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「ローグライクハーフ」D33シナリオ『お菓子の魔女と森』
「ローグライクハーフ」D33シナリオ『お菓子の魔女と森』
作:成田砂男・宮田みゃーた
1:「ローグライクハーフ」
これは「ローグライクハーフ」のd63シナリオです。少し経験を積んだレベルの主人公1人と従者、または主人公2人での冒険に適しています。もしもこの冒険を作りたて(10経験レベル)の主人公で行う場合、そのキャラクターには準備金として金貨20枚が(初期金貨に加えて)渡されます(そうでない主人公の場合にはありません)。
・ジャンル:ファンタジー
・難易度:やや難しい
・形式、:シナリオ(d63)
・世界:共通世界(アランツァ)
・ゲームマスター:不要
・プレイヤー数:1-2人
・プレイ時間:10-20分
・適正レベル:12-15
・対象年齢:10-99歳
2:「ローグライクハーフ」を遊ぶにあたって(ライセンス表記その他)
「ローグライクハーフ」はルールを確認した後に遊ぶゲームです。新ジャンルではありますが、区分するなら「1人用TRPG」にもっとも近いといえます。ルールは下記アドレスで確認することができます(無料)。
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https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_BasicRuleSet.txt
PDF版は下記アドレスで入手可能です(要BOOTH会員登録)。
https://ftbooks.booth.pm/items/4671946
また、紙の書籍でのルールを入手したい場合には、こちらから購入が可能です。紙の書籍には1stシナリオ『黄昏の騎士』が収録されています。
https://ftbooks.booth.pm/items/4671945
3:プロローグ
木こりの男が、大きな森の近くに、おかみさんと二人の子どもとで暮らしていた。二人の子どものうち、男の子がヘンゼル、女の子がグレーテルという。
つましく暮らしていたが、ある年、大飢饉が地方を襲い、それこそ日日のパンが口にはいらないほどになった。
とうとうある晩、おかみさんが「おまえさん、いっそこうしようじゃないか」という。
「あしたの朝、こどもたちをつれだして、森の奥の奥の、深い所まで行くのだよ。そこで二人はそっくり森の中においてくるのさ。
子どもらには帰り道が見つかりっこないから、それでやっかいがぬけようじゃないか。」
木こりは「そんなこたあ、おれにはできねえよ。そんなことしたら、子どもら、すぐと森のけだものがでてきて、ずたずたにひっつぁいてしまうに決まってらあな。それにあの森には魔女がいる」
「やれやれ、おまえさん、いい馬鹿だよ。」と、おかみさんはいった。
「そんなことを言っていたら、わたしたち四人が四人、死んじまうよ。」
こうおかみさんはいって、それからも、のべつまくしたてて、否応なしに、亭主を、うんといわせてしまった。
このおかみさんは、二人の実母ではなく、継母なのだった。
二人の子どもたちも、空腹でよく寝つけまずにいたので継母がおとっつぁんにむかっていっていることを、そっくりきいていた。
「なんてことを言うんだろ」
「わたし、だいじょうぶよ。もりのけだものなんてこわくないわ」
ヘンゼルはうん、とうなずくと、親たちが寝静まるとそっと寝床を抜け出して、自分にはおとっつぁんを手伝うときの手斧、妹には継母の杖をわたし、寝床に隠した。
ヘンゼルは食べ物も探したが、とっくに食べつくしてしまって、食べられるものはどこにもなかった。
「これも持っていこう」
代わりに、ちょうど月が昼のようにあかるく照っていて、うちの前にしいてある白い小砂利が、それこそ銀貨のようにきらきらしているのをヘンゼルは窓からみつけ、外へ出て、その砂利を、うわぎのかくしいっぱい、つまるだけつめた。
「これをちょっとずつ家から落としていけば、いい目印になるさ。森のおくに行ったって帰ってこれる」
そしてとうとう朝が来て、親子は森の奥へ薪とりへ出かけた。
とても普段いかないような奥へ来た後、おかみさんと亭主は二人のこどもを置いて「いったんここで休憩といこうじゃないか。お前たちはここで焚火をしておいで。わたしたちはここから森で木を切ってくる。ここでおとなしく待っておくんだよ」
子どもたちはしばらく待っていたが、勿論両親は戻ってこなかった。
4:ゲームの概要
「ローグライクハーフ」へようこそ。このゲームは1人(または2人)で遊べるTRPGのようであり、ゲームブックのようでもあり、ダンジョンハック系の電源ゲームをアナログゲーム化したようでもあり……。ゲームマスター(GM)はいてもいなくても遊べます。つまり、1人から3人までで遊ぶゲームです。
プレイヤーとしてゲームに参加する場合、あなたは自分の分身である「主人公」を作成します。これは「冒険者」とも呼ばれる、万能ではないが十分に強いキャラクターです。プレイヤーが(つまり主人公が)1人の場合、7人前後の従者とともに冒険を開始します。プレイヤーが2人の場合、従者なしで冒険を行います。
