自分の"キャリアとこころの旅"の絵本 #1
「かわりもの」のたぬきくんのおかしなはなし
🦝 #1
たぬきくんは、「かわりもの」です。
たぬきくんは、小さいたぬきくんのとき、
シカさんにあこがれていました
シカさんのように
すっとあしがながくて
しせいがよくて
まつげもくるんで
そんなシカさんになりたいなぁと
おもっていました
おさないたぬきくんは
じぶんのすがたをみて
ためいきをつきました
「あぁ ぼくもシカさんみたいに
かっこよくなりたいな
どうしてこんなに
てあしがみじかくて
ぼてっとしてるんだろう
いやだなぁ」
たぬきくんは
そんなふうにおもいながら
おにいさんになりました
たぬきくんは小さいときから
「きみはへんだよ」
といわれることがありました
「そんなにへんなのかなぁ」
と思っていました
でもそんなとき
「へんかどうかは わからないけど
たぬきくんのこと すきだよ」
「たぬきくんはそのまんまが いいんだよ」
とどこからかメッセージが
きこえてくるのでした
たぬきくんはひとりで
たびにでることにしました
さいしょにとおった村は
まじょのいる森でした
つぎの村まで すこしとおいので
まじょのところでおてつだいして
しばらくこの森で
すんでみることにしました
まじょは
いろいろたぬきくんにいいつけます
ーまほうのほうきでそうじをしなさい
ーそれがおわったら、やくそう をつんできなさい
ーいずみにいって あさいちばんのきれいな水をくんできなさい
たぬきくんはがんばります
おうちでおかあさんのおてつだいは
たくさんしてきたけど
まじょのいうことはたぬきくんにとって
はじめてのことばかりだったから
たぬきくんはときどき
いずみであう やさしいまじょと
おはなししました
すると ふしぎとげんきになりました
たぬきくんは こうおもっていました
きっと、やさしいまじょがまほうをかけてくれているんだ と
たぬきくんはきめます
ある日、まじょに
またつぎの村にむかって
たびをすることを いいました
まじょは、なにもいいませんでした
でていくことも、たびにでることも
なにもたぬきくんにいってきませんでした