富裕層批判に対して超富裕層の政治と批判するアメリカ政治の奥深さ

バイデンアメリカ大統領が退任にあたりホワイトハウスで演説をしました。

「超富裕層による少数支配の政治が形成されつつある」
「ほんの一握りの超富裕層に権力が危険なほど集中している」
「彼らの権力の乱用を放置すれば危険な結果を招く」
「大統領の権力は無限ではない」

という内容です。

トランプ次期大統領は、富裕層寄りの政治を批判して国民の暮らしを守るというスタンスで大統領選挙を戦いました。
富裕層が多いカリフォルニア州やニューヨーク州では民主党のハリス氏に敗れましたが、中西部など昔ながらの労働者が多い州ではトランプ氏が勝利し、結果的にはトランプ氏が圧勝の大統領選挙でした。

圧勝したトランプ氏の戦略は富裕層を批判して多くの米国民に寄り添うというやり方でした。
しかしトランプ氏も富裕層です。富裕層を批判して国のトップに就く政治家はいますが、その多くは庶民派です。農家の出身だったり、腐敗した政治や官僚制度を倒すために立ち上がった人たちです。

一方で今回のアメリカ大統領選挙は、富裕層が富裕層を叩くという構図でした。そこにあまり疑問を抱かずにはいましたが、共和党の代表が富裕層を叩くのもなんだか違和感があるなとは思っていました。

しかし今回のバイデン大統領の演説でハッとしました。

「超富裕層が富裕層を批判している」
という構図でした。
なるほどと思いました。モヤモヤしていたものが腑に落ちました。超富裕層のトランプ次期大統領に対して近づこうとするIT創業者たち。まさに超富裕層の政治が出来上がりそうです。
今後のアメリカがどのような方向に進むのか?
私には見守ることしかできません。

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