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マラー・べブース
エロイカより愛をこめてファンサークルの山吹屋です。
エロイカを読み始めて四半世紀などとうに過ぎ、今や半世紀を目指すファンサークルを目指しております。
このたびWebオンリーイベントに参加をさせていただくにあたり、
現在頒布していますファンブックを目録として記載しようと思い立ちました。
こちら以前にも数冊発行していますが、それはいずれまた記憶もかねてアップしたいです。
タイトルのマラー・べブースはエロイカ全編の中でも特に好きな言葉です。
異国情緒とともに、ハールーン君のしっとりとした黒髪に伯爵の巻き毛も艶やかで、美しい。
以下、本の画像と紹介。新しい順に並べていまして、最後に山吹屋が主催させて頂きました「鉄のクラウス報告書」の紹介になります。
通販はbooth安心パックになります。
山吹屋通販ページ https://yamabukiya.booth.pm/
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☆2024年夏コミ104発行
「Revival+レポート」 山吹屋個人誌 本文22項 300円
舞台エロイカより愛をこめて 観劇レポート
昨年の舞台エロイカDVD レポート
2023年夏コミ102にて頒布
「劇的な春より愛をこめて」と同じ世界観の小説3話収録
・カシオミニは叩けない
・き〇をしないと出れない部屋
・Good Times Bad Times
表紙 こちらでは背景が白ですがスカーレット色の紙に印刷します。
本文冒頭より
「部下A、ライターだ。ライターを持ってこい」
「はっ」
またしてもか。またしても舞台なのか。
また舞台の上で歌って踊るのか。
前回は仕方がなく出たが、戦車隊の歌をドイツ語で歌ったとか、開幕時のナレーターを俺がやったとか、ホールに響き渡る声で「ばかもーん」と怒鳴ったりしたとか、まぁ部分的には楽しめた。
だが腹立たしいことはさらにあった。
大体において伯爵だ。普段より一層ぴらぴらしたブラウスなんぞ着やがって。念入りにセットしたに違いない金髪巻き毛に、赤光りしたジャケット。それも何度も衣装をチェンジした。俺は軍服とスーツ一着だけではなかったか。
あのドケチ虫ですら、パリッと見えないことも無いスーツを着てソロで歌った。
あれをまたやるのか。
俺は忙しいんだ。舞台にかまけている間にミーシャにフランス情報局のQ、あまつさえロレンスに先を越されたらどうしてくれる。
そういえば会場にロレンスの上司Lから花が届いたな。うちの部長なんか何も無かったが。
俺はまたしても舞台へと持ち出される絵を眺める。
「あんた、面白がっているのかね」
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☆2023年夏コミ102発行
「劇的な春より愛をこめて」28頁表紙含む 300円
フロイライン製鉄所様との合同誌!
イラスト・漫画・小説
吉祥寺のギャラリーで開催された原画展と、今年の5月に渋谷で上演された舞台エロイカのレーポートにイラスト。
エロイカの面々が舞台に出演したらどんな反応かなという話などなど。
表紙はフロイライン製鉄所様です。
山吹屋担当 小説部分冒頭より
【紫を着る男】
久しぶりにこの絵をじっくりと見る。
だからさっさと売ってしまえばよかったのだ。
ロンドンまで持って行ったのに、確か親父からの電話だったか、執事の裏切りであったか。
どちらにしても我が屋敷に飾られているこの絵がまたもや災いを引き寄せた。
「部下A、ライターを持ってこい」
「はっ、」
俺にはこの絵のどこがいいのか全く分からんが、どうにももう一度表舞台に出したいやつらがいるようだ。
「少佐、ライターです。それとですが、ボーナムさんから連絡がありました。伯爵が久しぶりにランボルギーニを用意したそうです」
「ふんっ、よくあのどケチ虫の計理士が許したな」
ランボルギーニがなんだ。軽薄なやつしか乗らない車だ。
「少佐、どうしましたか」
「何でもない」
絵を見る。
すかした顔をしやがって
おれたちを 面白がっているのかね
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☆2022年夏コミ100発行
「45周年アニバーサリー 妄想エクスプレス」頒布価格300円
平木様と山吹屋の合同本。44項表紙含む
平木様 4コマ漫画など沢山!
