【星座夜話 08/88 いて座】
黄道十二星座の一つで、上半身は人、下半身は馬、という半人半馬を表した星座です。いては射手と書き、矢を射る者という意味です。
北斗七星に似た、柄杓の形の南斗六星(なんとろくせい)が目印。さそり座のアンタレスから左に目を移し、南斗六星が見つかれば、そこがいて座です。
夜9時に見やすい時期:7~9月
有名な天体:M8干潟星雲、M20三裂星雲等
いて座のモデルが誰なのか?については諸説あり、実はよくわかりません。その中で比較的知られた半人半馬の賢者ケイローンのお話を紹介します。
ケイローンは神と精霊の間に生まれた神の血筋で、学問や武術を授けられました。成長して師となり、カストル、ヘラクレス、アスクレピオスといった後の英雄達に武術や医術を教えました。
ある日ヘラクレスがケンタウロス族のポロスを訪ねてきました。ポロス宅で酒を飲んでいたヘラクレスは他のケンタウロス族と争いになり、怒って彼らに毒矢を放ちました。
その毒矢のうちの1本がケイローンの住む洞窟に飛び込み、ケイローンの足に刺さりました(いてっ!!)。
ケイローンは死なない不死の体だったため、猛毒に苦しめられるばかりで、苦しみに終わりがありません。ケイローンはその苦しみに耐えきれず、自分の不死を他者に譲り、ついに死を選びました。
死後ケイローンは多くの英雄を育てた功績により空へ上げられ、星座になりました。それがこのいて座なのだそうです。