冒険はd66を振り、出目に対応したできごとを確認していくことで成立します。ある地点に到達すると中間イベントや最終イベントが発生して、物語が進行します。
5:ゲームの特徴
「ローグライクハーフ」のシナリオは、短い時間でTRPGを遊んだような満足感を与えてくれます。部屋を探索し、ワナをかいくぐり、敵を蹴散らして、最終的な目的へと臨みます。
しかし、気をつけてください。冒険の一部はランダムで形成されているため、必ずしも成功するとは限りません。判断を誤り、運に見放されたとき、あなたの大切なキャラクターは冷たい墓石の下で、永い眠りにつくことになるでしょう。
6:ゲームに必要なもの
筆記用具と六面体サイコロ1個があれば、すぐにもゲームをはじめられます。「冒険記録紙」をプリントアウトしておくと、手もとで情報を管理できて遊びやすいでしょう。
7:ゲームの準備
「ローグライクハーフ」のd63シナリオである本作『お菓子の魔女と森』をはじめる前に、あなたは主人公(と、必要なら従者)を準備してください。
冒険を進めるためのルールを読むか、いつでも読めるように手もとに置いてからゲームを開始します。
8:ゲームの進行
『お菓子の魔女と森』は「一本道モード」で遊びます。
本文中にこのような太字で書かれた文字がある場合、それは主人公たちが今いる場所の状況について語った文章です。読まなくとも物語の進行に影響はありませんが、読むとよりいっそう気持ちが入ることでしょう。
9:一本道モード
一本道モードでは、あなたは分岐を気にすることなく、d33によってマップを決定していきます。このモードでは、あなたは〈できごと〉を一定回数体験する(マップをめくる)行動の後に、中間イベントにたどり着きます。
1枚目から3枚目のタイルをめくり、マップタイルに付随するできごとを体験した後に、4枚目の中間イベントのタイル(固定)に進みます。その後のできごとはd63により決定します。5枚目から9枚目の体験の後に、最終イベントへと進みます。
・1-3枚目……d33の出目表に対応した〈できごと〉が発生
・4枚目……〈中間イベント〉
・5-9枚目……d63の出目表に対応した〈できごと〉が発生
・10枚目……〈最終イベント〉
一本道モードで遊ぶ場合、【逃走】を行なったさいには、めくったマップタイルは枚数にカウントしません。プレイヤーは改めてマップタイルをめくり、次の〈できごと〉へと進んでください。
再び、【逃走】したはずの〈できごと〉に再び出くわすこともあるでしょう。
『お菓子と魔女の森』では、同じ出目が出た場合には、重複が出なくなるまでひとつ先の項目が登場します。たとえば、あなたが12番と13番の〈できごと〉を体験した後で12番を再び出したときには、21番としてください。63番の次は11番としてください。
10:てがかりについて
この冒険ではてがかりは〈月の光で白く光る石〉として現れます。
このてがかりはマップタイルをめくるさいに消費して使用します。そのさいに振るサイコロの十の位は1に固定されます。
石は小さくて軽いので、装備欄を使用しません。
11:特別な従者について
『お菓子の魔女と森』ではゲーム開始時に、通常の従者と違い、特殊なキャラクターを従者として連れていくことになります。
彼らを雇うのに、従者点が1点必要です。一人を「戦う従者」として選んだ時に、もう一人は「同行者」となり冒険についてきますが、「従者」としては扱いません。
彼らは生命点の代わりに「空腹度」を使用します。「空腹度」が0点になると一時的に戦力外となりますが、死亡することはありません。しかし、空腹度が0になった後の彼らを抱えて冒険することになるため、その後の判定ロールにはすべて-1が付きます。
彼らは空腹度が0になった後にも、できごとの合間にあなたの食料などを使用して、空腹度を回復することができます。
彼らは〈強いクリーチャー〉として扱います。
◇特別な従者:ヘンゼル(技量点1点、空腹度3点)
戦闘に参加する「戦う従者」です。
主武器は片手武器(攻撃特性は【斬撃】)。
◇特別な従者:グレーテル(技量点0点、魔術点2点、空腹度3点)
戦闘に参加する「戦う従者」です。
主武器は軽い武器(近接攻撃の攻撃ロールに-1の修正。攻撃特性は【打撃】)。
【火球】の魔術を使用できる。
12:お菓子の袋について
この冒険ではお菓子の袋を手に入れることがあります。この中にはお菓子が入っていますが、開けるまでは何のお菓子が入っているかわかりません。
お菓子の袋はできごとの合間に任意のタイミングで開けることができます。
その際には主人公が1d6を振って獲得できるお菓子を『18:○宝物表(Treasure Table)とお菓子表』に記載の〈お菓子表〉に従って決定します。
お菓子の袋を開けると即時効果を発動します。効果は重複せず、効果を発揮する前に次の袋を開けた場合、効果は新しいものに上書きされます。また袋をあけずにとっておけば、ワイロとして使用することのできる出会いもあるかもしれません。お菓子は小さくて軽いので、装備品欄を使用しません。
13:冒険とゲームの勝利
このゲームの勝利とは、シナリオにおける使命を達成することです。
この作品は3回の冒険に対応しています。1回の「冒険」は〈最終イベント〉までひととおりの〈できごと〉を体験する(かゲームオーバーになる)ことを指します。
