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建設足場業界の裏側 - 現場管理から見た建設業界の実態

はじめに

この業界に転職したのはエージェントを使っての入社でした。現場の管理者候補として採用され、見てきました。入社したのは中小企業の建築足場を貸出する会社でした。

業界の独特な世界

足場は非常に独特な世界で、呼び名も色々と呼ばれ一つ一つの名前を覚えるのに苦労しました。シート・ネットからアンチ・インチ・腕・朝顔等変わった名前もありました。よくよく考えると言う事で後でわかったことですが、レンタルで貸し出しており、一日いくら?で売上を計上しておりました。一回の工事で終わってしまう足場なので、そりゃ買わないですよね。

私が働いていた足場の会社は高単価な会社だと言うことを聞いた事があります。確かに人数をかけて管理はしておりました。

業務の流れ

基本的には営業部隊が営業をしてきて、各現場の足場の施工を受注してきて、受注した現場に足場を納めていく。本社には地図・図面から必要な足場の数を計算し、どれぐらいの足場が必要かを算出する部門もあり、そこから工期に応じてレンタルの日数も決まっており、大まかな予算はそれで把握できるという所でした。

小さな現場からイオン系の建物の足場まで大きな現場もあり、大きな現場だと10T車で何往復もかけて納品に行く感じでした。

現場管理の実態

日々、出荷のオーダーが現場の営業から投げられてきて、それに沿って出荷していく、また、戻ってきた足場部材もメンテナンスを行い格納していく感じでした。

そこにはデジタルとか凄い機器とかを使って管理しているのではなく、人力で一つ一つ異常がないか確認していく、補修修繕も手作業で行っていくので、私自身、今どきこれかと非常にカルチャーショックを受けた部分にもなります。

在庫管理もかなり杜撰で、どれだけ数があるのかが全てをきちっと把握できてなかったです。発注が来たときに数が多いと毎回足りるか足りないか心配しないといけませんでした。

安全管理の課題

足場部材の安全には気をつけておりましたが、現場は危険箇所が一杯で、地震が来たらひとたまりもありません。安全衛生という面ではかなり酷かったです。足場が2階屋根高ぐらいまで積み上げられている、地面も掘れていてリフト走行も荷物を抱えていたらかなり荷物が揺れて危ない等、安全にはうるさくなっていた私だったので、そこはかなり嫌でした。

社長がなんとも思ってなくて、安全に気をつけろよというくせにこういった観点での安全は視点がなかったのか一切何も言いませんでした。

労働環境

給与体系ですが、基本的にはそこまで高くありません。管理職候補でしたが、世間から見ると管理職でこれか?という所で中小企業だと思います。

勤務時間は8時出勤で、一般の人はほぼ定時で上がれてました。管理職はセンターの締めを行わないと駄目なのでトラックの戻り時間によっては少し帰りが遅くなる程度でした。休日は少なく、日曜日と二週に一回土曜日という形で、祝日も出勤でした。

業界の課題と将来性

課題はやはりまだアナログなやり方をやっている感じで、効率化を目指すにはもう少しお金をかけて、抜本的な改善が必要かと思います。

将来性は、安全に対してはなくならないかと思いますが、将来建築の方法が時代とともに変化していくので、そこにどう対応していくかによって生き残れるかが決まってくるかと思います。それなりに営業もいる会社でしたので、今までの付き合い等から当面は仕事がなくならないかと思います。

転職先としての評価

転職先としておすすめはできません。本当に足場が大好きという方には良いのかもしれませんが、特に目立った優位性がある業界ではなく、給料も安かったので、こういう業界に行くなら他の業界にいかれたほうが良いかと思います。

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