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【星座夜話 60/88 ふたご座】
黄道十二星座の一つ、ふたご座です。黄色の1等星ポルックス、白い2等星カストルの二つの星が目印。オリオン座のまわりを見まわし、仲良く並んでいる二つの明るい星が見つかれば、それがふたご座です。
星座絵では二人の男の子が描かれます。向かって右側が兄のカストル、左が弟のポルックスです。カストルはたて琴や矢を持ち、ポルックスは棍棒を持っています。
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夜9時に見やすい時期:1~3月
有名な天体:M35散開星団、12月ふたご座流星群
ギリシャ神話では戦場で勇名を馳せた双子の兄弟とされています。母はスパルタ国の王妃レダ、父はスパルタ国王と大神ゼウス(このあたりは説明しにくい)。
王妃レダは大きな鳥の卵を二つ産みます。一つめの卵からはスパルタ国王の血を引く長男カストルと大神ゼウスの血を引く次男ポルックス。二つめの卵からはスパルタ国王の血を引く長女クリュタイムネストラと大神ゼウスの血を引く次女ヘレネが生まれました。
カストル、ポルックスの双子の話ばかりが語られますが、実は彼らは四つ子で誕生したのです。
男子二人は戦闘に優れ、戦場で数々の功績をあげました。兄カストルは半人半馬の賢者ケイローンのもとで学び、馬術、弓術、戦術に秀でた頭脳派。弟のポルックスは戦闘能力に優れた肉体派で、大神ゼウスの血を引く不死の体でした。
しかもこの弟、鍛冶の神に頼んで両手を鉄の手に変えてもらうほどの筋金入りです。二人そろえばもはや恐いものなどありません。
こうして兄弟は戦闘をことごとく勝ち続け、世に名を知らしめたのですが、兄カストルが敵の矢(槍とも)にあたり、ついに死んでしまいます。弟ポルックスは兄の死を悲しみ、自分の命を差し出すから兄を生き返らせてほしいと、父ゼウスに懇願しました。
ゼウスは弟の命の半分を兄に与えて生き返らせ、二人を神々の国に住まわせました。後に二人は空に上がり、ふたご座になったと伝えられています。
さて、残りの姉妹はどんな人生を送ったのでしょうか。
妹ヘレネは大神ゼウスの血を引く、絶世の美女となりました。なんといっても美の女神アフロディーテが、人間界で最も美しいと認めた女性です。その美しさは並大抵ではないでしょう。
ヘレネはすでに結婚していましたが、トロイア国の王子と恋に落ち、駆け落ちしてしまいます。そしてヘレネを巡り、トロイア国とスパルタ国の間に戦争が起こりました。有名なトロイア戦争です。
戦いは10年に及び、最後はスパルタの木馬作戦でトロイアは滅亡しました。戦後ヘレネは祖国スパルタに戻り、残りの人生を静かに暮らしたそうです。
一方の姉クリュタイムネストラも波乱の人生です。彼女には娘がいましたが、再婚した相手にその愛娘を殺され、それを恨み、再婚相手を殺してしまいます。
そして最後はその再婚相手の実子に殺されるという、4兄弟姉妹の中で最も不幸な人生を送りました。クリュタイムネストラはよく悪女の見本のように言われますが、ちょっとかわいそうな女性です。