14:地下迷宮と隊列
本作における戦闘には、隊列という概念はありません。主人公と「戦う従者」は、敵を好きなように攻撃できます。
敵側の攻撃は、主人公が2人の場合には均等に攻撃が分けられます。
主人公が1人の場合には、攻撃の半分を主人公が受けてください。残りの半分は従者が受けます。
いずれの場合でも、余った攻撃をどちらが受けるかは、プレイヤーが決めてください。
例:インプ7体が主人公と「戦う従者」である兵士3人を攻撃した。インプの攻撃は合計で7回である。プレイヤーは攻撃のうち3回分を主人公が、残りの4回分を従者が受けることに決める。従者である兵士は【防御ロール】に失敗するたびに1人ずつ死亡する。
15:ゲームの終了(冒険の成功と失敗)
主人公が1人死亡したら、冒険は失敗で終了します。最終イベントを終えた場合にも、ゲームは終了します。そのときに条件を満たしていれば、冒険は成功に終わります。
冒険が成功した場合、主人公はそれぞれ1経験点を獲得します。冒険に失敗した場合には、これを得ることができません。死亡していない主人公は、改めて冒険に出ることができます。
16:冒険の始まり
君たちは依頼を引き受け森の恵みの具合を調査するために、森の奥地へ来ていた。そこへ今にも日が落ちようというときに焚火が燃えている明かりを見つける。
こんな時間に自分たち以外に森で夜を明かそうというひとがいるのか、味方になりそうならば野営を共にし、敵ならば早めにここを離れよう、そう思って近寄ると
「こんなところに子どもがいる」
偏屈な魔法使いの仕業か、妖精の仕業か。
あるいはこんなところにはいないだろうが変身獣か。
君たちは警戒しながらも子どもたちに声をかけた。子どもたちは一通り昨晩の両親の会話を教えてくれた。
「僕たちは平気だよ。家からぺかぺかした石を目印に撒いてきたんだ。こうして武器もある。」
「だけど途中で小石も尽きっちまって、ここからしばらくは小石を探さなきゃならない」
君たちは善良な冒険者だ。子どもを見捨てるのは忍びない。無事に家まで送り届けることにする。
17:出目表(d33)
この冒険における出目表は、十の位のために1d6を、一の位のために1d3を振って〈できごと〉を決定します。
〈できごと〉
出目11: 〈隠れた祠(cake with moss)〉
出目12: 〈野イチゴ(Wild strawberries)〉
出目13: 〈復讐の烏(raven of revenge)〉
出目21: 〈空を飛ぶパイ(pie in the sky)〉
出目22: 〈パイの分け前(the piece of the pie)〉
出目23: 〈居眠りトレント(Dozing Treant)〉
出目31: 〈黒ばらの生垣(Black rose hedge)〉
出目32: 〈食いしん坊の小鳥(little bird that eats cakes too much)〉
出目33: 〈木に餅がなる(the tree bears ricecakes)〉
出目41: 〈フルーツケーキ(fruitcake)〉
出目42: 〈一寸先は闇(No one knows what the future holds)〉
出目43: 〈持っているケーキは食べられない(take cake and eat it too)〉
出目51: 〈見た目は美しい(chocolate box)〉
出目52: 〈甘いものがお好き(sweet tooth)〉
出目53: 〈甘いものに集まる(Ants gather around sweets)〉
出目61: 〈低級死霊(Apprentice Reaper)〉
出目62: 〈タフなクッキー(tough cookie)〉
出目63: 〈お茶の時間にきたくま(The Bear Who Came To Tea)〉
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出目11 〈隠れた祠(cake with moss)〉
苔むした岩をに寄りかかって休憩しようとすると、その岩が祠であることに気づく。崩れかかっていて、何を祀っていたのかはわからない。
敬意を示すなら、苔を払い、祭壇に祈りをささげてもよい。そうするなら、主人公1人が代表した【幸運ロール】を行うこと(目標値:4)。食料またはお菓子1つか、金貨10枚を備えると自動的に成功する。
判定に成功したなら、祠が一瞬光り、【祝福】の効果をもたらす。
判定に失敗したなら、何も起きない。
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(ありがたい)
空耳だろうか?礼が聞こえた気がした。
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出目12 〈野イチゴ(Wild strawberries)〉
野イチゴを見つけた。お菓子でなくてもとても瑞みずしく甘酸っぱくておいしい。生き返るようだ。
任意の1d3人の生命点を1点回復する。
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お兄ちゃん!この野イチゴ、とっても甘いよ!冒険者さんも食べてみて!
