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50代の英語挑戦3 50過ぎで英語学習を再開した理由
1.英語から遠ざかる日々
単身赴任から自宅戻り、海外部門から異動して国内販売事業での勤務が始まった私は、英語とすっかり疎遠な生活を送るようになっていました。
海外部門に勤務していた時は、海外の取引先と英語でやり取りする機会があり、仕事のために日常的に英語を使っていましたが、国内販売部門では、英語を使う必要性は減り、日々の業務や生活の中で英語が自然と遠ざかっていきました。
時折、英文を読むことはあったものの、英語を話したり書いたりする機会はほとんどありません。
それでも心のどこかで「英語を活かしたい」という気持ちは残っており、何かをきっかけに再び英語熱が復活するのではないかという予感は不思議とありました。
2.建設現場は高齢者と外国人
そんな英語から遠ざかる日々を過ごしていたある日、仕事の関係で久しぶりに建設現場を訪れることになりました。
私の勤務する会社は建設資材を製造しており、若い頃は毎日のように建設現場を駆け回っていたものです。当時は大工さんや職人の方々から建築の知識や技術を学び、多くのことを学ばせていただきました。しかし、年齢を重ねるにつれて現場に行く機会は減り、オフィスでの仕事が中心となっていました。
久々の現場訪問には懐かしさとともに、どこか新鮮さを感じていました。
現場に足を踏み入れると、目に飛び込んできた光景に驚かされました。
それは、外国人の職人が大勢働いている姿でした。かつて私が頻繁に通っていた頃、現場で働く職人といえばほとんどが日本人で、外国人を見かけることはごく稀でした。
しかし、今や状況は一変しており、現場の中心は外国人の職人たちが担っています。一方で、日本人の職人は少なく、残っているのは高齢の方ばかりでした。
この光景は少なからず衝撃を覚えると同時に、少子高齢化が進む日本社会の縮図のように感じられました。
3.英語を使ってできること
私はその日、現場の管理者に話を聞いてみました。彼によると、現場作業に携わる日本人は年々減少し、若い世代の参入も少ないとのこと。
その一方で、技能実習生や特定技能の在留資格で来日した外国人が増え、彼らが現場を支えているというのです。
最初はコミュニケーションロスで、トラブルも多かったが、今では技能や働きぶりに関しても高い評価を受けており、現場になくてはならない存在になっているとのことでした。
この話を聞きながら、私は自分の中で何かが目覚めるような感覚を覚えました。
日本の社会や労働市場は、もはや外国人の力を借りずには成り立たない段階に入っているのではないか――そんな思いが強く湧き上がってきたのです。
同時に、これまで英語を活かしたいと思いながらも行動に移せていなかった自分を振り返り、これからの人生を改めて考えたいという気持ちになりました。
4.在留外国人のためにできること
外国人労働者の方々が日本で生活し、働く上での課題は少なくありません。
言葉や文化の違い、生活環境への適応、そして職場でのコミュニケーションなど、多くの壁があります。
それらを少しでもサポートできる存在になりたいと思うようになりました。具体的には、英語を使って彼らの悩みを聞いたり、生活や仕事に必要な情報を提供したりする役割を果たしたいと考えています。
私自身、海外部門時代に海外のお客様やローカルスタッフとの間に言語や文化の違いに苦労したことがあります。
その経験があるからこそ、在留外国人の人々に寄り添い、助けになれるのではないかと感じるのです。
もちろん、現時点ではまだ何も具体的な行動には移せていません。しかし、英語力を磨き直し、資格取得やボランティア活動を通じて一歩一歩前進したいと考えています。現場での気づきが、私にとって新たな目標を与えてくれました。この体験を無駄にせず、これからの人生をより充実したものにしていきたいと思っています。
英語と再び向き合うことで、広がる世界は必ずあります。
言葉を通じて人とつながり、支え合う未来を目指しながら、これからの道を模索していきたいと思います。