石破総理を見てトップの姿を重ねる
2024年10月最初の日曜日に思うこと。
自民党総裁は岸田さんから石破さんに変わりました。
それにより、10月1日に石破総理が誕生しました。
総裁選では、
「解散総選挙は国民の理解を得てから行う、すぐには解散しない」
「今の経済状況では利上げが必要」
「日米地位協定改定や東アジア版NATOなどを考える必要がある」
といった発言がありました。
しかし総理になると、これらの発言は修正されました。
解散総選挙は総理大臣に選ばれる前から早期に行うと発言しました。
自民党総裁選挙で石破さんに決まって、9月27日の日経平均株価は大幅に下落しました。
安全保障関連は国会の所信表明演説で特に取り上げませんでした。
①トップの朝令暮改
トップは、現実を見ながら決定事項を変えていく必要があります。
トップの朝令暮改に対しては、賛成反対の両論があります。
「現実を見据えたら仕方がない、自分の考えに固執して組織が誤った方向に進んでしまっては何の意味がない」という肯定派と、
「トップがころころと意見を変えてしまっては現場が混乱する」という否定派がいます。
どちらの意見もその通りなのでしょう。
では今回の石破総理の発言から行動はどう評価するか?
朝令暮改肯定派からしていると賛成、
否定派からすると反対ということなのでしょうか?
今回についてはどちらも当てはまらないのではないかと思います。
トップの朝令暮改は、大きな考え方や進んでいく方向は変わりませんが、やり方を修正するということです。
「こういう方向に組織が進んでほしい、そのためにこのやり方を選択したが、うまく進まなそうなので、こちらのやり方に変更しよう」
ということがトップの朝令暮改です。
今回の石破総理はどうでしょう。
解散総選挙にしろ、利上げにしろ、安保関連にしろ、国の大きな方向性を示すものです。
今回の朝令暮改は、やり方を修正するのではなく、方向性を変更しました。
ここが大きな問題だと思います。
世論がとか、日経平均がとか、世の中の反応を見て国の進む方向を修正しました。これはトップとしてやってよいことなのでしょうか?
もう少し考えて議論する必要があるのではないでしょうか。そしてもちろん国民に丁寧に説明することも必要です。
②トップに対する信頼
次に、石破総理は自民党にいながら、政権への問題提議を発言していました。常に、自分の考えを持って、それを曲げず、ダメなものはダメとはっきり発言していました。
そこが石破総理の長所だったと思います。
しかし総理になった途端、自分の意見が右に左にぶれてしまいました。
まっすぐな考え方を持った人がトップになったと思ったら、トップになると結局、身内の意見に従わなければならない。だったら誰がトップになっても変わらないんじゃないのと思われてしまいそうです。
③時代に合った伝え方
さらに、石破総理の説明はとても長いです。
政治とは簡単に説明できることではない。歴史や様々な利害関係者がいるから丁寧に説明しなければならない。
それはその通りだと思います。
しかし、時代は「タイムパフォーマンス」、略して「タイパ」を重視するようになりました。ワンフレーズでどこまで相手の心に響く言葉を使えるかも重要な能力です。
アメリカのトランプ前大統領や、今回の総裁選に立候補した小泉進次郎議員などはワンフレーズの使い方の最上級者でしょう。
「自分はそういうやり方は向いていないから」
「自分のやり方とは違うから」
石破総理はそう思うかもしれません。
でも今の時代、トップも変わっていかなければなりません。
さまざまな世代に自分の考えを伝えるためにどのような言葉を使わなければならないのか、どうやって見せていくのか。
とても大切なことです。
石破総理自身が変わらなければならないこともあるのでしょう。
このように石破総理とトップとしての行動を重ねると、疑問点が浮かんできます。
これが何となく漂う政治に対する不信感なのでしょうか。
また同時に、自分自身の行動も改めなければならないなと勉強になりました。
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