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出目13 〈復讐の烏(raven of revenge)〉
暗い森の中に月の光を浴びて薄白く浮かび上がる骨がある。鳥の骨のようだ。まだ新しい。
通り過ぎようとすると骨はピクリと動いた。
『オラを連れて行っておくれ。あの魔女めに復讐してやるのだ』
骨は今にも【アンデッド】に成りかけている。
連れて行くならば装備欄を一つ使用する。〈お菓子の家の魔女〉の生命点を1点減らした状態で戦闘を開始することができる。
【招天】【祝福】の呪文や【聖水】で魂を送ってやることもできる。その時には〈烏の指骨〉を手に入れる。これは一度だけ〈特別な従者〉へのダメージを肩代わりしてくれる。使命を果たしたあと、この骨は光の粒になり消えてなくなる。
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あいつは一族郎党すべて使役している。今も弟妹たちが使役されていると思うと腹が煮えくり返る。
たとえ命がなくなろうとも、自由に飛べないよりましなものだ。
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出目21 〈空を飛ぶパイ(pie in the sky)〉
信じられないかもしれないが、パイが空を飛んでいた。
いや、よくみればパイを抱えて飛んでいる鴨だ。
〈大鴨〉
出現数:1d2 レベル:4 宝物:お菓子の袋
≪反応表≫1 【逃走】2-6【敵対的】
これは【鳥類】に属するクリーチャーである。
〈大鴨〉が1体になったときに、捕まえることができる。
【器用ロール】(目標値:4)を行うこと。
ロープを持っているまたは捕獲に関する特殊技能を持っている場合にはこの判定に自動的に成功する。
捕まえることができたときには【騎獣生物】として扱う。その場合、「戦わない従者(技量点0、生命点1)」として扱われ、同行させるには従者点を1点必要とする。
〈大鴨〉は飛ぶことができ、水を渡ることもできる【踏破力】を持っているため、地形を踏破する場面で【器用ロール】を行う際には騎乗者に+2の修正が得られる(〈大鴨〉にも適用される)。
また、〈大鴨〉は主人公の荷物を二つ持つことができる。
君が必要のないときには、いつでも〈大鴨〉を放すことができる。
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みろ!なにか飛んでいる!
鳥だ!ドラゴンだ!いや、パイだ!
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出目22 〈パイの分け前(the piece of the pie)〉
〈木こり〉
出現数:1d6 レベル:4 宝物:通常
≪反応表≫ 1-2は【歓待】 3-4は【友好的】 5-6は【中立】
明かりのついた小さな狩猟小屋がある。
休憩させてもらえないかと戸を叩くと、男たちが今にも休もうとするところだ。
男たちは木こりで、森の奥深くで仕事をするときは、この小屋で夜を明かしまた朝から仕事に励むらしい。
反応が【歓待】【友好的】だった場合は、1人あたり金貨10枚の報酬を払う事で彼らを従者として雇う事ができる。
この小屋で休憩することができ、全員、生命点と副能力値を1点ずつ回復する。
◆〈木こり〉(技量点0、生命点1 戦う従者)
これは【善の種族】に属するクリーチャーである。
攻撃特性は【斬撃】である。
〈木こり〉は、【植物】のタグを持つクリーチャーとの戦闘において、【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。
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「おいおい、ハンスの子どもたちじゃないか。迷子か?家まで送って行ってやろう。ついでにお母さんにおじさんにパイをくれるように言っておくれよ。お前のお母さんのパイは最高だからな。」
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出目23 〈居眠りトレント(Dozing Treant)〉
トレントの古老がとろとろと居眠りをしている。
出現数:1 レベル:4 宝物:なし
≪反応表≫ 1-3【友好的】 4-6【中立】
反応が【友好的】だった場合には、とても退屈だったらしく話相手をしてくれる。
「光る石?ああ、小鳥たちが騒がしく噂していたやつだねぇ。あのあたりにあるって言っていたよ」
手がかり〈月の光で白く光る石〉を一つ手に入れる。
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出目31 〈黒ばらの生垣(Black rose hedge)〉
香高い美しいバラが咲いた生垣だ。美しいがその身には鋭いとげが生えている。
魔女の薬草園の周囲をぐるりと取り巻いて植えられているようだ。
蔦をうごめかせながら、不埒な薬草盗人を懲らしめようとしている。
各主人公は【幸運ロール】を行うこと(目標値:5)。
成功すればこっそりと薬草園から希少な薬草を手に入れることができる。
たっぷりとノードをため込んだこの薬草をつかうことで、副能力値か生命点のいずれかを1点回復することができる。
鮮度が大切な薬草らしく、すぐにしおれてしまって効力を失うため、持ち帰ることはできない。
失敗すればバラのとげでズタズタにされてしまう。各主人公は生命点を1点失う。
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出目32 〈食いしん坊の小鳥(little bird that eats cakes too much)〉
パンくずが落ちていないかとねらう小鳥たち。
食い意地がはっているがプリンセスの前ではとてもおとなしくなる。
〈たくさんの小鳥〉
出現数:3d3+1 レベル:3 宝物:なし
≪反応表≫ 1-3【ワイロ】(6羽あたり1個の食料またはお菓子) 4-6【敵対的】
これは【鳥類】に属するクリーチャーである。
小さくて飛び回っていて狙いづらいので【攻撃ロール】に-1の修正を受ける。
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出目33 〈木に餅がなる(the tree bears ricecakes)〉
〈お菓子のなる樹〉
レベル:5 生命点:4 攻撃回数:2 宝物:修正+1,お菓子の袋