山吹屋 過去に書いたSSと書き下ろし2話を収録。
アイアンダスト計画☆の小さな続きもあります。
・せ〇〇〇をしないと出れない部屋
・チョコレートより愛をこめて
・アイアンダスト計画☆続き ブレスマイソウル などなど
山吹屋担当 小説冒頭部分
「おはようございます」
僕は守衛に挨拶をし階段を駆け上がり情報部へと急ぐ。だが途中の階で職員に呼び止められた。
「総務部の者だが情報部あての葉書が届いている。持って行ってくれないか」
少々戸惑う。いつもならば手紙類はまとめて部署に届く。曲がりなりにも情報部だ。それ相応の書類も含まれている。
ただ、このご時世に普通郵便で届けられるのはほぼ無いが。
だが情報部への葉書を断る理由にはならない。
「構いませんが」
「ではお願いする」
葉書を受け取った。職員は「少佐にありがとうと伝えてくれ」小声でそう言い、総務部の部屋に入るのではなく階段を下りて行った。
改めて僕は葉書を見る。切手はおろか差出人の名前も住所も書いていない。表にはNATO情報部エーベルバッハ少佐殿とだけ書かれており、裏側には見知らぬ場所の写真にハッピーバースデーの文字だけがあった。
「受け取ってしまった以上は渡さなければならない」
今から記す報告書はエーベルバッハ少佐と期せずして居合わせることとなったグローリア伯爵。もう一人、某国より派遣された美少年との機密情報事項である。
NATO情報部 Z
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☆2018年夏コミ94発行
「アイアンダスト計画☆」
表紙込44ページ A5版 頒布価格300円
フロイライン製鉄所の平木様との初合同誌
平木様が漫画「鉄の国」・表紙
山吹屋が小説「フィジカルグラフティ 月に叢雲花に風」
フランキー様 「フィギュア製作記」
山吹屋担当 小説冒頭部分
『本日よりNATO情報部は鉄のクラウス所属美青年軍団 こちらとする』
某常春の王国。某マリネラ王宮の廊下の片隅に2人の男が立っている。
「19号、アイアンダストが見当たらないって本当に」
「そうなんだ。秋にフランスに国賓として訪問をしに行く。その時に持参するダイヤモンドだ。フランスとのダイヤ流通の目玉にするつもりだ」
「どこかに紛れているのでは」
「城中を全部探した。殿下の寝室までだ」
「この前だけど、ダイヤモンドをロンドンに届けたよね」
「ああ。商談用のだ。でもその中には入ってはいない筈だ。最近、紛失が相次いでいるんだ。小さいダイヤも数が合わなくなっている。玉ねぎの中にスパイか泥棒が交っているんじゃないかって噂もある」
僕は周りをそろり見回す。殿下どころか誰も見当たらないが。
「とにかくもう一度思いつく場所をすべて探してみるよ」
「もし見つからなかったら」
「ダイヤモンドの管理は自分が任されている。このままでは殿下にどんなお叱りを受けるか。事によったら国外追放なんて事になるかもしれない」
「そうしたら僕達はどうなるの」
「もう終わりだよ」
「絶対に嫌だ。僕は来週からロンドンの大使館に行くんだ。MI6で少佐の監視だ。もしかしたらと言う事もある。探してみるよ」
「ロンドンに届いたダイヤはロンドン69銀行の金庫だ。うかつに金庫を開けるなんて言ったら殿下が飛んで行くぞ」
「大丈夫。うまくやる」
しっ、誰かが来たようだ。じゃあ、僕は仕事に戻るから。
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☆2019年夏コミ96発行
鉄のクラウス報告書 エーベルバッハ少佐fan冊子
『Klaus des Eisens Bericht 鉄のクラウス報告書』
執筆総勢17名 表紙込み62ページ 左綴じ本 頒布価格200円
イノシシ年を記念して発行しました少佐fan冊子。
収録少佐アンケートに答えて頂いたり、エロイカへの愛をみっちりと語っております。文字あり、イラストに漫画あり、こだわりの記念本になりました。
小説・漫画のアンソロジーではありません。
★
「少佐! 大変です」
「部下Aどうした!」
「はい。少佐に関する報告書が完成されたとの情報が入りました」
「俺の情報だと」
「はい。少佐のあんな事やこんな事、あまつさえそんな事までがみっちり書かれた報告書です」
「詳しい内容は」
「Zが探りを入れています」
コンコン
「Zです」
「入れ」
「少佐、大変です」
「大変なのは分かっている。それで内容は」
「済みません。内容までは分かりません。ですが、8月10日にある某イベントにて報告書がばら撒かれるとの事です。報告書の作成者は17名。少佐に部下にエロイカの件などを綿密に調査し報告していると」
「そのイベントとは、どういうのだ」
「日本のかなりの大型イベントだとの情報です」
ううむ。俺の綿密な報告書を大型イベントでばら撒くだと。
「少佐、唸ってどうなされましたか」
これが唸らずにおれようか。そんな事、あんな事、あまつさえこんな事とは何だ。
「部下A、部下Z、その17名は分かっているのだろうな」
「コードネームまでは調べがついています」
「よし! 大型イベントに乗り込むんだ! 部下AからZまで全員だ! 俺の綿密な情報が外に流れでもしてみろ、エロイカ始まって以来の大事件になるぞ!」
「はっ、今すぐに飛びます」
「草の根分けてでも17名を探し出して捕らえるんだ。報告書を取り上げろ。1冊たりとも外に流すんじゃない。分かったな!」
はっ!!
「部下A,俺を置いて行く気か」
「少佐もご一緒にですか」
「当たり前だ!俺が直々に17名をひっとらえて、報告書はすべて回収してやる。俺達よりも先に手にした奴がいたら奪い取れ!」
ところ変わり伯爵邸
「ボーナム君、大変だよ」
「どうしました。バクチアル親子からまた有益な情報でも」
「そうなんだ。8月10日に日本の某イベントで少佐の報告書が出るらしい。少佐のあんな事やこんな事、あまつさえそんな事まで書かれているそうだよ」
「という事は」
「すぐに日本行の手配をしてくれ。少佐の報告書を手に入れるんだ」
エーベルバッハ少佐報告書を頒布します。
報告書を手にされた方は前後左右と金髪巻き毛にお気を付けください。