トルチャ 制作後記
初めましての方は初めまして、SANDと申します。
この記事は4月28日・29日に放送された『超』音MAD晒しイベント2024 にて私が披露した動画「トルチャ」に関する制作後記になります。
初noteゆえ、稚拙で冗長な文章となっていますがご容赦ください。
未視聴の方はこちらからどうぞ!
■はじめに
超晒しにて私の作品を見てくださりありがとうございました。
それどころかコメントでも盛大に盛り上げていただいて、視聴者の皆さんには本当に頭が上がりません。
生放送時、周囲の作品が揃いも揃って神作品ばかりだったため、当時の私は気が気じゃなかった(なかなか自分の作品が流れず不安になっていたのもある)のですが、結果として良い評価をいただくことができてとても安心しました。本当にありがとうございます。
■経緯
もともとカルチャ×バトルドームといった構想は去年の11月から考えていたものでした。この時期、Youtubeのほうでは「#MikuChallenge」という企画が行われていました。当時mad_ideaを血眼になって探していた私はこれに目を付けました。
もともとカルチャという楽曲が大好きだったということもあり、意気揚々とカルチャMADを制作開始。素材はサビの歌詞に合わせやすいバトルドームを選択。ここら辺は流れで決定した気がします。
と、決めたはいいものの肝心の音声制作が全然捗らない。それもそのはず、耳コピができない音MAD作者の強い味方、原曲のMIDIファイルがネット上に一つも落ちていませんでした。構想では、人力や裏の音を必須で入れたいと考えていたので頑張って耳コピをするしかありませんでした。オワタ
しかし、結局作業は進まず、時期的にも1月に公開される「S22.3 新人合作バージョン」の単品提出締め切りも迫ってきていたので、泣く泣く183に。
そして、時は1月1日。4年ぶりの『超』音MAD晒しイベント開催が告知されました。大型の参加型音MADイベントということで「これは絶対に出たい!」と参加を決意。
どんな音MADを出そうと考えていたところ、「超」という共通点からバトルドームMADで行こうと思いつきました。ここにはバトルドームというメジャー素材ならば視聴者も盛り上がりやすいだろうという打算もあります。
そこで、一度制作を断念したカルチャMADを掘り起こすことに。再び制作を開始しました。
今思えば、当日生放送でバトルドームでの素材被りが無かったのは奇跡だったかもしれない。(私的素材では使われていたが)
■音声
使用したソフト
今回音声を作るにあたって、先駆者様方のバトルドームMADを参考にさせていただきました。主に参考にさせていただいたのは以下の音MAD群となります。本当にありがとうございました。
カルチャMADを作るにあたってまずは構成決めを行います。今回はイントロ→A・Bメロ→サビ→Cメロ→ラスサビ→アウトロといった構成にしたため、全体を大まかに7つにパート分けしていきました。
技術面について、私がどのように音声を作っているかは割愛します(また今度別に記事を書くと思います)。代わりに、今回音声作りにおいて特に意識したことをここで述べたいと思います。
情報量を増やす
私にとって個人的に聴いていて楽しいMADというのは、セリフがBPMに合っている…けれども様々なセリフが入り乱れているようなものだと考えます。
もちろんこれは、ただ適当に配置すればいいってものではなく、そこに何かしらの意図や文脈が存在することで初めて意味を持つのではないでしょうか。
例えばこの部分。ここでは、「(ボールを)相手のゴールにシュート!」というセリフを刻みまくって配置していますが、これは音声と映像のどちらにも情報量を持たせるためです。
これはボカロのMVによくありがちなんですが、イントロは一枚絵だけが写って音声も映像も単調になりやすいです。そのため、刻みとツクダのロゴを合わせることで視聴者が飽きないような工夫を行っています。