≪反応表≫ 1-6【常に敵対的】
美味しいお菓子の匂いにつられて足を踏み入れたが、そこには〈絞首樹〉が生えていた。
〈絞首樹〉にはお菓子が実として生っている。
この辺りでは〈絞首樹〉はお菓子の匂いで獲物をおびき寄せるよう独特な進化をしたらしい。
これは【植物】に属するクリーチャーである。
【斬撃】特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合は、ツタを切り裂けるため【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。
〈木こり〉の場合この効果は重複しない。
【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。さらに〈絞首樹〉に与える生命点のダメージは、通常よりも1点高い。
〈お菓子のなる樹〉に遭遇したさい、主人公1人が【器用ロール】を行うこと(目標値はクリーチャーのレベル+1)。
攻判定に成功した場合は「不意打ち」を避けることができるので、通常のように第0ラウンドから戦闘を開始してよい。
判定に失敗した場合は「不意打ち」を受けてしまうので、戦闘は第1ラウンドからはじまり、クリーチャーから先に攻撃する。
このときに限り、クリーチャーは「特別な従者」を優先的に狙ってくる(誰が攻撃を受けるのかは、自由に選択してよい)。
〈お菓子のなる樹〉から負傷を受けた場合、対象のキャラクターは、長いツタが絡みついたことで身動きがとれなくなる。
その場合、対象のキャラクターは、戦闘が終わるまで何も行動できない。さらに、各ラウンドが終わるたびに生命点に 1点のダメージを受けてしまう。
ただし、これらのペナルティと引き換えに(絞首樹〉の攻撃数も1回分だけ減る。
樹の下にはいくつもの冒険者の骨が散らばっていて、その遺品と思われるものも転がっている。
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『うわああ?!』子どもたちがツタに絡め取られてしまった。『ごめんなさい。美味しそうなおかしが生ってて…』これが「絵に描いた餅」というやつか。
冒険者の骸を眺めて呟いた。
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出目41 〈フルーツケーキ(fruitcake)〉
「そうです!」
背後から急に大きな声がした。熟練の冒険者たちも全くその気配に気が付かなかったが、狐じみた耳と鼻のコビットが大降りに手を振り回しながらわめきたてている。
「これはとってもとっても酸っぱい葡萄なのです!しかぁし私はこれでもって作ったサイコォォォォのフルーツケーキを食べるのです」
キツネコビットは高いところにあるブドウの実を採りたいらしく、ぴょんぴょん飛び跳ねているが、実ははるか高所だ。
「このブドウで作ったケーキはサイコォォォォに酸っぱくってサイコォォォォだと思いませんか!こんなにも高いところにあるのですから!」
〈キツネコビット〉
出現数:1 レベル:6 宝物:通常-1
≪反応表≫ 1-2【こちらに気が付かない(中立と同様)】3-6【友好的】
これは【善の種族】【人間型】【動物】に属するクリーチャーである。
このコビットに協力するなら【筋力ロール】を行うこと(目標値:5)。
成功すれば、主人公の脚力でもってブドウを手に入れ、渡すことが出来る。
お礼にコビットは〈狂戦士の粉〉を一つ分けてくれる。
■〈狂戦士の粉〉:金貨15枚
戦闘の各ラウンドでの最初の【攻撃ロール】において成功した場合、それをクリティカルとして扱うことができる。
ただし、接近戦における攻撃にかぎる。
戦闘が終了した後、使用者は生命点を1点減らさなければならない。
≪依存効果≫
「反応表」を確認して戦闘にならなかったとき、もう一度「反応表」を振る。
【ワイロ】を支払った後に【ワイロ】が出た場合、2回払う必要はない(【友好的】として扱う)。
〈狂戦士の粉〉は軽いので装備欄を使用しない。
失敗すれば、怒り狂った〈キツネコビット〉と戦闘になる。
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「あんまぁぁぁぁぁぁいっ!!」
ブドウを人房受けとったキツネコビットはむさぼるように食べている。
あれではフルーツケーキにする分は残らないだろう。
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出目42 〈一寸先は闇(No one knows what the future holds)〉
危ない!切り立った崖の縁にでた。一つ足を踏み外せば暗い谷底真っ逆さま。
子どもたちの家へ向かうにはこの崖を降らなくてはならない。
木にロープをかけて降ることにする。ロープは使用後失われる(装備品欄から消すこと)。
ロープを持っていない場合、子どもを一人ずつ抱えて飛び降りることになるので、主人公一人と〈特別な従者〉以外の任意の人物で【生命ロール】(目標値∶5)を行う。失敗した時には生命点に1点のダメージを負う。
空を飛べたり、【踏破力】のある【騎獣生物】を連れている場合は、自動的に成功する。ロープも使用しないため失われない。
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出目43 〈持っているケーキは食べられない(take cake and eat it too)〉
一度もお菓子を所持していない場合、ここではなにも起こらない。
一度でもお菓子を所持していたことがある場合、甘いもの好きの妖精が近寄ってくる。
〈小さな妖精〉
出現数:1d6 レベル:2 宝物:なし
≪反応表≫1-6 【ワイロ】※後述
このクリーチャーは【人間型】に属する。
お菓子を一つ渡すと喜んでお礼に次の効果を授けてくれる。
・次に行う【幸運ロール】に修正+1を与える
渡さなければ、妖精は怒って【呪い】をかける。
以後、この冒険が終わるまで君が出会う〈強いクリーチャー〉の反応は、すべて【死ぬまで戦う】になる。
この【呪い】は【祝福】の奇跡など呪いを解除する効果で回復する。
どちらにしても、妖精の去った後には〈月の光で白く光る石〉が一つ落ちている。手がかりを一つ増やす。
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「甘い匂いがする」「甘い匂いがするね」「おいしそうだね」「おいしそうだな」「いいなあ」「ほしいなあ」「たべたいなあ」
