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-北陸産地遠征レポート-

<ベンベルグ>ラボ第8講は合繊長繊維織物において日本を代表する産地、北陸(福井、石川、富山)へ伺いました。古くは北陸地方特有の湿潤な気候風土を活かし絹織物で栄え、国際化によるシェア競争が激しくなるなかで高機能繊維の開発を行い躍進。近年では国内生産シェア約9割、世界トップクラスの技術力を誇る合繊産地としても知られています。今回の見学では、<ベンベルグ>後染め裏地の製織工程や複合加工糸の生産工程を通して北陸産地が行うものづくりの特長を学びます。

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最初に訪れたのは、福井県越前市にある旭化成グループ唯一の衣料用織布メーカー、旭日繊維株式会社。こちらでは<ベンベルグ>工場で製造された<ベンベルグ >原糸を専門に織物を生産する委託加工生産(チョップ制度)を行なっています。主に<ベンベルグ>後染め裏地やターバンなど民族衣装の生地を扱う機屋さんです。代表取締役社長の中村様より会社概要や地域の歴史を説明していただきました。

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サイジング工場では、<ベンベルグ>原糸から生機となり出荷されるまでの一連の製織工程(準備と織布)を見学。糸を補強するための糊付けや民族衣装用に生地端を内側に織り返す特殊な織機に受講生は興味津々です。

工場内に整然と並ぶ 171台もの織機が唸りをあげながら生機を織り上げる光景はまさに壮観。戦後まもなく昭和天皇陛下もこちらの工場視察に訪問されたことがあるそうです。当時とは織機の種類も数も違いますが、戦後日本を支えてきた繊維産業の歴史の一端を感じることができました。

2件目の見学先は、石川県かほく市にあるカジグループの仮撚り工場。カジグループは繊維機械の製造を行うマシナリー事業に加え、糸加工や織物製造、ニッ ト製造、縫製業など、糸開発から製品化までの繊維事業を系列会社が一貫して手がけるグループ企業です。

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系列会社のなかで糸加工を行っているカジナイロン株式会社は、<ベンベルグ>糸とポリエステルやナイロンの仮撚り糸を絡ませる「ベンベルグ複合加工糸」の開発を旭化成株式会社と共同で行うなど、非常に高度な技術力で知られます。今回の見学では、カジナイロン株式会社が得意とする仮撚り糸の製造工程を存分に学びました。

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工場内を見学していくなかで受講生が共通して感じていたのが労働環境の良さ。施設内の清潔さや空調管理、社内ポスター、作業員同士のコミュニケーション用掲示板など、至る所に企業努力と遊び心をうかがうことができます。こうした環境づくりの積み重ねがあるからこそ、工場全体に若いポジティブなエネルギーが生まれ、結果いいものづくりに繋がっていくのかもしれません。

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産地を5つ回ってきたことで、その土地ごとの特長や違いを比較できとても勉強になりました。産地遠征を終え、次回は、5つの見学先産地を改めてふり返ります!

事務局 板倉

※ベンベルグ®は旭化成の再生セルロース繊維・キュプラのブランドです


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