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2032年、小惑星衝突の可能性2.2%! 科学者と考える「地球防衛の最前線」
登場人物
はかせ:天体衝突の専門家。冷静でデータ重視。
ちーがくん:宇宙に興味津々の高校生。素朴な疑問を投げかける。
ちーがくん
「はかせ! ニュースで『2032年に小惑星が地球に衝突する確率2.2%』って見たんですけど……本当ですか!? どうなるんですか!?」
はかせ
「おっと、落ち着くのじゃ。まずは事実を整理しよう。
この小惑星『2024 YR4』は昨年末に発見され、直径40~90メートル。2032年12月22日に最接近する。衝突確率は1月の1.2%から2.2%に上昇したが、逆に言えば97.8%は衝突しない。しかも、今後の観測で確率はさらに下がる可能性が高いのじゃ」。
ちーがくん
「でも2%って……無視できない数字ですよね? もし衝突したら?」
はかせ
「良い質問じゃ。仮に衝突すれば、広島型原爆の500倍以上のエネルギーが放出され、衝突地点から50km圏内は壊滅的被害を受ける。津波や粉塵による気候変動も懸念される。ただし、影響は局所的で、恐竜絶滅級の全球的災害にはならない」。
ちーがくん
「被害が想定される地域は?」
はかせ
「太平洋東部、南米北部、アフリカ中部、インド周辺など帯状のエリアじゃ。幸い、日本は現時点で外れている」。
ちーがくん
「でも、どうして確率が変動するんですか?」
はかせ
「軌道計算は観測データが増えるほど精度が上がる。例えば、過去の小惑星『アポフィス』も一時は衝突確率2.7%とされたが、最終的に『安全』と判明した。同様に、2024 YR4も2028年の再接近で詳細なデータが得られれば、リスクは再評価されるのじゃ」。
ちーがくん
「人類は何か対策を?」
はかせ
「NASAは2022年、小惑星に探査機を衝突させ軌道を変える実験『DART』に成功した。JAXAも国連と連携し、監視体制を強化中じゃ。万が一衝突が確定すれば、探査機での軌道変更や住民避難が検討される」。
ちーがくん
「過去の事例は?」
はかせ
「1908年の『ツングースカ大爆発』では直径30mの天体がシベリアの森を壊滅させた。2013年のチェリャビンスク隕石は衝撃波で1500人が負傷。今回の小惑星はそれらより大きく、対策の重要性を物語る」。
ちーがくん
「結局、私たちはどうすれば?」
はかせ
「過度な心配は不要じゃ。科学者たちが24時間監視し、必要なら回避策を講じる。我々にできるのは、正確な情報を追い、宇宙の脅威への備えを理解することじゃよ」。
まとめ
衝突確率は「2.2%」だが、観測の進展で低下する見込み。
被害は局所的だが、NASAやJAXAが対策を研究中。
過去の事例から学び、冷静な対応が不可欠。
はかせの一言
「宇宙は未知の脅威も秘めるが、人類の知恵と技術は進化し続けている。この小惑星は、地球防衛の重要性を再認識する機会なのじゃよ」