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出目51 〈見た目は美しい(chocolate box)〉
〈月夜茸〉
月の光のように美しく発光するキノコがある。
〈特別な従者〉で【魔術ロール】を行う(目標値:4)。
成功した場合には、キノコの知識があるのでこれが毒キノコであることに気が付くため、すぐにその場を離れる。
失敗した場合には、子どもは好奇心で思わず近寄って踏んで毒を含む胞子を舞い上げてしまう!主人公と〈特別な従者〉は生命点に2点のダメージを受ける。
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細く長く伸びるキノコは傘を風に揺らめかせている。淡く光る傘はまるで繊細なレースのようだ。
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出目52 〈甘いものがお好き(sweet tooth)〉
転々と落ちているお菓子を追いかけて、従者がふらりといなくなってしまう。
特別な従者以外の任意の従者1d3人は【対魔法ロール】(目標値:3)を行う。
失敗すればその従者は誘惑に負けていなくなってしまうが、冒険が終われば帰ってくる。
君はもう一度その従者を雇ってもよい。信用するかどうかは君次第だ。
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いやあ甘いものには目がなくて・・・
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出目53 〈甘いものに集まる(Ants gather around sweets)〉
〈アリ人〉
出現数:1d6+3 レベル:4 宝物:通常,お菓子の袋
≪反応表≫1-2【中立】 3-4【ワイロ】(2体につき食料1個またはお菓子1個)5-6【敵対的】
これは【少数種族】【人間型】に属するクリーチャーである。槍を持っており【斬撃】の攻撃特性を持つ。戦闘が起きた場合、第0ラウンドにおいて〈アリ人〉の半分(端数切り捨て)は、ギ酸の唾を飛ばしてくる。
これは飛び道具による攻撃として扱われ、各キャラクターは【防御ロール】を行わなければならない(目標值:4)。
判定に失敗したなら、唾が目に入ったことで視界がかすむ。対象のキャラクターは、戦闘が終わるまでの間は【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。
ギ酸の唾は持ち前の武器であるため、唾を飛ばした〈アリ人〉は、 第1ラウンドから槍で攻撃を仕掛けてくる。
お菓子の袋を一つでも所持している場合、甘い匂いにつられて〈アリ人〉はどんどん集まってくる。
4ラウンド目に1d3+2体の増援があり、新しく集まった〈アリ人〉の半分(端数切り捨て)は、ギ酸の唾を飛ばしてくる。
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出目61 〈低級死霊(Apprentice Reaper)〉
〈低級死霊〉
出現数:1d3+1 レベル:5 宝物:月の光で白く光る石
≪反応表≫ 1【友好的】 2-3【ワイロ】(1体につき生命点1点、またはお菓子1個) 4-6【死ぬまで戦う】
このクリーチャーは戦闘時、常に【死ぬまで戦う】。
これは【アンデッド】に属するクリーチャーである。
このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。
〈低級死霊〉は大鎌とローブを身につけた、子どものように見えるクリーチャーである。
〈低級死霊〉との戦闘が発生した場合、クリーチャーは第0ラウンドに恐ろしい叫びをあげるため、各キャラクターは、
【幸運ロール】を行うこと(目標値:3)。従者は同じ職業ごとで1回の判定を行う。
この判定に失敗したキャラクターは【恐慌】の状態となり、【祝福】の魔法をかけてもらうまでの間、【防御ロール】に -1の修正を受けてしまう。従者が失敗した場合、同じ職業の従者すべてがこの【恐慌】にかかる。【祝福】の魔法は従者すべてにかかったこの【祝い】を解除する。
すでに対象のキャラクターが呪われていた場合、このペナルティによる効果は重複しない代わりに、生命点に1点のダメージを受ける。
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闇の中から白い靄が浮き上がってきた。この世に未練を残したまま死ぬと、死後、《低級死靈》 になると言われている。魔女に食べらてしまった子どもたちなのだろうか。幼いながらに未練の感情を覚えていても長い年月の中で記憶が擦り切れ、恨みをぶつけるべき相手が分からないのだ。
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出目62 〈タフなクッキー(tough cookie)〉
〈レープクーヘンゴーレム〉
レベル:5 生命点:6 攻撃数:2 宝物:通常,お菓子の袋1つ
≪反応表≫ 1-2は【割れてしまっている】(※逃走と同様) 3-6は【敵対的】
とても硬いクッキーでできたゴーレム。とてもスパイスの効いたいい匂いがする。
これは【ゴーレム】に属するクリーチャーである。
【打撃】の攻撃特性を持つ。
このクリーチャーは生命点が半分を切ると、割れてしまい動けなくなる。
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そうなんですよ。この周りじゃジンジャーブレッドマンのことをレープクーヘンっていうんです。冬によく食べますよ。
え、冒険者さんはマシュマロでつくったゴーレムがを見たことがある?さすがに信じられませんよ。
そいつを三人の戦士が退治する有名な勲詩があるんですか?へぇ、面白そうですね
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出目63 〈お茶の時間にきたくま(The Bear Who Came To Tea)〉
〈熊〉
レベル:5 生命点:6 攻撃数:2 宝物:お菓子の袋1つ
≪反応表≫ 1-2【こちらに気づかない】(※逃走と同様)3-4【ワイロ】(1d2個のお菓子)5-6【死ぬまで戦う】
お菓子の袋を2つ以上所持している場合、反応表が1-3【ワイロ】(1d2個のお菓子)4-6【死ぬまで戦う】に変化する。
これは【動物】に属するクリーチャーである。
【打撃】の攻撃特性を持つ。
