) ⑤どこどこに向かってください(配車) ⑥どこどこ着きました。今から荷下ろしです。(ドライバー) ⑦了解、終了したら連絡ください(配車) ⑧終了しました。(ドライバー) ⑨コンテナを返しにどこどこのポート向かってください(配車) ⑩了解(ドライバー) ⑪コンテナ返し終わりました。(ドライバー) 以下②に戻って繰り返し

コミュニケーションの重要性

これを40台近くの車とやり取りをするので、どのドライバーがどの段階にいて、どこに行っているのかを把握しながらやらないといけないので、相当聞いて覚えておく力が必要でした。同時に3,4人とやり取りすることもあるのと、17時頃から終了の連絡が一気に来るので、無線が混線して、やり取りを覚えておくのがかなりしんどかったです。

これは会社の規模にもよるのですが、会社の規模が大きければ、20人ぐらいを担当するとかあるようですが、私の会社の場合は一人で相手をしないといけない感じでしたので、頭がパンクする毎日でした。やってて思ったのは、聖徳太子は10人の話を一度に聞けると聞いたことがありますが、これに近い事をやらないといけないので至難の業だなと実感しました。

ポート作業の特徴

また、ポートの時間も決まっていて、終日混み合います。一回のコンテナのやり取りで1時間はザラで、長ければ3時間ぐらいポートから出てこれない事もありました。今日の荷物の量を加味しながら、コンテナをポートから引っ張り出してきて、荷主に届けて、空のコンテナを返す所までを極力やりきらないといけないので、ポートの混み具合などはライブカメラで監視しながら業務しておりました。

荷主対応

無線の業務の他には、荷主とのやり取りのフォローもありました。トラックをコントロールしてるので、時間に遅れそうな時に連絡をしたり、荷主からイレギュラーな依頼がある場合は、それに対応する感じでした。

労働環境

勤務時間

労働時間は朝の5時半から夜は6時から7時の間ぐらいに終わります。これも会社の規模が大きければ、もう少し緩和してもらえますが、小さい会社だと一人にかかる負担は大きかったです。

休日

休みは日祝で、土曜日はポートが昼までやってるので、昼まで出勤でした。基本的にポートに引っ張られて休みが決まる感じで休みとしては多くは無いです。

給与

給料も労働時間の割には合わない感じで、そこまで高くは無いです。ただ、小さい会社だったため、昇格は早かったですが、世間と比べれば、この役職でこの給料か~という金額でした。

やりがいと課題

やりがい

やりがいは、綺麗にトラックを回すと快感で、仕事の面白みがあります。パズルゲームやシミュレーションゲームが好きな人には共通するところもあるので、向いてるかもしれません。

課題

ただ、ほとんどの場合何かしらのトラブルが発生して、ポートの時間を気にしながら、一日にきちんと回しきれるかをヒヤヒヤしながら過ごす方が圧倒的に多いです。

業界の将来性

業界自体が古く、聞いていると運賃の値上げもなく30年前と同じ値段で今もやっていると聞きましたので、それが事実だとすると給料のベースが低いのは仕方ない事なのかもしれません。

あと業務としてはもう少しAIが発達し、普及するようになれば、配車という業務をAIに任せる日は来るのではないかなと感じました。やることやゴールは決まっているので、それをAIがやるほうがうまく行く可能性が高いと感じました。

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