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【星座夜話 15/88 エリダヌス座】
オリオン座の1等星リゲルの近くから始まり、そこから南に向かって流れる川の星座です。日本の本州では北側しか見えず、南端の1等星アケルナルは南九州~沖縄まで行かないと見えません。
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夜9時に見やすい時期:12~2月
有名な天体:特になし。
ギリシャ神話では少年パエトンが死んだ川とされています。
パエトンは太陽神アポロンの子供でした。ですが友人達はそれを信じません。パエトンはアポロンの子であることを確かめるため、アポロンの宮殿に来ました。
アポロンはパエトンを自分の子と認め、願いを何でも一つかなえると約束しました。パエトンは友人達に見せたいがため、アポロンが手綱を握る太陽を乗せた馬車を自分で走らせたいと願いました。
アポロンは馬達の気性が荒いことを知っていたので、やめるように諭したのですが、パエトンはききません。
パエトンは手綱を持ち馬車を走らせました。馬達も最初はおとなしく従っていましたが、手綱を握っているのがアポロンでないとわかると、途端に暴れだしました。
馬車は太陽を乗せたまま滅茶苦茶に走りました。太陽の熱で地上はことごとく焼け、サハラは砂漠となりました。このままでは地上は滅んでしまいます。
大神ゼウスは馬車を止めるため、パエトンを雷撃で撃ちました。撃たれたパエトンは焼け焦げ、川に落ちて死にました。パエトンが落ちて死んだ川、それがこのエリダヌス川です。
パエトンの妹達は彼の死を悲しみ、川岸でポプラの木になりました。そして彼女らが流した涙は琥珀になったと伝えられています。
別の神話では、パエトンに同行していた友人がいました。その友人は川に落ちたパエトンを必死に探しました。何日も何日も探し続けるうちに、いつしかその友人は白鳥になりました。アポロンはパエトンを探し続ける白鳥を哀れに思い、空に上げ、はくちょう座にしました。
その友人の名はキグナス(シグナス)といいます。