お菓子の味を覚えてしまった熊。珈琲と小さな女の子とお菓子が好物。
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むかしマーシャという女の子が森に住んでいた。その女の子がこの熊にお菓子と珈琲をふるまったところ、味を占めてしまった。その後その女の子の行方はしれない。
18:○宝物表(Treasure Table)とお菓子表
【宝物表】
出目【1以下】 金貨1枚
出目【2】 小判(金貨3枚の価値)
出目【3】 大判(金貨7枚の価値)
出目【4】 1個の飾りもの(1d6×1d6枚の金貨と同等の価値)
出目【5】 1個の宝石・小(1d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨15枚の価値)
出目【6】 1個の宝石・大(2d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨30枚の価値)
出目【7以上】 【魔法の宝物表】でダイスロールを行う。
【魔法の宝物表】
出目【1 】 『魔女の背負籠』
出目【2 】 『身代わりのジンジャークッキー』
出目【3 】 『キャンディリング』
【お菓子表】
出目【1 】 『固焼きパン』
出目【2 】 『杖型薄荷飴』
出目【3 】 『ゲームパイ』
出目【4 】 『チョコレート』
出目【5 】 『キャラメル』
出目【6 】 『山吹色のお菓子』
19:●魔法の宝物表(Magic Treasure Table) ≪1d3で決定≫
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●【1】 『魔女の背負籠』
自分の従者に持たせることが出来る。2シナリオの間だけ、どんな従者でも荷物を2つまで持つことを可能にする。
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●【2】 『身代わりのジンジャークッキー』
1度だけ自分に受けたダメージまたは、従者が受けたダメージを無効化してくれる。
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●【3】 『キャンディリング』
3回だけ呪いを浄化できる。
20:🍩お菓子表 ≪1d6で決定≫
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【お菓子表】
●【1】 『固焼きパン』
次の戦闘の最初のラウンドに行う【防御ロール】すべてに修正-2
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●【2】 『杖型薄荷飴』
現在の従者点を1減らす。それにより雇用できなくなった場合は、特別な従者以外の従者を故郷へ帰してください。
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●【3】 『ゲームパイ』
次回の反応表に+2の修正
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●【4】 『チョコレート』
次の戦闘の各主人公の【攻撃ロール】に修正+1
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●【5】 『キャラメル』
生命点を1点回復(特別な従者にも使用できる)
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●【6】 『山吹色のお菓子』
金貨15枚
21:中間イベント
ケー!!!!という怪しい鳴き声が響き渡り、木々が風に揺れる。
頭上から真っ黒な怪鳥が現れて殿を歩いていた〈同行者〉を連れ去っていった。
あまりの急な事態に主人公は一瞬呆けてしまうが、兄弟を呼ぶ声に我に返り、追いかける。
気を付けながら暗い森の中を追っていくと、ぽかりと空いた空間に建っている家を見つける。
お菓子でできた家だ!壁は硬いジンジャーブレッド、窓は透明な飴でできている。屋根は甘いパンだろうか?
黒い怪鳥はその家の中に窓から入っていった。怪鳥はみるみる内に縮んで烏になると、年老いた魔女の腕に止まった。
「お前はいつも仕事が遅いんだよ。一人しか連れてこれなかったのかい?うまそうな子どもたちだったのにねぇ。今日の晩飯は子どもと烏のシチューだね」
魔女は気を失った〈同行者〉を牢屋に閉じ込めたようだ。
主人公が慎重に草陰で見ていると、しばらくして魔女は家の外へ出かけた。
鎌と背負籠をもって呪いに使う材料でも森に取りに行ったようだ。
使い魔の烏は屋根の上で見張っているが、どうにも力は入っていない。
主人公はこっそりとお菓子の家に侵入することにする。
魔女が帰ってくるまでに、助け出さなくてはならない!
この中間イベントでは、君たちは10回分しか行動できない。行動を何回したか、記録しながら冒険すること。
任意の一人は【幸運ロール】を行う(目標値:5)。行動を1回分消費する。
成功すると見張りに気づかれずに家の中に入ることができる。
失敗すると使い魔が気づき、魔女に伝えにいってしまう。行動が2回分減る。
家の中にはいると牢屋の戸に鍵がかかっている。それとは別に魔術的な鍵もかかっているようだ。
それぞれの鍵を開けるのに【器用ロール】【魔術ロール】を行う(目標値:5)。これらはそれぞれ1回ずつの行動を消費する。
失敗したらやり直すことができるが、1回ごとに行動を消費する。
鍵は開いたが、がっちりと閂がかかっており動かない!【筋力ロール】を行う(目標値:5)。1回分の行動を消費する。
失敗したらやり直すことができるが、1回ごとに行動を消費する。
■10回分の行動を消費する前に成功すると、〈同行者〉を救出することができた!次のできごとに進む。
その際に、3つのお菓子の袋を手に入れる。
■10回分の行動を消費してしまった場合、魔女が召喚した使い魔の烏の大群に襲われる。
〈使い魔の烏〉
出現数:1d6 レベル:4 宝物:お菓子の袋(出現数分)
≪反応表≫ 常に【死ぬまで戦う】
魔女が使役している烏。今は魔女が乗り移り操っている。
これは【鳥類】に属する。鋭いくちばしは【斬撃】の攻撃特性をもつ。
近接武器で攻撃する場合、飛び回っていて狙いづらいので【攻撃ロール】に-1の修正を受ける。
倒してみると、そこには使い魔の死骸はなく、お菓子の袋が転がっていた・・・
ひえ~!!お許しを!もう一人も連れてきますのでシチューにしないでくださいまし!
