日本経済新聞記事から好景気の受益者を考える


訪日外国人前年越え


2024年10月17日(木)日本経済新聞1面に
【訪日客消費はや前年超え】
という見出しがありました。

2024年1月~9月の訪日外国人の消費額と客数は、2023年通年を上回ったという記事です。消費額と客数は以下のとおりです。

(消費額)
2024年1~9月 5兆8582億円
2023年通年  5兆3065億円

(訪日客数)
2024年1~9月 26,880,200人
2023年通年  25,066,350人

どちらも9月末の時点で昨年1年間を超えています。
10月初旬には中国の国慶節という大型連休があったので、2024年はさらなる上昇が見込めるでしょう。



日本人旅行は前年割れ


一方でその前日の16日(水)日本経済新聞夕刊一面にはこんな見出しがありました。
【国内旅行も「高嶺の花」 日本人宿泊、昨年末から減少】

記事によると、国内の日本人の延べ宿泊数は、2023年12月から2024年8月まで、ほぼ一貫して前年割れということです。
物価高で家計に余裕がないなか、急拡大する外国人観光客に競り負けて希望の料金や時期に宿を利用できないという記事です。


誰のための好景気か


訪日外国人による消費で、旅行業、ホテル業、飲食業は潤っているのでしょう。ただ、人員不足という問題があります。需要をすべて利潤に転換できているかといえば難しいのかもしれません。ホテルや飲食店の場合、客室やテーブルのキャパシティも限られています。需要の伸び=売上の伸びとは簡単にはならないでしょう。

オーバーツーリズムという問題もあります。
観光地においては人が多すぎて、地元の方々の生活に支障が出ています。道路の渋滞、電車の混雑、ごみの問題などさまざまな問題があります。

しかし、訪日外国人の増加により明らかに日本の景気は良くなっています。お金が回るようになっています。

日本の景気は良くなっているのに、
日本人の旅行客は減っている。

この矛盾はどうしたもんでしょうか。

①日本の景気が良くなるけれども旅行には行けない
②日本の景気は平行線だが旅行には行ける

普通の感覚ならば間違いなく②を選ぶでしょう。
日本全体の景気よりも、自分自身の生活の質の向上を選択します。当たり前の判断です。

好景気の受益者はどこにいるのでしょうか?

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