情報量を増やすことは、小ネタを作ることにもつながります。このシーンでは「美醜を感じるワルツ」の末尾を「ツクツクツク」と変化させることで、ツクツクボウシを登場させるというネタ要素も入れています。面白いかどうかはさておき。
韻踏み
これは最近私がよく意識していることなんですが、セリフ合わせの際にできる限り原曲の歌詞の韻を踏むと聞き心地が良くなります。単純に原曲との調和性が高くなるから私はこうしていますが、別にこれをやらなかったからといって、聞き心地が悪くなるかといったらそんなことはありません。音声素材が豊富にある場合は試してみてもいいんじゃないでしょうか。
特にいい感じの韻踏みができたと思っているのはCメロのツクダオールスターパートです。ここでは、
の韻を意識しました。色んなワードがあるのがツクダオリジナルの良い所。
裏の音をしっかりと
カルチャという曲はベースやドラムがかなりはっきり聞こえることもあり、そこをどう演出するかで迷ったりしてました。
試行錯誤の結果、ベースやドラムはしっかりと聞こえて音圧もある、そこそこの音声ができたと思います。
ちなみに、ベースとドラムに関しては自分で作ったものとは別に、原曲から抽出したベース・ドラム音源を重ねるというズルを働いています。なんか物足りなかったので。
以上の点を意識しつつ、音声制作に勤しむこと数か月。ようやく納得のいく音声が完成しました。しかし、ここで問題が。
音声が完成した日が提出締切の3日前でした。
バカです。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ。あまりにも時間がありません。ここから不眠不休の映像作業に取り掛かることになりました。
■映像
先程述べた計7パートの映像を順に振り返っていきます。
なお、映像を作るにあたってツクダオリジナルMAD素材スターターにはお世話になりました。もし、ツクオリMADを作ってみたいという方は是非こちらを活用することをおすすめします。
イントロ(0:00~0:14)
同じツミキ楽曲の「フォニイ」の音MADの構成を汲んで、単色背景+キャラクター+タイトルテキストの画面構成を基調としています。
当初の予定では、こんなに小物をごちゃごちゃ配置する予定はありませんでした。その代わり、キャラクターの部分を初音ミクではなくアイ・テノゴールにするつもりでした。
しかし、締切3日前という超短期間に加えて、私自身の絵心の無さのせいで提出段階ではイメージを形にすることは叶いませんでした。苦肉の策としてミクにヨーヨーを持たせたり、ポーズが似ているバッキュマンを両端に配置して誤魔化しています。
Aメロ(0:15~0:25)
ここらへんのシーンは、完全に丸パクリです。「青く青く光る」というMVから画面構成をツクダオリジナル風にアレンジしています。神曲なのでぜひ聴いていただきたい。
なぜこのMVを参考にしたのかというと、ツクオリMADスターターの中にあるベクター素材や説明書を使いたかったというのが主な理由です。
本家MVは、背景(設計図?に格子がかかっている)+漫画のコマ・吹き出し+画面中央に3Dモデル+一番手前に模様のようなものといった画面構成です。私は、「これなら全部配布されている素材で再現可能じゃん!」と思いつきました。
本家と異なる点として、背景部分の素材もごちゃごちゃと動かしています。情報量は多ければ多いほど良い。
Bメロ(0:25~0:36)
構成としてはAメロと同じです。ただAメロと比べてお遊び要素をかなり盛り込んでいます。(ドラえもんのセリフ改変やのび太の「!?」など)
そして、ここから一番の見せ場でもあるサビへと移行していくため、盛り上がりの下地もしっかりと作っておく必要がありました。サビ前に「闘れや」と大きくテキストモーションを入れたのはそのためです。
「ここからサビに入るぞ!」という意識付けをする狙いがあったのですが、上手くハマっているのかは分かりません。
サビ(0:37~0:47)
サビです。ここもほぼ丸パクリです。「#MikuChallenge」にて投稿されたおむたつ氏の動画の構成をリスペクトしています。