22:中間イベント後追加ルール
中間イベント後には、使い魔の烏のを避けながらの冒険になります。そのため、危険な場所も通ることになるので40番~60番が解放され、d63のダイスを降ってください。
23:最終イベント
〈お菓子の家の魔女〉
「見つけたよ!」
もうすぐ子どもたちの家へたどり着くというのに、お菓子の家の魔女に追いつかれてしまった。
「その子どもたちをこっちによこしてくれたら、あんたがたには何にもしないよ。」
「さあ、こっちへおいで。いっぱいお菓子を食べさせてあげよう。わたしの家を見たろう?」
魔女が気味の悪い猫撫で声で子どもたちを誘う。
ヘンゼルは妹を背にかばいながら、「嘘つき魔女め!僕たちは家へ帰るぞ!」
と震えながらも勇敢に立ち向かう。
主人公たちもその心意気にこたえ、魔女に対峙する。
〈お菓子の家の魔女〉
レベル:4 生命点:8 攻撃回数:3 宝物:修正+2
≪反応表≫ 常に【死ぬまで戦う】
これは【魔法使い】【人間型】に属するクリーチャーである。【打撃】の攻撃特性をもつ。このクリーチャーは第0ラウンドに火球を放つ。この場所は広い場所として扱う。
この魔女は第1ラウンド以降の攻撃のうち1回は必ず〈特別な従者〉を狙う。
24:冒険の達成
「わたしたちは、ぜったいおうちにかえるんだからっ!」
グレーテルは渾身の火球を放つ。
「ぎゃああああああ!!!!」
魔女は全身を焼かれ、灰になって散り散りになってしまった。
一行は安心して帰路を急ぐ。夜が明けるころには、だんだんと馴染みある景色が見えてきた。
「あ、おうちだ!おとうさーん!」
子どもたちは一目散に駆け出す。
「おまえたち!無事だったか!よく帰ってきてくれた!ほんとうにすまなかった…」
お継母さんは、急病でなくなってしまったという。
「あなたが我が子を助けて下すったのですね。この飢饉の影響で、うちにはこれっぽちもお礼できるものがなくて…。」
父親は申し訳なさそうに大きな体を縮こませてお礼をいう。
「大丈夫だよおとうさん」
二人のこどもたちは顔を見合わせて笑う。ヘンゼルはズボンの。グレーテルは前掛けのポケットからそれぞれの『戦利品』を取り出して見せた。
「ぼうけんしゃさんたちには、これをあげる」
この賢くて強かな小さき勇者たちは、魔女の家からこっそりと『戦利品』を持ち出していたらしい。
主人公は金貨20枚の価値のある宝石を一つ、お菓子の袋を一つ手に入れる。
各主人公はそれぞれ1点の経験点を獲得する。
25:参照
①アランツァクリーチャー辞典
作者:杉本=ヨハネ 監修者:紫隠ねこ
②『常闇の伴侶』
作:水波流 監修:杉本=ヨハネ、紫隠ねこ
③『巨大樹の迷宮』
著:丹野佑、ロア・スペイダー 監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
④青空文庫 ヘンゼルとグレーテル
プロローグはほとんどここからです。素晴らしい訳です。
⑤サムネイル画像 画∶アーサー・ラッカム
26:ユドナリウムリリィ ルームデータ
★キャラクターのイラストは一部クリーチャーを除いてありません
一部クリーチャー画像は、アーサーラッカムのパブリックドメイン、いらすとやよりお借りしています。
★ユドナリウムリリィのターゲット機能を使用してチャットパレットを作成しています。その他ユドナリウム系のサイトでは使用できません。
https://cylinder-lily.com/
★快適にプレイするために・・・
①各種キャラクター駒、イベントクリーチャーはインベントリ>共有に入っています。各々ご利用ください。
②判定ロールはチャットパレットから行うか、テーブル上のダイスからでも行えます。
③できごとを決定するロールは、主人公のチャットパレットから行うことができます。
できごとを参照するには、GM駒のチャットパレットより発言するか、出目カードを裏返して見てください。
④できごとで起こるバフ・デバフは各できごとのキャラクター駒にリモコンを作成しています。できごとキャラ駒より付与・操作してください
★作者の間違い・ルールの読み間違いなどに気が付いた方はご連絡いただけますと幸いです。
☆個人の範囲でこのルームデータを再利用していただくことは構いません。
再配布、自作発言はご遠慮ください。