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【星座夜話 18/88 おおぐま座】    

 北斗七星を含む、熊を表した大きな星座です。北斗七星が見つかれば、そこがおおぐま座の尻尾です。ですが目立つのは北斗七星だけで、他は暗い星が多く、街中ではあまりよく見えません。有名なわりには全体がわかりにくい星座です。

 北斗七星の尻尾の先から2番目の星はミザールといいます。二つの星が寄りそった二重星で、目の良い人なら肉眼でも見分けられます。小さい方の星にはアルコルという名前がついています。

 大きい方のミザール本星はさらに二重星になっており、望遠鏡で拡大すると二つに分かれて見えます。観望会では定番の観察対象です。

[しっぽの先から2番目がミザール]

夜9時に見やすい時期:3~5月
有名な天体:ミザール、M81他銀河多数。

ギリシャ神話では、熊に変えられたカリストーとされています。

 カリストーは狩りの女神アルテミスの侍女として、女神や他の侍女達とともに、山の中で暮らしていました。彼女達には男子禁制という鉄の掟があり、これを破った者には厳しい制裁が科せられました。

 ところがカリストーはこの掟に反し、大神ゼウスの子を身ごもってしまいます。これを知った女神アルテミスは激怒し、カリストーを熊に変え追放しました。(ゼウスの浮気に嫉妬した女神ヘラが熊に変えたとも言われています)

 カリストーはやがて男の子アルカスを生み、その子は羊飼いに拾われ、アルカディアの地で成長しました。

 成長し猟師となったアルカスは、ある日山で大きな熊に遭遇します。その熊は母親のカリストーでした。カリストーは一目見て息子とわかり、その息子を抱きしめたいと走り出しました。

 ですがアルカスには、熊が襲いかかってくるようにしか見えません。アルカスはすぐさま槍を構え、熊を突き殺そうとしました。

 これを見た大神ゼウスは、子に親殺しをさせてはいけない、とつむじ風を送り、二人を空に舞いあげました。そして空に上がったカリストーはおおぐま座に、息子アルカスはこぐま座となり、離ればなれだった親子は夜空で一緒に暮らせるようになったと伝えられています。


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