この構成の特徴として、一拍ごとにキャラクターのポーズ&テキスト配置が目まぐるしく変わっていくことにあります。それだけで言えば大して難しくもないのですが、問題は毎シーン情報量が圧倒的に多いことにあります。
さらに、大切にしたいポイントがもう一つ。それは勢いです。私が思うに、名作のバトルドームMADは総じて勢い(躍動感といってもいいかもしれません)がすごいです。イメージとしては、『Exciting Goal!』『FavBatoMædⅣ Amethyshoooot!!!』『ライアードーム』など。
情報量と勢い。この2柱を意識しつつ、見せたいところはしっかり見せる映像作りを心がける。結果として、そこまで悪くない仕上がりにはなったんじゃないでしょうか。
ちなみにサビのラストに負けたくない少女を配置したのは、あったかアイロンつながりでCメロのツクダオールスターパートにシームレスにつなぐためです。
Cメロその1(0:48~0:58)
ツクダオールスターパートです。ここの画面構成は同じツミキ楽曲の「アングレイデイズ」からとってきてます。パクってばかりで申し訳ない。
ちなみに、画面をテレビみたいに歪める方法はティムさんの「曲面変形」スクリプトを利用しています。こちらの記事と合わせてどうぞ。
Cメロその2(0:59~1:21)
先駆者の模倣ばかりでオリジナリティの欠片もない本動画ですが、ここだけは一から自分でデザインしてます(多分)。構成としてはシンプルで、回転するバトルドームを中心に、文字のモーショングラフィックスを置いています。
ちなみに、背景の青いぐちゃぐちゃの作り方は過去の自分が解説してます。別に見なくてもいいです。
ラスサビ(1:21~1:32)
サビでは人間主体の映像でしたが、ラスサビではバトルドームを中心としたツクダオリジナル製品主体の映像にしています。これは、人間と玩具との対比を表現しているのと同時に、無機的なオブジェクトが生み出す独自の質感というか雰囲気をどこまで引き出せるかという挑戦の意味合いもあります。先駆者様の構成に引っ張られた感は否めませんが。
そうした意図から、ツクダオリジナル製品の中でもメジャー(だと私は考えている)なバトルドーム、ギャック、バッキュマンの3つを軸に映像を展開することに。あとバトルドームMADといえば回転なので、なんでもかんでもとにかく回転する映像にしてみたり。
ここで意識することは、とにかく見ただけで楽しい・かっこいいと思えるような画面にすることだけでした。楽しんでいただけてたら幸いです。
細かいポイント
・全体にVHS風のノイズやぼかし・色収差をかけて荒っぽい質感を演出してます。作り方はこちら。
・サビなどで映像の情報量を増やすために、図形モーションやテクスチャを適当にぶっ込んでます。使用した素材群はこちら。
・躍動感を出すために振動するフレームバッファや一瞬白背景を一拍入れたりしてました。使用したパラメータはこちら。
といったことを3日間で完成させる必要がありました。正直無理ゲーです。
実際期限に迫られて提出したのは、進捗が90%程度のものでした。無念。
■反省点
・音声ばかりにかまけて映像を作る時間がまったく残っていなかった
→本当にバカ。制作スケジュールをしっかり見積もる必要がある
・全体的に構成が他人の作品の模倣になっている
→クオリティは担保されているが、オリジナリティに賭ける
・画面の情報量を増やしすぎてエンコが終わった
→Cメロあたりで画質が圧倒的に粗くなる。情報量を増やすだけが良い映像じゃない
・イラストもつけたかった
→画力を上げる努力します…
■おわりに
改めまして、生放送にて私の動画を見てくれてありがとうございました。
超晒しという大きな舞台で自分の作品を披露できたことはとても良い経験になったと思います。一端の音MAD作者としてまだまだ成長できる余地があるなと思わされました。
次回の超晒しも参加するつもりですので、その時は生暖かい目で見てやってください。
ここまで長い間、お付き合いくださりありがとうございました。
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